ソニー、「Net MD」対応MD機器5製品を発表
-USB経由で最大30倍速転送が可能


12月10日発売

価格:オープンプライス

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 ソニーマーケティング株式会社は、パソコンからUSB経由で音楽MDに転送する規格「Net MD」に対応したMDLP/グループ機能対応MDレコーダを発表した。MDウォークマン「MZ-N1」と、MDデスクトップオーディオ「LAM-1」と「LAM-Z1」、コンパクコンポーネントシステム「キューブリック CMT-C7NT」、MDデッキ「MDS-NT1」の5機種をラインナップする。

 全機種とも発売は12月10日で、価格はオープンプライスとなっている。店頭予想価格は下表のとおり。

発売日店頭予想価格
Net MDウオークマン「MZ-N1」12月10日45,000円前後
MDデスクトップオーディオ
 「LAM-Z1」(アクティブスピーカー付属)
 「LAM-1」(本体のみ)

60,000円前後
45,000円前後
コンパクトコンポーネントシステム
キューブリック「CMT-C7NT」
75,000円前後
MDデッキ「MDS-NT1」30,000円前後

 Net MD規格は、同社が6月27日に発表した、MD機器とパソコン間のUSBを使った著作権保護付き転送規格。策定時の賛同社は、株式会社ケンウッド・ジオビット、株式会社ジャストシステム、日本電気株式会社(NEC)、富士通株式会社、Liquid Audio、RealNetworksの6社。

 同規格は、音楽MD規格「Rainbow Book」の拡張規格で、音声圧縮方式にはMDと同じ「ATRAC」と「ATRAC3」を使用し、記録方式も現行のMDディスクと同じため、既存のMD機器で再生することができる。

 著作権保護技術には「OpenMG」と「MagicGate」が採用された。パソコン上のデータを「OpenMG」で暗号化し、MD機器とパソコンとの間の認証を「MagicGate」で行なう。加えて、SCMS(Serial Copy Management System)により、2世代以上の複製を防ぐ。

 USBを使用することの最大のメリットは、転送速度が速くなること。機器によって多少の速度の差はあるとしているが、標準ステレオ(ATRAC)で実演奏時間の2~4倍、MDLP2(ATRAC3)で16倍、MDLP4(ATRAC3)で30倍程度という。なお、転送の最後に自動的にTOCが書き込まれる。また、パソコンから基本的な操作や、MDのタイトル編集も行なえる。

 今までに、「ATRAC」と、「OpenMG/MagicGate」の組み合わせは、メモリースティックを使用したオーディオプレーヤーで使用されている。しかし、「これまでは、著作権者にメモリースティックで使用するということで許諾をとっているので、Net MDについては新たに許諾を取り直す必要がある」(同社)とのこと。そのため、今までにメモリースティック用にEMD(電子音楽配信)で購入したATRAC(3)ファイルを、Net MDでそのまま使用することはできないようになっている。

 なお、ソニーでは、Net MD規格を積極的に他社にも働きかけていくとしており、「近々に他社からも発売されるのではないかと」と話していた。

 今回は発表された5機種には、Net MD対応ソフトとして「OpenMG Jukebox Ver.2.2」が付属する。対応OSは、Windows 98/98 SE/Me/2000/XP。


●Net MDウオークマン「MZ-N1」

 MZ-N1には、カラーバリエーションとしてシルバーとブルーの2色が用意される。標準添付のクレードルにUSB端子を搭載しており、置くだけで充電とPC接続が可能。また、PC接続のみであればACアダプタは不要で、出先でノートPCと接続することができる。

シルバー ブルー

 付属のバックライト付きスティックリモコンは、新たにひらがなと漢字の表示にも対応。全角6文字表示となっている。また、本体にも9文字×3行表示の大型液晶を搭載している。なお、本体の液晶はカタカナ/英数字/記号のみ。文字入力には、大型液晶を使った文字パレット方式を採用している。

 本体の上下のキャビネットには、マグネシウムを使用。小型・軽量化を追及したとしている。また、ポータブルMDレコーダとしては、世界最長となる連続再生約100時間を実現した(ガム型充電池+単3アルカリ乾電池使用、LP4再生時)。

 そのほかにも、ATRAC用DSP「TYPE-R」や、音飛びガード機構「G-PROTECTION」、リモコンインデックスサーチ機能なども搭載している。

【主な仕様】

  • 周波数特性:20~20,000Hz±3dB
  • ワウフラッター:測定限界値以下
  • 入力端子:マイク、ライン/光デジタル入力兼用
  • 出力端子:ヘッドホン(最大出力5mW×2)/ライン出力兼用
  • 最大外形寸法(幅×奥行き×高さ):約79.1×19.9×73.8mm
  • 質量:約90g(本体のみ)/約117g(含む充電池)


