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【レビュー】nasneの録画番組をBD/DVD化。「DiXiM BD Burner 2013」

DTCP-IPの「ダウンロード」ムーブに対応


 DiXiM BD Burner 2013は、DTCP-IPダビング/ムーブ対応のテレビで録画した番組をネットワーク経由でBD/DVDに書き込めるライティングソフトの最新バージョン。最大の特徴は、SCEのネットワークレコーダ「nasne」で録画した番組のBD/DVD書き込みに対応した点だ。

 パイオニアが11月中旬に発売予定のBDドライブ「BDR-S08J」にDiXiM BD Burner 2013がバンドル予定。また、開発元のデジオンでは、DVDへの書き込みにも対応したバージョンを11月22日より単品でもダウンロード販売開始する。価格は7,480円。従来バージョンからのアップデート版は4,200円。対応OSはWindows XP/Vista/7/8。今回はデジオンからこのDiXiM BD Burner 2013の製品版をお借りして、nasne録画番組のBD/DVDダビングを試した。

【更新】発売日と価格情報を追加(11月7日)



■ nasne唯一の課題「BD/DVD書き出し」に対応

nasne

 16,980円という低価格ながらも地上/BS/110度CSデジタル放送を録画でき、DTCP-IP対応スマートフォンやタブレットからのストリーミング再生、テレビ番組のライブ試聴など多彩な機能を持つnasne。専用機と比べても魅力的な機能が多いレコーダだが、唯一の課題とも言えるのが録画番組の保存方法だ。

 BD/DVDドライブを持たないnasneでは、録画した番組は基本的にHDD内で保存するしかなく、取っておきたい番組が増えれば増えるほど容量を圧迫することになる。USB HDDによる容量拡張やPSPやPlayStation Vitaで番組の書き出しはできるが、BDやDVDで書き出すことができれば、アーカイブも容易になる。プレーヤーさえあればどこでも再生というのも光ディスク化の大きな魅力だ。レコーダとしてこの機能は望みたいところだ。

 これまでnasneの録画番組をBD/DVDで保存する唯一の手段として提供されていたのが、Windows向けソフトの「VAIO TV with nasne」。名前の通り対象はソニー製PC「VAIO」のみで、VAIOユーザー以外は利用できない。また、「VAIO TV with nasne」であっても、3倍モードで録画した番組はDVDに書き出せない、CSのSD放送を3倍モードで録画した場合はBDに書き込めないという課題があった。

【更新】VAIO TV with nasneも11月8日のアップデート(ベータ2)により、3倍モード録画番組のDVD書き出しなどに対応した(11月9日追記)

 BD/DVD作成という点ではやや変則的な方法であるが、アイ・オー・データ製のiVDR-Sアダプタを利用して1度PCへネットワークダビングを行ない、その後PCでBD/DVDへ書き込む、という方法もある。ただし、この場合はiVDR-Sアダプタの購入が必要なほか、BD/DVDを作成するまで2度のダビングが必要という点で効率も悪い。

VAIO TV with nasne アイ・オー・データ「RMS-500X2.A」 パイオニアBDドライブ「BDR-S08J-W」。DiXiM BD Burner 2013が同梱されるが、DVD書込には対応しない

 しかし、DiXiM BD Burner 2013は、Windowsパソコンと対応ドライブさえあれば、VAIOユーザーに限らず利用できる。nasneユーザーとしては待望の製品といえる。また、VAIO TV with nasneではできなかった3倍モード番組のDVD化も対応しているため、容量重視で3倍モードを利用しているユーザーにとっても非常に魅力的な製品だ。


■ DTCP-IPのダウンロード型ムーブでnasneに対応

 なお、これまでもDTCP-IPムーブに対応したNAS(LAN HDD)やレコーダはメーカー各社から販売されているが、同じDTCP-IPムーブ対応であるはずのnasneに録画した番組はこれら製品へネットワーク経由でダビングできず、対応機器は一部製品に限られていた。

 これは同じDTCP-IPムーブでも、nasneではダビング方式が異なるためだ。テレビやNASなど多くの機器で採用しているDTCP-IPムーブは、テレビ/NAS側でダビング先の機器を指定し、録画番組を送り出す「アップロード型」であった。しかし、nasneの場合はダビング先の機器から録画番組を操作するダウンロードムーブ方式を採用している。

 つまり、nasneを操作してダビング先を指定するのではなく、ダビング先となるPC/BDドライブ(DiXiM BD Burner 2013)からnasneを操作して、ダビングを行なう。

 DiXiM BD Burner 2013では、従来バージョン同様のアップロードムーブに加え、ダウンロード型にも対応したことで、nasneで録画した番組のネットワークダビングが可能になったのだ。

