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【レビュー】小型化+FLAC対応の新Androidウォークマン「NW-F800」

専用機ならではの使いやすさと魅力


NW-F800

 国内における音楽プレーヤーの雄であるウォークマンがリニューアル。最上位モデルはF800シリーズとしてAndroid 4.0を搭載。10月20日より発売する。

 Android搭載ウォークマンは、'11年に4.3型液晶搭載の「NW-Z1000シリーズ」を発売しているが、F800シリーズでは液晶を3.5型に小型化するとともに、Android OSのバージョンは4.0にアップデート。さらにロスレスオーディオコーデックの「FLAC」に対応するなど、大画面をアピールしていたZ1000シリーズに対し、より「音楽」にフォーカスしたプレーヤーとなっている。

 もちろん、OSがAndroidなので、ソニー独自のW.プレーヤーやフォト、ビデオプレーヤー、DLNAアプリなどに加え、Google Playからダウンロードしたアプリの追加も可能なマルチメディアプレーヤーとして利用できる。容量は16GB「NW-F805」、32GB「NW-F806」、64GB「NW-F807」の3種類で、店頭予想価格は16GBが2万円前後、32GBが25,000円前後、64GBが35,000円前後。

 ほぼ同時期に最大の競合となるiPod touchも発売された。ウォークマンとiPodの市場シェア争いでは、近年Sシリーズを中心にシェア向上しているウォークマンが上回っているとはいえ、マルチメディアプレーヤーの領域ではiPod touchの後塵を拝してきた。新Androidウォークマンは、その牙城を崩すことができるのか? オーディオプレーヤー機能を中心に16GBモデル「NW-F805」の各機能をチェックした。



■ 3.5型液晶となり小型化

パッケージ

 ディスプレイは3.5型/480×800ドット。'11年の最上位モデルNW-Z1000シリーズと比較すると一回り小型で、一般的なスマートフォンよりやや小ぶり。音楽用プレーヤーとして使うのであれば、これくらい小さいほうが使いやすい。外形寸法は114.6×56.8×8.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は100gとなり、Zシリーズと比較すると重量も約2/3となっており、持ちやすさは向上している。

 プロセッサはNVIDIA Tegra 2 1GHzでメインメモリは512MB。実はディスプレイサイズ以外の基本的なプラットフォームは、Z1000シリーズとほぼ同じだ。Tegra 2というのは、最新のタブレットやスマートフォンと比べると、やや古く見えてしまうかもしれないが、高解像度液晶を搭載しているわけでもなく、音楽プレーヤーを中心に使う限りは、パフォーマンス的には別段問題は無いだろう。デジタルノイズキャンセルにも対応し、付属のイヤフォンは「MDR-NWNC33」。

 本体は高級感ある光沢塗装を施している。操作はタッチパネルと周辺のボタンを利用。本体上部に電源/HOLDボタン、右側面にボリュームスイッチと、音楽プレーヤーをワンボタンで呼び出せるW.ボタンを装備。下面にはWM-Portとヘッドフォン出力、ストラップホールを備えている。

3.5型/480×800ドット液晶を装備。液晶下に戻る/ホーム/オプションなどのタッチパネルも 本体上部に電源/HOLDボタン
WM-PORTやヘッドフォン出力も 背面 イヤフォン接続時。付属イヤフォンにはWM-PORT用のカバーがつくようになった

 なお、Zシリーズとの大きな違いはHDMI出力が省かれていること。この点からもビデオにもこだわったマルチメディアプレーヤーという位置づけだったZシリーズに対し、F800シリーズの狙いが変わってきていることが伺える。

 

【FシリーズとZシリーズの比較】

型番 F800シリーズ Z1000シリーズ
('11年12月発売)
ディスプレイ 3.5型
800×480ドット
4.2型
800×480ドット
プロセッサ Tegra 2
OS Android 4.0 Android 2.3
(後日4.0にアップデート)
HDMI -
ちょい聴きmora -
(後日アップデートで削除)
DLNA Throw -
(後日アップデートで対応)
FLAC -
(後日アップデートで対応)
外形寸法 114.6×56.8×8.9mm 134.4×70.9×11.1mm
重量 100g 156g

