ミニレビュー

年末年始もアニメ三昧。Chromecastに対応した「dアニメストア」をスマホ&テレビで

 アニメに特化した見放題の動画配信サービス「dアニメストア」が、ついに12月18日からChromecastでの再生に対応した。これにより、既に様々な動画配信サービスと連携しているChromecastを介して、テレビでもdアニメストアが視聴しやすくなった。既に同サービスのヘビーユーザーである筆者(大和 哲)が、ChromecastとAndroid端末、テレビを組み合わせて、大画面での使い勝手や画質などをチェックした。

Chromecastを使って、32型のAQUOS「LC-32H9」でdアニメストアの番組を視聴。スマートフォンはASUS「ZenFone5」を使用

月額400円でアニメ見放題。Chromecast対応でテレビ視聴も

「dアニメストア」のWebサイト

 dアニメストアは、NTTドコモとKADOKAWAの合弁会社であるドコモ・アニメストアが運営。'12年より、ドコモのスマートフォン/タブレット向けサービスとしてスタートしたが、今年4月にはキャリアフリー化され、iPhoneや、ドコモ以外のキャリアの端末でも視聴可能になった。最近話題のMVNO契約端末でも、対応アプリをダウンロードすれば利用できる。

 料金は月額400円と安価。特定の番組だけ追加料金ということはなく、この値段で提供されている番組が全て見放題な点もファンが多い理由だろう。ただ、配信期間が限られていて、これを過ぎると観られなくなる番組も多いので、後で観ようと思っているうちに見逃してしまうことには注意したい。例えば、有名どころでは「魔法少女 まどか☆マギカ」が12月31日までで観られなくなる。

 ラインナップは、「リボンの騎士」のような古い名作から「寄生獣 セイの格率」、「デンキ街の本屋さん」「SHIROBAKO」といった新作まで配信している。放映中のものは、例えば寄生獣の場合放映の2日後からdアニメストアで配信開始、デンキ街の本屋さんであれば(最初の放送になる)TOKYO MXオンエアの4日後から配信開始されている。

 多くの番組は「見逃し配信」で、1話から最新話まで配信される。ただ、一部番組(例えば'14年10月期作品だと「結城友奈は勇者である」や「甘城ブリリアントパーク」など)は、最新話のみ1週間配信となっている。

12月のある週の「dアニメストア」視聴ランキング。寄生獣、フルバ、タイバニ、妖怪ウォッチと来て、なかいもである。これにうなずけるなら、あなたも「その層」の一員

 ちなみに、「妖怪ウォッチ」など子供向けの番組もないではないが、特にそれらよりも年齢層の高いアニメファン向けコンテンツが充実しており、その層に人気があるサービスだ(筆者も「その層」の一人な訳だが)。ファミリー向けは同じドコモの映像配信サービス「dビデオ」の方が充実しており、例えばドラえもん、アンパンマン、NARUTOなどが配信されている。妖怪ウォッチやアイカツ! などは両方から配信されている。

 同サービスが12月18日からChromecastに対応したことで、ChromecastとHDMI接続したテレビでも、これらの作品が視聴可能になった。Android 4.2〜4.4を搭載した端末と連携し、テレビの大画面でも同じく見放題で楽しめる。

 dアニメストアは、Androidスマホ/タブレット、iPhone/iPad、PCと対応機種を広げてきたが、大きな画面で写すという用途には弱かった。家庭のテレビでdアニメストアを視聴するには、MHLケーブルなどでスマホをテレビに接続するか、ドコモが販売している専用スティック型端末「dstick」(税込7,128円)を購入するといった手段しかなかったからだ。

12月18日からdアニメストアも、Chromecastに対応した

 Chromecastは、インターネットのコンテンツをテレビで観られるGoogleのWi-Fiストリーミング端末で、Google Playや家電量販店などで販売されている。4,200円と安価で、YouTubeやHulu、U-NEXTなどの動画配信サイトも対応。このChromecastを使ってテレビで視聴できるサービスとして、dアニメストアが加わった。Wi-Fi接続したスマホから操作も可能。大画面での鑑賞がより身近になった。

 前述の通りdアニメストア自体はiPhone(iOS 7.0〜8.1)にも対応しているが、12月時点ではChromecast対応はAndroid端末のみ。iOS対応については「今後詳細を発表する」としている。ただ、iOS端末を利用している人にもうれしいニュースとして、Apple TV(AirPlay)への対応も開始した。iOS用「dアニメストア」アプリVer.4.00を利用してApple TVに再生指示を行なうことで、Apple TVと接続したテレビでdアニメストアが楽しめる。

