ミニレビュー

好きなタレントやジャンル自動で録画。東芝REGZAの「みるコレ」が便利!

 仕事部屋兼寝室の8畳の部屋に、東芝の40型液晶テレビ「REGZA 40V30」を導入した。

東芝REGZA「40V30」

 個室に4KテレビはもったいないのでフルHD、リビングでも愛用し、操作が慣れているREGZAで……という理由だけで選んだのだが、テレビ本体の進化よりも、ソフトが充実していることに驚かされた。REGZAのテレビはこれで4台目だが、こんなに感激したのは初めてだ。

 見たい番組や、見たい番組の一部分だけを選んで見ることができ、とても助かっている。ほとんどテレビを見なかったが、40V30を使うようになってから、寝る前にテレビを見るのが楽しみになった。

テロップの文字くっきり。声だけ聞きやすくなる「クリア音声」も便利

 40V30は、40型で実売8万円程度というリーズナブルな製品でありながら、画質や音質にこだわった製品だ。スピーカーをテレビの前面に配置することで、高音質化。また、映像エンジン「NEWレグザエンジンCEVO」を搭載し、クリアな映像が特徴となっている。チューナは地上デジタル/BS/110度CSデジタル放送用のチューナをいずれも3基ずつ搭載しており、番組を見ながら同時に別の2番組を録画できる。

裏側。撮影時、一人で持ち上げたのだが軽くて驚いた。これなら裏側の掃除もマメにできそう
USBポートを備えており、そこにUSB HDDを接続できる
「TOSHIBA」「REGZA」のロゴも控えめ。デザイン面でも改善され、全体的にシンプルになった印象

 ずっとREGZAを愛用しているが、一昔前のREGZA製品と比較しても、映像の質感と、特にテロップの文字まわりがとても鮮やかで見やすくなっていることがわかった。画質によほどのこだわりがないのであれば、これで満足だ。テロップや字幕などの文字がくっきり見えるので、遠目でも見やすい。「クリア音声」ボタンを押せば、声が強調されるので、別の用事をやりながらでも、ニュースの内容がしっかり耳に入る。

 しかし、感激したのはハード側ではなく「ソフトウェア」。お気に入り番組の自動録画や、録画した番組の見たいシーンをすぐに探し出すことができるレグザクラウドサービス「Time On」の「みるコレ」が、「本当に無料なの?」と思ったほど便利なのだ。最初は興味がなかったのだが、ライフスタイルがガラリと変わったほどで、今ではみるコレ無しの生活は考えられない。筆者の中では衝撃的なサービスだったのだ。

リモコンはあいかわらずボタンが多い。よく使う「クリア音声」が上にあるのは便利

別途USB HDDを繋ぐとテレビ視聴の楽しさが増す

 みるコレを楽しむには、準備が必要となる。ネットワークに接続し、別途購入しておいたUSB HDDをつなぐだけで、録画対応モデルとなるのだ。USBハブを使用すれば、8台までのUSB HDDを登録でき、同時に4台まで接続できる。

USBはいつも使っているのですぐわかる。迷わずつなげることができた!

 ふだん使い慣れているUSBなので、接続場所はすぐにわかった。あとはネットワークとTime Onサービス「みるコレ」の設定を行なう。

好きな芸能人やアーティスト、ジャンルの番組がどんどんおまかせで録画される!

 「みるコレ」は、“好きなタレント”、“番組シリーズ”、“特定スポーツチーム”など、興味のあるテーマに関連したコンテンツ情報をまとめた「みるコレ」パックを登録して、自動検索された録画番組やネット動画を作れるおまかせ録画サービスだ。

「みるコレ」ホーム画面。登録したお気に入りパックの新着録画番組がズラリと並んでいる

 みるコレは最初に性別、年齢、家族構成を入力するとおすすめパックが表示される。女性で40代だと、ジャニーズ系が目立った。しかも単にグループではなく、グループの中の個人名が表示される。個人で出演している番組まで漏れなく録画しておけるのは、ファンにとって嬉しい機能だ。

たくさんのパックがあるが、探しやすい。おすすめパックは参考になる
ジャンルも色々分かれている

 自分で好みのタレント、ジャンルのパックを登録するには、「お気に入り」の設定をする。65,000以上のパックがあり、各分野でかなりマニアックに細分化されている。特にみるコレはアニメファンに評価されていると聞いたことがあるが、アニメのジャンル分けは恐ろしく細かい。これは全て手作業で作っており、今も増え続けている。もし好みのパックがない場合は、自分で入力して登録も可能だ。