NW-F800とNW-Z1000シリーズの比較
iPod touchとの比較

■ FLACに対応。x-アプリとMediaGoの2種類の転送ソフト

 パソコンからの楽曲転送は、Windowsの場合「x-アプリ」Ver.4.0、もしくは「Media Go」を利用する。X-アプリとMediaGoの対応OSはWindows XP/Vista/7。なお、Windows 8の発売後に、x-アプリ Ver.5.0の提供を予定している。

x-アプリ Ver.4.0 MediaGo

 Macintosh/Windowsからのドラッグ&ドロップ転送も可能で、iTunesで楽曲を選んでウォークマンの[MUSIC]フォルダにドロップするだけでも転送できる。iTunes Storeで購入した楽曲(DRM無し/AAC 256kbps)や、moraで購入したDRMフリー楽曲(AAC 320kbps)も問題なく転送/再生できる。

 対応音楽形式は、MP3、WMA、ATRAC、ATRAC Advanced Lossless、リニアPCM、AAC、HE-AACとFLAC。新たにFLACに対応したことが大きな特徴だ。音楽再生は、ウォークマンの標準音楽プレーヤーアプリ「W.ミュージック」を利用する。

 なお、x-アプリはFLACのリッピングや楽曲管理に対応していないため、FLACを中心にライブラリを構築する場合は、MediaGoや別の楽曲管理ソフトを利用したほうがいい。

 

【FLACファイルの再生可否】

形式 再生可否
16bit/44.1kHz
(CDリッピング)
24bit/44.1kHz
24bit/48kHz
24bit/96kHz ×
24bit/192kHz ×

 FLACの扱いについては、別記事でも紹介しているが、ソニーがサポートを謳うのは16bit/44.1kHzまで。しかし、編集部で試した限りは、24bit/48kHzのファイル再生には対応しているようだ。24bit/96kHzや24bit/192kHzには非対応だ。

 「e-onkyo music」で配信中の楽曲をウォークマンの[music]フォルダにドラッグ&ドロップで転送したところ、24bit/192kHzのBill Evans「We Will Meet Again」、24bit/96kHzのChicago「Saturday In The Park」などは再生不可。一方、24bit/48kHzのドナルド・フェイゲン「I.G.Y.」は問題なく再生でき、イコライザやVPT(サラウンド)、DSEE(高音域補完)、Clear Phaseなどの高音質化技術のON/OFFも可能となっていた。

 また、'09年に発売された「ザ・ビートルズ BOX USB」の24bit/44.1kHz FLACファイルを転送したところ、こちらも問題なく再生できた。ただし、アルバムアートは表示できなかった。

 CDからリッピングしたFLACファイルは問題なく再生できる。MacBook Proで、FLAC対応のアプリ「XLD」を使ってリッピングした楽曲を、ドラッグ&ドロップでウォークマンに転送したところ、問題なく再生でき、XLD上で設定したアルバムアートもしっかりと表示できた。また、編集部で試した限りでは、FLAC楽曲でもギャップレス再生は行なえていた。

24bit/48kHz FLACの「I.G.Y.」を再生 24bit/96kHz、192kHz楽曲は再生できず
CDをリッピングしたFLACファイルも再生

 ともあれ、ネットワークオーディオで主流となり、機器も増えているFLACに対応したことで、かなりウォークマンの魅力が高まったと感じる。CDリッピングした曲をホームオーディオだけでなく、ポータブルでも持ち運べるという意味で、ウォークマンがアピールする「高音質」を求める人には嬉しい機能強化といえるだろう。なお、Apple Losslessには対応していない。


