スマホLIFE

約4千円の薄型無線LAN SDリーダーでデジカメ写真共有

無線LANブリッジ接続対応。挑戦者「NUBES」

NUBES(左)をiPhone 4S(右)や、ウォークマンF807/S(左奥)に接続したところ

 挑戦者(アイ・オー・データ機器)の「NUBES」は、無線LANを備えたコンパクトなSDカードリーダー。スマートフォンなどとワイヤレス接続して、デジカメで撮影した写真などをスマートフォンへ転送したり、スマートフォン側の写真データなどをSDカードへバックアップするといった用途に使える。

 先日、このコーナーで加賀ハイテックの「MeoBankSD」(MBSD-SUR01W)をレビューしたばかりだが、NUBESも基本的な使い方は同じ。ここ最近、同様の機能を持つSDリーダーや外部ストレージが各社から登場している。日立マクセル「AirStash」が先駆的な存在ではあるが、最近はラトックシステム「REX-WIFISD1」や、ピクセラ「StationDrive」といった製品も登場。注目のジャンルになりつつあるようだ。

 今回取りあげたNUBESは、機能を詰め込んだMeoBankSDとは違って、USBメモリリーダーや無線LANアクセスポイントなどの機能は備えていないが、薄型の筐体で持ち運びしやすい。無線LANのブリッジ接続により、スマートフォン側で接続と同時にインターネット利用もできるという点はMeoBankSDと共通だ。

 なお、挑戦者のサイトでは現在「iPhone向け」を謳っており、iOSアプリの機能も紹介されているが、Androidについては触れられていない。この「挑戦者セレクト」とは、基本的に海外メーカーの製品を手頃な価格で販売し、技術サポートは行なわない(商品到着後2週間以内の初期不良は交換対応、交換期間延長は有料)というブランドだ。

 Google Playを探してみたところ、メーカー(oeo design)による専用アプリも提供されていた。ただし、現状では、Androidアプリもアイ・オーのサポート対象外で、Android/PCからはWebブラウザからアクセスするという方法となる。

 今回もMeoBankSDの時と同様に、無線LAN接続端末としてはiPhone 4S/第3世代iPadと、Android搭載のウォークマンNW-F807/Sを使って、NUBESの機能を試した。

シンプル機能で接続中にネット利用。サポート外でAndroidアプリも

NUBES本体

 この製品の主な用途をおさらいすると、スマートフォン/タブレットとワイヤレス接続して、デジカメで撮影した高画質写真などをSDカード/無線LAN経由でスマートフォンへ転送し、SNSなどにアップロードすることなどがある。デジカメ→スマホだけでなく、スマホ→デジカメという双方向でデータのやり取りができ、ファイルのバックアップ先としても利用できる。デジカメ以外にも、動画/音楽/文書ファイルを扱えるので、ワイヤレスストレージとしてPCなどとデータ共有が可能だ。特に、microSDなどの外部ストレージを備えていないiOS端末でも、データのやり取りを簡単にできることが利点。

 外形寸法は83.5×58×12.3mm(縦×横×厚さ)、重量は約57gで、SDリーダーとしては厚めだが、カード型で胸ポケットに入れても違和感はない。スマートフォンと重ねても片手で持ち運べる程度のサイズだ。SD/SDHC/SDXCカード(最大64GB)に対応する。

電源は側面のスライドスイッチ
microUSB端子。パソコン接続や充電に使用する
SDカードを入れると、本体内にスッキリ収まる

 まず、iPhone/iPadに、アプリを使ってデジカメ写真などを転送した。デジカメ(PEN E-P3)で撮影後、SDカードを抜いてNUBESに差し込む。それからNUBESを起動して、iPhone側からNUBESへ無線LAN接続する。デフォルトではパスワードが設定されていないが、アプリの設定画面で後から登録することも可能だ。

 起動してから無線LANがつながるまでの時間を何回か測ってみたところ、iPhoneの無線LANがONの状態でNUBESをONにしてから電波を検知されるまでは約26秒前後だった。なお、加賀ハイテックのMeoBankSDでは31秒前後だった。この程度の時間であれば、特にストレスは感じない。

 接続後、「Browsers」を選ぶとフォルダ階層がそのまま表示されて目的のファイルを探せるほか、「Images」、「Video」、「Music」、「Document」に絞り込んで表示することもできる。動画の再生対応ファイルはMP4/M4V/MOV/AVI/3GP、音楽はMP3/AAC/WAV、静止画はJPEG/PNG/TIFF/GIF/BMP/BMPF/ICO。

 Imagesを開くと、SDカード内の静止画がサムネイルで表示。開くと全画面で見ることができ、左右にスワイプすると前の画像/次の画像を表示可能。そこから右上の矢印アイコンをタップすると、iPhoneのカメラロールに保存できる。一度画像を開かないと保存できないため、複数枚の同時ダウンロードはできなかった。動画再生は720pまで対応。iPhone 4Sで撮影した1,920×1,080ドットのmov動画も再生は始まったが、途中で止まることも多かったので、720pまでが実用的なサイズだろう。なお、動画のカメラロールへの保存はできない。