●MDデスクトップオーディオ「Sound Gate LAM-1/Z1」

 Net MD+CDの複合機。本体のみの「LAM-1」と、アクティブスピーカーをセットにした「LAM-Z1」の2モデルが用意される。

 PCからのUSB経由での転送のほか、CDからMDへの4倍速録音も可能。また、本体には、漢字/ひらがな表示に対応した液晶ディスプレイを搭載している。

 そのほかにも、ATRAC用DSP 「TYPE-R」を装備するほか、薄型リモコンが付属する。また、CD-DAフォーマットで記録された音楽用CD-R/RWの再生に対応する。

LAM-1 LAM-Z1


【MPEG-1形式】
lam1.mpg
(133kB)

フタと連動して、ディスクが奥に引き込まれていく

薄型リモコン


【主な仕様】

  • 実用最大出力(LAM-Z1):総合15W(JEITA)
  • 消費電力(本体部分):13W
  • 入出力端子:ラインアウト×1、ヘッドホン×1、USB×1
  • 最大外形寸法:本体部 約138×165.5×118mm(幅×奥行き×高さ)
           スピーカー(1本) 約95×160×175(幅×奥行き×高さ)
  • 質量:本体部 約1.5kg
       スピーカー 約1.55kg(L側)、約1.45kg(R側)


●キューブリック「CMT-C7NT」

 CDからMDへの倍速録音に対応したCD/MDコンパクトコンポ。キャビネットに特殊素材入り高比重樹脂を使用した小型スピーカーが付属する。形状も音質に悪影響を与える定在波を抑える、3次元形状のラウンドフォルム・スタイルを採用するほか、ウーファにはHOP振動板を使っている。

 また、アンプは各チャンネル独立の20Wのモノラルアンプを2つ搭載。「小型ながら迫力ある低音再生を実現した」としている。

 なお、「M-Crew for CMT-C7NT」が付属しており、Net MDの機能に加え、パソコン内の音楽ファイルを「CMT-C7NT」へUSBで直接出力して再生することができる。また、CDからMDへの倍速録音や、FM/AMチューナの操作も行なえる。


【主な仕様】

  • アンプ部実用最大出力:20W×2
  • MDデッキ部コンバータ:24ビットA/D、D/Aコンバータ
  • CDプレーヤー部コンバータ:24ビットD/Aコンバータ
  • チューナ受信周波数:FM 76~90MHz/AM 531~1,602kHz
  • スピーカー形式:2ウェイバスレフ方式(インピーダンス6Ω)
  • スピーカー使用ユニット:9cmコーン型ウーファ、2cmソフトドームツィータ
  • 入出力端子:USB×1
  • 入力端子:光デジタル×1、ステレオミニ×1
  • 出力端子:ステレオミニ×1、ヘッドホン×1
  • 最大外形寸法:本体 145×273×125mm(幅×奥行き×高さ)
             スピーカー(1本) 149×220×248mm(幅×奥行き×高さ)
  • 質量:本体 約4.5kg、スピーカー 約1.9kg(1本)


●MDデッキ「MDS-NT1」

 パソコンの周辺で使用することを想定した、本体幅150mmのコンパクトなMDデッキ。操作ボタンも 再生/早送り、停止/イジェクトボタンのみとシンプルな構成。さらに、入力端子はUSBなので、パソコン以外から録音することはできない。出力端子は、ラインとヘッドフォンを背面に装備する。

 既にポータブルMDプレーヤーを所有していて、さらにNet MDを利用したいユーザー向けの製品と想定される。


【主な仕様】

  • アンプ部実用最大出力:20W×2
  • D/Aコンバータ:カレントパルス、24bitΔΣ
  • 周波数特性:5~20,000Hz±1.0dB
  • SN比:96dB以上
  • 全高調波歪み率(JEITA):0.002%以下
  • ワウ・フラッター(JEITA):測定限界(0.001%W・Peak)以下
  • 入出力端子:USB×1
  • 出力端子:ステレオミニ×1、ヘッドホン×1
  • 消費電力:6W
  • 最大外形寸法(幅×奥行き×高さ):152×249×52mm
  • 質量:約1.0kg
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/sd/CorporateCruise/Press/200109/01-0912/
□関連記事
【6月27日】ソニー、MDとパソコン間のUSB転送規格「Net MD」を策定
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010627/sony.htm

(2001年9月12日)

[furukawa@impress.co.jp]

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