アニメの分類が細かい。製作会社別で選べることにも驚いた
登録したお気に入りパックは、パックごとに横一列で表示されて見やすい

 また40V30は、Netflix、dTV、DMM.com、TSUTAYA TV、U-NEXTなど、さまざまな動画配信サービスにも対応しており、dTVやTSUTAYA TVはみるコレとも連動している。別途契約をすれば、レンタルショップに行かなくても家で映画やドラマ、アニメを楽しむことができる。

大相撲ファン必見! 好きな力士の取り組みだけ、後から選んで楽しめる

 みるコレで録画された番組の、さらに見たい部分だけ見つけられる頭出し再生は、「大相撲」で好きな力士の取り組みだけ早く探したいときも便利だ。

番組表のように文字で一覧表示される中から、素早く探すことが出来る。早送りして探す必要はなく、目的の取り組みを選べば頭出しをしてくれる。

好きな力士の取り組みだけパッと探せる!

 メジャーではないアーティストの場合、テレビなどのメディアに出るのはごく希で、後になって知る場合が多い。いつもガッカリしていたのだが、みるコレのパックで登録していると自動で録画されるため、そういったことはなくなった。

 歌番組でお気に入りのアーティストだけ探したいときも、すぐに見つかる。長い特番の場合は、とても便利だ。

長い歌番組からお気に入りのアーティストを見つけるのは大変。これならすぐに探し出すことができる

 小さいお子さんがいるご家庭では、「幼児向け番組パック」もおすすめだ。ついNHK教育テレビばかり録画してしまいがちだが、他の放送局でも色々あることがわかる。録画しておけば、子どもと一緒にいつでも楽しむことができそうだ

 お気に入りパックに関連したYouTubeも一緒に表示してくれるので、テレビで同時にYouTubeもチェックできる。40インチでYouTubeの視聴というのは無理があるかと思ったが、カクカクした感じはなく、違和感なく見ることができた。

すごく便利なのに、「使うまで」が優しくない!

 みるコレは、好きなアーティストの出演情報を自分で番組表でチェックする必要がなく、名前をお気に入りパックに登録しておくだけ。時間もかからず、助かっている。

 しかし、細かい操作方法を知る術がなく、わからなければ、サポートに電話して聞くしかないのには困った。黒物はこちら側の操作に関する慣れや知識があらかじめ求められているようで、基本的に機器類が苦手な方にとっては、ちょっとしたことでつまずく可能性があるかもれない。

 例えば、みるコレを楽しむためのリモコンのボタンが「クラウドメニュー」となっているなど、名称も統一されていないので、最初のうちは事あるごとに迷ってしまった。

 みるコレで録画していたものは、HDDの容量と設定にもよるが、一定期間を過ぎると消去される。お気に入りの番組は保護しておきたいと思っても、みるコレ内に一覧表示されている番組から選択して保護、といった機能はない。いったんテレビ側の「録画リスト」ボタンを押して、録画リストを開いてからサブメニューボタンを押し、「通常番組に変更」を選んでおまかせ録画を解除しておく……といった具合だ。

 そうした操作方法はどこにも書いていないので、サポートに聞くまでやり方がわからなかった。レグザサーバーも愛用しているが、仕様が全く違うのでリモコン操作も迷ってしまう。使い方を知りたくても、どこで調べていいのかわからず困惑した。ある程度こういった機器に慣れている方は自分で見つけられるのかもしれないが、慣れていないとサポートに電話をして聞くしかないのが現状だ。

 リモコンの名称などを統一して操作を簡単にし、みるコレのサイトで基本的な使い方ページを公開することは、最低限行なってほしい。テレビを短時間で無駄なく楽しめる素晴らしいサービスであるだけに、“機械に疎い”人でも簡単に使えるよう、使いやすさやわかりやすさの点でも早急に改善してほしい。

好きな番組だけまとめると「テレビはまだまだおもしろい!」

 V30シリーズは、画質にはそれほど興味がなくても、でもお気に入りの番組は楽しみたい、という方にぴったりではないだろうか。好きな番組は根こそぎ録画して自分専用番組表ができているので、あとはまとめて見ることができる。

 以前はなんとなくニュースやバラエティ番組を見ていただけだが、寝る前にはお気に入りパックを確認して自分が見たいテレビだけを楽しむようになった。好きなアーティストが未来番組の中に入っていると「近日中に見られる!」とテンションが上がる。

 また、最近のテレビはつまらないと思っていたが、自分の好きなジャンルだけを絞って見てみると、楽しいと思える番組がまだまだあったことも大きな発見だった。今は家の用事をしながら、みるコレで録画した番組を見るのが楽しみとなっている。

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石井 和美