静止画のサムネイル表示
ファイルを開いた後で矢印アイコンをタップして、カメラロールに保存できる
動画再生画面
MP3再生画面

 音楽はMP3/AAC/WAVが再生でき、AACはApple Losslessの高ビットレート楽曲も再生できた。このうち、MP3はジャケットの表示も行なえた。これは細かな違いではあるが、表示されないよりはされた方がいい。アプリを閉じても、バックグラウンドで音楽再生を続けることができた。

 このほか、ドキュメントファイルもアプリ内で表示可能。TXT/XLS/PDF/PPT/DOC/RTF/DOCX/PPTX、Keynote(iWork09以降)/Numbers(iWork09以降)/Pages(iWork09以降)に対応する。

 iPhoneからNUBESのSDカードへアップロードする際は、まずアプリでImage/Videoから選んで、左上の「+」をタップすると、iPhoneのカメラロールまたはフォトストリームからNUBESのSDカードにアップロードできる(アプリは位置情報をONにしておくことが必要)。ファイルを選んだあと、アップロード先のフォルダを選ぶだけなので簡単だ。なお、静止画をアップロードするとファイルそのままのサイズだが、動画の場合、iPhoneで撮影したフルHDだと自動で720pに変換されてアップロードされた。アップロードされたファイル名は、「Media 2012-12-19 Time 17-34-51.MOV」というように、日時を元にしたものが自動で付与されていた。

iPhoneからNUBESへ写真をアップロードする際のファイル選択画面
動画アップロード時のファイル選択
iPhoneで撮影したフルHD動画は、720pに変換してアップロードされた

 前述したとおり、無線LANのブリッジ接続に対応したことも特徴。これは、スマートフォンからNUBESを経由して他の無線LANルーターにできるもので、スマートフォンなどでNUBESのファイルにアクセスしながらインターネットやメールも利用可能な機能。最初に設定メニューで「Bridge Mode」を選び、ルーターを選んでパスワードを入力すれば登録完了。再起動は必要だが、その後は接続先がどこであるかを気にせず、NUBESとインターネット両方にアクセスできるので、ぜひ活用したい機能だ。

iOSアプリのネットワーク設定画面
Bridge Modeで、インターネット接続する無線LANを選択
Device Infoの画面で、Internet Capableが「YES」となっていれば、ブリッジ接続完了だ

 ここまで試したのは全てiPhone/iPadでの動作だが、Androidアプリでも同様のことができた。ただ、Androidは一般的に端末ごとで動画の対応フォーマットがまちまち。今回試したウォークマンFではAVCHDのM2TSも再生開始まではできたが、処理が追いつかずガタつきながらの再生だったので、実用性は低かった。いくつかの端末では720p動画の再生もできないとのことで、こうした点などから、Androidアプリは正式サポート外となっているようだ。

Androidアプリ(製品サポート外)の画面。見た目はiOS版と大きく変わらない

 これ以外に、iOS/Android/パソコンのどれでも使えるのは、Webブラウザからアクセスするという方法。NUBESを無線LAN接続したPCやiPhoneなどから無線LAN設定画面を開くと、IPv4のDHCPサーバーアドレスが表示される。これをそのままWebブラウザのURLに入力すると、NUBESにアクセス。SDカード内のファイルが見られる。なお、この場合はサムネイル表示はできなかったが、画像ファイルの表示/ダウンロードは可能だった。なお、1台のNUBESへ同時に接続できる台数は3台としている。

iPhoneからNUBESのIPアドレスを確認。DHCPタプの「ルーター」と書かれた部分が該当
Android標準のWebブラウザからアクセスしたところ
PCのWebブラウザからも同様にアクセスできる

 そのほか、PCにUSB接続するとSDカードリーダーとしても利用可能。PCの音楽ファイルなどをSDカードに入れておけば、スマホの内部メモリを圧迫せずに、外出先などでも音楽を聴ける。なお、USB接続時は電源がOFFでないとカードリーダーに切り替わらないので、その間は当然無線LAN SDリーダーとしては動作しない。

 バッテリ駆動時間は約4時間と、一日中使うにはやや物足りないが、USBで給電しながら動作することも可能。前述したように、NUBESのような無線LANストレージ製品は最近増えつつあるが、この製品の優位点は、薄型で持ち運びやすく、価格もライバル機と比べて手頃なこと。ブリッジ接続など必要な機能はほぼ備えているので、他製品ほどの多機能を必要としなければ、かなり有力な選択肢と言えそうだ。

製品名 NUBES
発売元 挑戦者(アイ・オー・データ機器)
対応機器 iOS 4.3.3以上以降のiPhone/iPad/iPod touch
発売日 2012年12月18日より順次出荷
価格 直販4,180円

(中林暁)