方式 操作
ダウンロードムーブ ダビング機器側
アップロードムーブ STB/サーバー側

■ シンプルな操作でBD/DVD作成。アップロード型ムーブも対応

 DTCP-IPムーブのため、利用のためにはnasne本体とDiXiM BD Burner 2013をインストールしたパソコン、対応のBDドライブとLANのネットワーク環境が必要となる。

 機能は非常にシンプル。基本的にはネットワーク経由で録画番組を取得し、BD/DVDに書き込むだけ。設定メニューも画面のテーマ変更や最大ビットレートの設定、一時フォルダの設定など必要最低限のものに絞られている。

シンプルな操作画面 DVD記録時の最大ビットレートや、一時フォルダの場所の変更が可能 テーマ色やフォント変更も
初回起動時にDTCP-IP、AACS、CPRMのアクティベーションをネット経由で行なう

 利用の際はDiXiM BD Burner 2013をPCにインストールした後、書き込み可能なBD/DVDディスクをドライブに挿入すると、常駐しているDiXiM BD Burner 2013が自動で起動する。なお、初回はDTCP-IP、AACS、CPRMのアクティベーションをインターネット経由で行なうため、PCがインターネットに接続している必要がある。

 アクティべーションが終了し、BD/DVDディスクが挿入された状態で「ダウンロード」を選択すると、左側のリストにDTCP-IPムーブでダウンロードできるネットワーク上の機器を一覧で表示。書き出したい番組を選択し、右上の「ダウンロード」を選択し、表示される注意事項を確認した上で「転送開始」をクリックすると書き込みを開始する。BD/DVD書き込みはnasneの番組を視聴しながら同時に行なうことも可能だ。


ネットワーク上のDTCP-IP対応機器と番組のリストの一覧表示 書き込み状況 終了すると書き込み結果などが表示される

BDドライブはアイ・オー・データの「BRD-U8DM」を利用した

 今回のテスト環境は、Core i7(1.9GHz)、IEEE 802.11a/b/g/n準拠の無線LANを搭載したノートPC「Lavie G タイプZ」にアイ・オー・データ機器のBlu-rayドライブ「BRD-U8DM」を接続。ネットワーク接続にはフレッツ光向けルータ「RV-A340NE」を利用した。

 Lavie G タイプZは有線LANを搭載していないため、初回はIEEE 802.11aの無線LANでBDとDVDの書き込みを実施。DRモードで録画した容量6.5GBの1時間番組をダビングしたところ、BDは40分、DVDは1時間7分で書き込みが終了した。次にUSB接続型の有線LANアダプタを利用し、有線LAN経由でダビングを行なったところ、BDは20分、DVDは39分で書き込みが終了した。

 3倍モードで録画した容量3GBの1時間番組を有線LANでダビングしたところ、BDは7分、DVDは32分で書き込みが完了した。

 BD/DVDへの書き込みはダビング10に準じており、1回の書き込みでダビング数を1回消費する。メディアへの書き込みとなるため、ダビング回数を元に戻すことはできないが、このあたりの使い方は現行のレコーダ製品と同様のため、特に迷うことはないだろう。

 なお、前述の通りDiXiM BD Burner 2013はアップロード型ムーブにも対応しているが、アップロード型ムーブの場合は操作方法が異なり、テレビなどの録画機器側から操作を行なう。アップロード型ムーブ対応のREGZA 42Z7000の場合、録画番組を選択して「ダビング」ボタンを押すと、録画先としてDiXiM BD Burner 2013をインストールしたPCが画面に表示され、ダビング先を確定することでダビングが可能だ。

REGZA 42Z7000では、録画先としてDiXiM BD Burner 2013をインストールしたPCを選択することも可能 ダビング先を確定して、メディアに書き込むと1回につきダビング数を1消費する

■ BD/DVD対応で死角の無し。nasneユーザーは必携

 DiXiM BD Burner 2013の登場により、nasneの課題であったBD/DVDダビングが可能となり、専用機に見劣りしない「レコーダ」に進化する。実際の操作手順も非常にシンプルでわかりやすく、ハイスペックなPCであれば専用レコーダでのBD/DVD作成よりも手軽に感じるだろう。

 また、nasne対応が最大の特徴ではあるが、これまで同様DTCP-IP アップロードムーブにも対応しているため、DTCP-IPムーブ対応テレビやNASの番組もネットワーク経由で手軽にBD/DVD化できる。さらに、スカパー! プレミアムなどMPEG-4 AVC/H.264+AACによる録画番組のDVD書き込みにも対応(MPEG-2/ドルビーデジタル変換)するなど新たな要素も備えている。単品版の価格や発売日も間もなく発表予定とのことだが、nasneユーザーはもちろん、DTCP-IPムーブ対応機器を所有するユーザーにとってとても魅力的な製品の登場といえるだろう。


(2012年 11月 6日)

[ Reported by 甲斐祐樹 ]