■ W.ボタンで“専用機ならでは”の操作性

メインメニュー

 操作はタッチパネルと液晶下の「バック」、「ホーム」、「メニュー」の各ボタン(タッチセンサー方式)、本体右のW.ボタンを利用する。基本的にタッチパネルで決定、戻るボタンで前の画面に遷移し、ホームボタンでトップメニューに戻るという形だ。

 トップ画面には、最下段にW.ミュージック、ビデオプレーヤー、ピクチャー、FMラジオなどへのショートカットを表示。音楽の再生はソニー純正のアプリ「W.ミュージック」を利用する。また、初期状態ではGoogle PlayストアやYouTube、mora、Music Unlimited、ノイズキャンセル、ブラウザなどのショートカットが用意される。

 W.ミュージックを起動すると上部にライブラリ、おまかせチャンネル、カバーアートビューの3種類の再生メニューが現れる。「ライブラリ」は楽曲検索、「おまかせチャンネル」は、アクティブ、エモーショナル、ダンスフロア、リラックスなどのキーワード(ムード)を選ぶだけで、12音解析した楽曲データから自動的にプレイリスト再生する機能、カバーアートビューは、アルバムのジャケット(カバーアート)からの検索メニューとなっている。

 楽曲検索画面では、最上段にライブラリ、おまかせチャンネル、カバーアートビューの3項目を表示。ライブラリを選択すると、その下に全曲、アルバム、アーティスト、ジャンル、リリース年、最近追加した曲、プレイリスト、フォルダの各検索メニューが示され、任意の方式で楽曲検索できる。昨年のZシリーズをほぼ踏襲しながら、こまかな改善を図っているが、UI自体はわかりやすく使いやすいので、楽曲検索で戸惑うことは殆ど無かった。

ライブラリ アルバム、アーティストなど選択可能 アーティスト検索
フォルダ検索 おまかせチャンネル カバーアートビュー
音楽再生画面

 再生画面では、楽曲名やアルバム、アーティスト名などのほか、スキップ/バック、一時停止ボタンやタイムシークバーなどを表示。画面の上部には、ライブラリに戻るボタンや、シャッフル、リピートのON/OFFボタン、エフェクトボタンも用意。また、最上部を下に引っ張るようにフリックすると[通知]メニューが呼び出せ、ノイズキャンセルの設定画面に移動できる。

 また、タッチパッドのオプションボタンから、イコライザやVPT、DSEE、クリアステレオ、ダイナミックノーマライザー、xLOUD、Clear Phaseなどの音質設定を呼び出せる。


上部のバーを引き出して、各種機能を呼び出し。ノイズキャンセルも ノイズキャンセル 音質設定

・おまかせチャンネルなど

おまかせチャンネル 本体でも12音解析

 おまかせチャンネルは、x-アプリにおける12音解析で、好みの“ムード”の自動プレイリスト再生を行なうもの。リラックス、アクティブなどのムードにあった曲を解析し、プレイリスト再生できる。

 ただ、x-アプリがFLAC楽曲に対応していないので、FLAC曲を12音解析できないのが悩みどころ。その場合は、ウォークマン本体での12音解析が可能だ。おまかせチャンネルからオプションで「12音解析」を選択することで、本体内で解析実行できる。ただし、解析のためには電源接続が必要なほか、時間もかかる。255曲のFLACファイルの解析に約2時間かかった。

 また、ウォークマンで再生できない楽曲(24bit/96kHz、192kHzのFLACなど)がW.ミュージックに登録されていると、本体の12音解析時にエラーとなり、解析できないので注意したい。

 リラックス、アクティブ、ラウンジなどの楽曲区分は、時々「なぜこの曲が?」と分類に疑問を感じることもあったりするが、それを含めてちょっと変わったシャッフル機能として活用できる。


カバーアートビューでも絞り込み検索できる

 カバーアートビューは、アルバムジャケットから選曲できる検索メニュー。ジャケットを投げ散らかしたかのようなデザインで、検索性がすごく高いというわけではないが、登録楽曲がそれほど多くなければ、アルバムアートから簡単に検索できる。また、カバーアートビューからアルバムやアーティストなどで絞り込み検索を行なうことも可能だ。