ドコモ以外のキャリアを使っていても、docomo IDを取得して利用可能

 なお、Androidスマホ/タブレット単体で視聴する場合の対応OSはAndroid 4.1〜4.4。既報の通り、Android 5.0にバージョンアップすると視聴ができなくなるという。Android 5.0には、'15年2月のアップデートで対応予定としているので注意したい。

 どの端末を使う場合も、dアニメストアの利用には「docomo ID」が必要になるが、このIDはドコモ以外の利用者でもメールアドレスさえ持っていれば登録が可能。dアニメストア・dビデオの利用料の支払いはドコモユーザーの場合ドコモ携帯電話の使用料と一緒に、それ以外の場合はクレジットカードでの引き落としとなる。

操作は簡単、スマホがリモコン代わりに

 Chromecastでのストリーミング視聴の操作は、非常に簡単。dアニメストアアプリをインストールしたスマホやタブレットを、テレビリモコンのように使えると思えばわかりやすい。なお、Chromecastとスマホ/タブレットの初期設定は、これまでのレビュー記事を参考にしていただきたい。

 dアニメストアのアプリを起動すると、画面上のアプリタイトルの右側に、「キャストアイコン」が表示される。これをタップすれば、スマホ上ではなく、テレビ上でのアニメ再生ができるようになる。これ以外の設定は何もいらない。

 あとは、Android端末上の操作で好きな番組を探して、観たい話数のページで再生。「普通」、「きれい」、「すごくきれい」と表示されるので、このいずれかをタップするだけと、非常に簡単。光インターネット+ Wi-Fi環境では「すごくきれい」で問題なく視聴できた。なお、「ガンダム Gのレコンギスタ」に関しては、加えて「HD(Wi-Fi推奨)」という項目もある。

Chromecastに接続
Castアイコン
テレビ側にも「キャストの準備が完了しました」と表示される

 再生、一時停止、早送り、巻き戻し、音量調整操作は全てAndroid端末上で行なう。テレビ側がHDMIのCEC機能(AQUOSファミリンクやレグザリンク、ブラビアリンク、ビエラリンクなど)に対応していれば、Chromecastをスマホに接続した時点で電源が入り、信号入力もChromecastの繋がったHDMI端子に切り替わるので、テレビリモコンでの操作は不要。唯一リモコンを使うのはテレビの電源を切るときくらいだ。

 基本的にはスマホ上でアニメを観るときと同じ操作で済んでいると言えばそれまでなのだが、端末上でテレビの操作ができるのは、まるで端末がテレビのリモコンになったかのような手軽さ。文字入力での番組検索までスマホ上でしやすいため、テレビのリモコンより楽かもしれない。

見たい作品のページで画質を選択すると再生開始
キャスト中の画面
画面の上のバーが現在の再生位置、下のバーが音量

 ちなみに、dアニメストアの検索機能は強力で、観たい番組を探すのに大変便利だ。例えば「ごち」までひらがなを入力すると「ご注文はうさぎですか? 」が候補に出てくる、いわゆるインクリメンタル検索に対応しているだけでなく、略称の「ごちうさ」で検索しても同番組が候補にあがる。登場人物のひとり「ココア」でも同様に候補にあがってくる。「結城友奈は勇者である」も略称の「ゆゆゆ」で表示される。どのような仕組みで実現しているのかよくわからないが、うろ覚えのタイトルや略称、登場人物名で検索できるのが素晴らしい。

dアニメストアの検索は強力だ

 マルチデバイス対応のため、同じ話をスマホ/タブレット/Chromecastで観ることが可能(ただし、同時に再生できるのは1台のみ)で、あるデバイスで途中まで観て止めていた場合、他のデバイスで再生すると、デフォルトでは他のデバイスで観ていた続きからのレジューム再生となる。

 これに関してはChromecastも同様で、例えばスマホでダウンロードした番組を途中まで観ていて、家に帰ってからChromecastで同じ話を再生すると続きからテレビで観ることができて便利だ。

 筆者の場合、dアニメストアでは、観たいコンテンツは片端からとりあえずダウンロードしておき、スマホにダウンロードしたコンテンツを日中移動しながら電車の中などで観る。そして、自宅に帰ってから続きをPCで観るという使い方をしている。人によってはこれがChromecastでのテレビ再生になるのではないだろうか。

