【スマホLIFE】進化するBluetoothスピーカー「JAMBOX」
-小型シンプルながら多機能・高音質
iPhone 4Sと接続した利用イメージ |
Bluetoothに対応したスマートフォンが普及するにつれ、Bluetoothスピーカーに興味が出てきたという人も多いだろう。既に市場には多様なモデルが存在するが、今回はその中でも、個性的な機能と高い音質を備え、個人的に愛用している米ALIPHの「Jawbone JAMBOX」を紹介したい。
トリニティが国内販売している「Jawbone JAMBOX」は、一体型のBluetoothスピーカー。価格はオープンプライスで、実売は2万円前後。外からは見えないが、2基のドライバとドーム型スピーカー、パッシブラジエータなどを内蔵している。出力は2W×2chのステレオ。
Bluetooth Ver.2.1に準拠し、プロファイルはHSP、HFP、A2DPに対応。音楽の再生、操作だけでなく、内蔵マイクを使い、スマホと連携しての通話も可能だ。
外形寸法は151×57×40mm(幅×奥行き×高さ)、重量は327g。手のひらサイズ……と言うには少し大きく、テレビのリモコン程度の幅があるが、スピーカーとしてはコンパクト。片手で楽に持ち運べる。
簡単に持ち運べるサイズ。天面と底面にはゴムが使われている |
実売2万円は、ポータブルBluetoothスピーカーとしては高価な部類だ。しかし、金属製の筐体が手に持つとヒンヤリと冷たく、高級感・凝縮感がある。詳細は後述するが、天面と底面はゴム製。製品ケースは透明パーツを使ったオシャレなもので、付属ケーブルなどもスタイリッシュに収納されている。アップル製品のように、ケースから取り出す時にワクワクさせてくれる製品だ。
パッケージには高級感がある | 上部が透明で、中のスピーカーが見えている | 付属品の収納方法もオシャレだ |
使い方はシンプル。側面に備えたスライド式の電源ボタンを上げるとONになるのだが、しばらく上げたままの状態にしておくと、「ペポッ!」というような電子音の後に、「JAMBOX PairingMode waiting for device」という声が流れる。つまりBluetoothのペアリングモードに移行したわけだ。
この状態でスマートフォンなどからBluetooth機器を検索すると、一覧にJAMBOXが現れる。それを選択すればペアリング完了。接続する機器によってPINコードを聞かれる場合があるが、その場合は「0000」と入力すればOKだ。なお、側面にはステレオミニのアナログ入力も備えているので、Bluetooth機器以外とも接続可能だ。
天面にあるのは、通話用の丸いボタンと、再音量アップのプラスボタン、ダウンのマイナスボタンの3つのみ。シンプルなので、特に説明書を読まなくてもわかるだろう。充電用端子として、側面にマイクロUSBを備えている。
側面にある電源ボタン。アナログ入力と充電用のマイクロUSB端子も備えている |
付属のキャリングケース。ケースというよりカバーで、薄く畳む事もできる |
■小型だがシッカリしたサウンド
PlayStation Vitaと連携したところ。ゲームのサウンドも迫力ある音で楽しめる |
iPhone 4Sから音を出してみると、音質は非常に良好。一体型スピーカーでは、音量を上げると筐体の振動が激しくなり、濁った、付帯音の多い、ボワッとしたサウンドになりがちだが、JAMBOXは極めてクリアな音が部屋に広がる。
再生中に筐体に触れてみると理由がよくわかる。筐体は金属製なのだが、サンドイッチのように、底面と天面がゴム製の素材で覆われている。これにより、筐体自体の振動が抑えられているほか、机の上などに設置しても、筐体の振動が机に伝わりにくくなっている。ゴム製のインシュレータと同じ仕組である。机が振動して発生する余分な音が耳に入りにくく、全体としてクリアなサウンドになっているようだ。
そのため、どんどん音量を上げていっても、音像の輪郭が明瞭なままで、ボヤけない。流石に部屋を充満するような音量は出せないが、机の上やベッドサイドに置いて、一人で音楽を楽しむには十分な音が出る。地鳴りのような低音は難しいが、ゲーム機のPS Vitaと繋げば、内蔵スピーカーとは次元の違う迫力が楽しめ、低域には適度な締りがある。迫力よりもクリアさ、音色の自然さを求める人にマッチするだろう。
また、ノートPCなどと組み合わせて、映画のDVD/BDをちょっと大きめの音で再生すれば、パーソナルシアターとしても楽しめそうだ。なお、ゴム素材が滑り止めにもなるため、ちょっとした場所でも置きやすい。バッテリは内蔵のリチウムイオンで、持続時間は約10時間だ。
■機能を購入後に強化
ここまでであれば、「音の良いBluetoothスピーカー」というだけだが、JAMBOXは「MYTALK」というユニークな機能に対応している。
これは、製品に新しい機能を追加できるプラットフォームのようなもので、専用Webページでメールアドレスなどを入力してアカウントを作成。JAMBOXをPCにUSB接続した状態で、このページにアクセスすると、追加機能をダウンロードでき、PC経由でJAMBOXにインストールできる。
「MYTALK」のページにアクセスしたところ | スピーカーにアプリを同期しているところ |
例えば「AudioApps」という欄にある「日本語」というアプリをインストールすると、先ほどのシステム音の英語が日本語になり「ペアリングモードです。デバイスの接続を待っています」と喋ってくれるようになる。こうした真面目な機能だけでなく、音声をアメリカのベースボール風にするアプリもあり、起動すると球場で耳にする「タラララッタラー♪」というサウンドが流れ、上部のボタンを3つ同時押しすると、球場の歓声やボールが飛ぶ音などが流れるデモサウンドがスタートする。
色々なアプリが用意されている | 細かなスピーカー設定をPC経由で行なう事もできる |
「Live AUDIO」という機能をインストールすると、広がりのあるサウンドに切り替えられるようになる。モード切替はプラスマイナスボタンを同時押しだ。試してみると、音場が左右に1.5倍くらい拡大。サイズを感じさせない、ゆったりとしたサウンドが楽しめる。説明を読むと、バイノーラル録音された音源を忠実に再現するモードとのことだが、ステレオ録音された音源でも、バイノーラル録音されたように広がりのある再生ができるそうだ。
感心するのは音のクリアさや、中高域の抜けの良さを維持したまま広がりが得られる事。バーチャルサラウンド機能は、音が広がる一方、音質が低下する場合があり、結局使わなくなる事も多いが、「Live AUDIO」の場合は常時ONで使いたいと思わせてくれるクオリティだ。
なお、操作音声は基本的に1つしか本体にインストールできない。アプリのジャンル/種類もあまり多くはなく、スマートフォンのアプリをイメージすると機能的にはチープだ。しかし、“買った後で機能がカスタマイズできるスピーカー”というのは新鮮で楽しい。
最近は通話用のボタンを長押すると、iPhone 4Sのエージェント機能である「Siri」が立ち上がるアプリをインストールしている。これにより、スピーカーに向かって「○○の音楽を再生」などと命令すると、その曲が流れ出すというSFチックなスピーカーに早変わりする。
Jawbone JAMBOX | |
発売元 | トリニティ |
対応機器 | Bluetooth対応機器 HSP/HFP/A2DP |
発売日 | 2011年2月17日 |
直販価格 | 19,800円 |
Amazonで購入 |
トリニティ Jawbone JAMBOX |
(2012年 5月 24日)
[ Reported by 山崎健太郎 ]