 基本的な操作はタッチパネルで行なうが、瞬時に再生/停止操作を行ないたい場合のために、本体右にW.ボタンを装備している。このボタンを押すことで、他のアプリ利用中やHOLD中でも、W.ミュージックのミニプレーヤーが起動し、すぐに再生/停止や曲送り/戻しなどの操作が行なえる。

 HOLDを解除せずに操作できるため、「電車で目的地について、音楽再生をOFFにする」といった時には便利だ。Z1000シリーズでも搭載していたが、スマートフォンではできない音楽プレーヤーに特化した操作が可能という点で、ウォークマンの良さが光る部分だ。

W.ボタンで、ミニプレーヤーを呼び出し W.ボタン

・moraから直接ダウンロードも

mora

 また、10月1日にリニューアルした音楽配信サービス「mora」とも連携。無線LANでmoraにアクセスして、直接楽曲をダウンロードできる。

 mora IDのユーザー登録さえ済んでいれば、サインインして楽曲を選ぶだけで、すぐに購入できるのは便利だ。楽曲数も豊富で、ランキングもDaily/Weekly/Monthlyや楽曲別/アルバム別で用意されているので、これらを見ているだけでも結構楽しめる。新着楽曲などもすぐに分かるようになっている。購入した楽曲は当然他の楽曲と同様にライブラリからアクセス可能だ。


日/週のランキングや都道府県ランキングも mora IDでサインイン 本体でダウンロードして再生

■ SNの良さと素直な高音質。クリアフェーズの効果はあり

MDR-NWNC33

 ウォークマンの最大のアピールポイントは「音質」。ポータブル機器向けのデジタルアンプ「S-Master MX」を搭載するほか、デジタルノイズキャンセリング、高域補間技術の「DSEE」、低音強化の「xLOUD」、チャンネルセパレーションを向上する「クリアステレオ」、新搭載の「クリアフェーズ(Clear Phase)」などの高音質技術を搭載している。

 イヤフォンは、13.5mmドライバを採用したデジタルNC対応の「MDR-NWNC33」。まずは、各高音質化機能やデジタルNCを全てOFFにして、FLAC音源を中心に聞いてみた。

 従来のウォークマンZシリーズと同様に、SNが良く、中高域の解像度やダイナミックレンジの広さが印象的。ドナルド・フェイゲン「I.G.Y」の乾いたスネアや締まったバスドラ、重層的なコーラスが空間を描きわける様子など、基本性能の高さが感じられる。山下達郎「希望という名の光」(FLAC 44.1kHz)でも、ダイナミックレンジと音場の広さが印象的で、インナーイヤフォンで聞いているとは思えない奥行きが得られている。

 高音質化機能で注目したいのは「クリアフェーズ」。DSP処理により、スピーカーやヘッドフォンの音響特性を最適化する技術で、付属イヤフォンのNWNC33に最適化した処理を盛り込んでいる。クリアフェーズをONにすると、セパレーションが向上し、それぞれの楽器の音がしっかり分離。音像もグッと持ち上がって、ボーカルも聴きやすくなる。

 ビートルズの「Come Together」は、沈み込みながら左右に走るベースラインやほぼ左チャンネルのみのギター、センターに定位するボーカルなど、それぞれの音がさらに分離し、奥行きと音像がかなり極端に立体的に感じられるようになった。変化がかなり大きいソースについては、好みがわかれるかもしれないが、付属イヤフォンを使う限りにおいては、クリアフェーズONでいいと感じる。付属イヤフォンと別売の「MDR-NWNC200」以外のイヤフォンではクリアフェーズは利用できない。

 高域補間の「DSEE」やチャンネルセパレーションを向上する「クリアステレオ」など備えている。特にクリアステレオはソースによって、かなり効果が感じられるので、好みに応じてON/OFFを切り替えればいいだろう。