 一度ダウンロードするのは手間といえばそうなのだが、番組さえ指定しておけば、ものの5分も放置しておけば完了するので、家に帰って携帯を充電するときのルーチンにしてしまえばそれほど苦ではない。なお、このことからもわかる通りdアニメストアのダウンロード再生は、一度ダウンロードしたら全ての手続きが終わっているわけではなく、再生前、再生後にライセンス処理や再生開始終了位置の登録・確認などを行なうため、通信がここで発生する。

 ちなみに、Chromecastでは対応していないが、dアニメストアは「らき☆すた」、「とある科学の超電磁砲」、「魔法少女まどか☆マギカ」など一部のコンテンツでH.265/HEVCでの配信も行なっている。H.265/HEVCはニコニコ動画などでも採用されている新しいコーデックで、H.264/MPEG-4 AVCより高いデータ圧縮性能を持ち、大体同程度の画質でデータ量を半分程度にできるのが特徴。ドコモの'14年夏モデル以降のスマホ/タブレット、例えばXperia Z3 SO-01G、Xperia Z2 SO-03F、docomo AQUOS ZETA SH-01G/SH-04Fなどでは、ダウンロード時間がこれまでの約半分程度になる。

 dアニメストアでは多くの番組が、スマホではストリーミング・ダウンロード視聴両方に対応しているが、Chromecastの視聴はストリーミングのみ。なお、PCも同様にストリーミングのみの対応となっている。基本的にChromecastでの視聴は、先に対応したPC視聴に準じる仕様のようだ。

Chromecast対応でテレビの大画面でも。画質も

 これまでもスマホでdアニメストアを楽しんできた筆者だが、Chromecastを使って家庭のテレビで鑑賞して、改めて「やはり大画面はいい」と感じる。

 画面が大きくなると画質のアラも目立ってくるわけだが、いくつかのアニメを480p、29.97フレーム/秒の設定「とてもきれい」(720p HDに対応している「ガンダム Gのレコンギスタ」に関しては「HD」)で鑑賞してみた感じ、筆者の感覚では、地上デジタル波のそれからさほど劣らないように思えた。ちなみに、ドコモが公開している技術資料によれば「とてもきれい」のビットレートは3.0Mbpsだそうだ。

 筆者は(画質に関してはあまり評判のよくない)東京MXで放送される深夜アニメを視聴することが多く、その画質に慣れてしまったせいもあるかもしれないが、放送された番組をdアニメストアでもう一度見返してみると、むしろこっちのほうがよいのではないかと思うときもあるくらいだ。

 それより下のクオリティ「きれい」で表示させると、場面切り替えやグラデーションのかかった映像などで少しブロックノイズが目立つようになるが、考えてみればビットレート1.5Mbps・フレームレート20フレーム/秒のMPEG-4 AVC/480pの動画をHDとはいえ大きなテレビの画面に映すと考えたら「こんなものかも」とも思える。

 いずれにしても、アニメファンから見て、画質と値段のバランスもほどよく、(時期がくると観られなくなってしまうことがあるという問題はあるものの)観たいコンテンツが非常によくカバーされていて、さらにいえば、ユーザーからのリクエストもtwitterなどでよく受け付けてくれることもあり、人気がある理由がよくわかる。

 一度、サイトを覗いて検索をかけてみてほしい。タイトル検索は会員でなくても利用が可能だ。先述の通り、うろ覚えのタイトルの一部でも入力できれば、コンテンツを検索することができるはずだ。例えばレコーダで録画していたつもりが、つい録り逃してしまった人も、その作品があるかどうか調べてから入会できる。

 1話のみ入会不要で無料視聴できるタイトルも多く、さらには2015年3月31日までは、初回31日間無料で、配信作品全話が見放題というキャンペーンも行なっている。特に、「タイトルははっきり覚えていないが、見てみたいアニメがある」という人にもおすすめしたい。年末年始のテレビ番組に飽きたとき、ひたすらアニメに浸りたいときも、アニメファンにとってきっと素晴らしい体験になるはずだ。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身のライター。88年、パソコン誌「Oh!X」(日本ソフトバンク)にて執筆開始。PCやスマートフォン、モバイル関係のQ&A、用語解説、プログラミング解説などを書く。代表作は「ケータイ用語の基礎知識」(インプレス・ケータイWatch) Oh!X誌上では「オタッキー(で)」とも呼ばれた、その筋人。最終学歴は東海大学漫画研究会。ホームページはhttp://ochada.net (イラスト : 高橋哲史)