 イヤフォンをShure「SE535(実売37,800円)」、Ulitmate Ears「UE700(実売3万円/発売時)」やJVC「HA-FXD80(実売8,000円)」などに変更し、iPhone 4Sと比較したが、SNの良さは明らかで、ダイナミックレンジの広さや情報量、特に高域の解像感はウォークマンのほうが上と感じる。

 また、F800の付属イヤフォン「MDR-NWNC33」はiPhoneでは利用できないが、クリアフェーズONの時のキリッとした音像がハマると、ウォークマンならでは気持ちよさが味わえる。

F800とSE535の組み合わせ

 ただ音質差でいえば、F800とiPhone 4Sの違いより、付属イヤフォンをSE535に変えた時の方が明らかに「音が良くなった」と感じられた。音場感や高域の分解能といった特徴は、付属イヤフォン利用時より一段と向上するほか、音像もぐっと立体的になる。最大の違いは低域の量感で顕著な差がある。ウォークマンの特徴である情報量をさらに向上させつつ、音像もより立体的かつ、低域の厚みが明らかにアップする。

 SE535はトリプルアーマチュアの最上位カナル型イヤフォンで、ウォークマン本体と同等の価格帯の製品なので、当たり前なのだが、元々の音質水準が高いだけに、単純に音質向上という意味では、プレーヤーの変更より、イヤフォンの変更のほうが効果はあると感じてしまった。

 とはいえ、iPhone 4SとF800でSE535を聴き比べることで、前述のプレーヤーの音質傾向の差もよりきっちり把握できる。F800のポテンシャルをフルに活かすのであれば、適したイヤフォンをチョイスするというのも選択肢の一つだ。なお、ウォークマン側のNCをONにしたまま、NC非対応のイヤフォンを挿しても、音が一定以上大きくならない。付属イヤフォン以外を利用する場合は必ずNCをOFFとしたい。

 また、ソニーのポータブルヘッドフォンアンプ「PHA-1」に、WM-Port経由でアナログ出力して、SE535を接続したところ、中低域が一段と厚く/重くなり、SE535全体の鳴りもぐっと元気が出てくる。もともと、ウォークマンの出力は5mW×2chと控えめなので、ドライブが難しい高インピーダンスのヘッドフォンとの組み合わせでは、ヘッドフォンアンプの活用もいいだろう。ただし、音質傾向もアンプ側に依ることになるので、ウォークマンらしさ、というのは薄くなってしまう。

PHA-1とSE535の組み合わせで視聴。ケーブルは「シルバードラゴン V3」

・デジタルノイズキャンセルも搭載

 ノイズキャンセリングは専用アプリからON/OFF設定できる。電車・バス、航空機、室内の3モードを用意。デジタルNCをONにすると若干中域が厚くなり、高域の伸びが抑えられる感があるが、ON/OFF時の音質差は明確に分かるほどではない。地下鉄や室内を中心に使ったが、特に電車内の“ゴー”という騒音はかなり削減される。航空機で若干ダイナミックレンジがやや抑えられた印象を受けたが、それほど大きな音質差はないので、使用シーンにあわせて効果を確認しながら、モードを選択したい。

 もともと、付属イヤフォン「MDR-NWNC33」自体の遮音性も高いので、地下鉄に乗っていても音楽を再生している限り、周囲の音はさほど気にならない。ただし、NCに慣れてくると、NC OFFで使っているときに曲間の無音部などで、周囲の音が聞こえてくると違和感をおぼえるようになる。

 また、喫茶店で原稿を書きながら試用したところ、ドアの開閉や店員と客のやり取りなどがほとんど耳に入らない。隣席の会話やカップのカタカタ音が若干聞こえる程度で、作業に集中するという意味でもNCの効果は大きい。NCに起因する耳への圧迫感は皆無だ。MDR-NWNC33を使うのであれば、NC ONを中心に運用するメリットは大きい。

音質設定 上部のバーを引き出して、各種機能を呼び出し。ノイズキャンセルも

■ ビデオ&Android

ビデオ再生画面。nasneの録画番組をtorne経由で転送

 ビデオプレーヤーも搭載し、対応ビデオ形式は、MPEG-4 AVC/H.264(Baseline Profile)、MPEG-4(.mp4、.m4v)とWMV。フルHD/1,920×1,080ドット/30fpsに対応。ビットレートはAVCが10Mbps、MPEG-4が18Mbps、WMVが20Mbps。写真はJPEGに対応する。

 ソニーのBDレコーダからの「番組持ち出し」にも対応。また、SCEのネットワークレコーダ「nasne」で録画した番組も、PS3用アプリケーション「torne」上で500円のウォークマン用書き出し機能を購入することで、番組持ち出しに対応する。

 ビデオを15/30秒、1分などで区切ってスキップできるシーンスクロールに対応するほか、タッチパネルを使った早送り/戻しも可能。nasneからの番組書き出しを行なったが、画面は小さいものの、画質はワンセグよりはるかに良いのでテレビ番組も十分楽しめる。本体にモノラルスピーカーを内蔵しているので、イヤフォン無しで使えるのも嬉しいポイントだ。

torneからウォークマンに転送 シーンスクロールに対応

 アクションカメラ「HDR-AS15」で撮影した720/30p(約6Mbps)動画や「DSC-HX9V」で撮影した720p動画なども再生できた。HDR-AS15で撮影した1080p動画(16Mbps)やGoProHD HERO2で撮影した720/60p動画など、サポート対象外の動画は再生できなかった。

 DLNAにも対応。ただし、F800内のビデオや音楽、写真などを、対応のDMR(DLNAデジタルメディアレンダラー)機器へPush再生する「DLNA Throw」やDTCP-IPについては後日のアップデートで対応予定とのこと。

・Google Playに対応。無線LANのかんたん設定も

ソニーオリジナルアプリ

 IEEE 802.11b/g/nの無線LANも搭載し、Google PlayからのアプリダウンロードやWebブラウズなどに対応する。無線LANの簡単設定機能として「WPS登録設定」、「AOSS」、「らくらく無線スタートEX」などに対応した。Zシリーズでは対応していなかったので、地味ながら重要なアップデートといえそうだ。

 また、初代ウォークマンなどレトロなウォークマン5種類のスキンを用意したアプリ「ウォークマンクラシックス アプリケーション」も用意している。FMチューナも搭載する。

アプリ WPSやAOSSなどのかんたん無線LAN設定を搭載 FMラジオ ウォークマンクラシックス アプリケーション

■ 「音楽プレーヤー」として正常進化

 音の良さ、使いやすさ、ノイズキャンセルなど、Android 4.0という汎用OSを使いながら、専用プレーヤーならではの良さがしっかりまとまっている。最新のタブレットなどと比較すると、解像度やCPUのスペック的には魅力が足りないかもしれないが、音楽プレーヤーとして、熟成された魅力が感じられる。

 直接の競合となるのはiPod touch。ちょうど10月10日頃から発売された。ノイズキャンセルという特徴はやはりウォークマンならでは。音を中心に考えるとウォークマンが有利といえるだろう。一方で、iPod touchは薄さやカメラ内蔵といった点では、アドバンテージがある。フルHD動画対応カメラや写真などのマルチメディアプレーヤー的な活用を考えれば、touchのほうが魅力的となるかもしれない。

 個人的には3.5型というサイズは、大型化が進むスマートフォンとの差別化という点でも、ちょうどいいサイズになったと感じる。Z1000シリーズに比べると「音楽プレーヤー」としてはるかに魅力的なサイズだ。FLAC対応など“音”を楽しむプレーヤーとしての正常進化を歓迎したい。


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(2012年 10月 12日)

[ Reported by 臼田勤哉 ]