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■北米版と日本版の違いはほとんどなし
XboxコンポーネントAVパックには、色差(RCA×2)、ステレオ音声(RCA×2)、光デジタルコネクタを装備する。マクロソフト純正品でコンポーネント出力や、光デジタル出力が可能なのは、XboxコンポーネントAVパックのみなので、本格的にDVDプレーヤーとして使用するにはこのパックが必須といえる。 また、DVDプレーヤーとして使用するには、オプションの「Xbox DVD ビデオ 再生キット(3,800円)」も必要になる。DVD ビデオ 再生キットの北米版との大きな違いは、パッケージが頑丈なブリスータパックから、紙のパッケージに変更されたこと。これにより、子供でも容易に開けられるようになった。 パッケージ内容は、リモコン、受光部(リモコンレシーバ)、取扱説明書。取扱説明書は12ページで、全ての漢字に振り仮名が振られている。また、北米版には入っていなかったリモコン用の単4乾電池2本も同梱されていた。ちなみに電池はRCAブランド。
■機能も北米版と変わりなし DVDプレーヤーとし使うには、リモコンに電池を入れ、受光部をコントローラ端子に差し込むだけ。後はDVDビデオのディスクをトレイに入れればいい。コントローラ端子は1~4のどこを使っても問題ない。 結局、機能については、北米版とまったく同じだったので、詳しい機能は北米版のレポートを参照いただきたい。2/4/8/16/32倍速の早送り/巻き戻し、1/2、1/4、1/8のスロー再生が可能。もちろん、数字入力により、チャプタジャンプもできる。さらに、A-Bリピートや、2/4/6/8/10倍のズーム機能を搭載している。動作はプレイステーション 2に比べかなり機敏で、専用機にかなり近い。 なお、リモコン(送信機)はデザインなども全く同じで、日本版の受光部を装着して、北米版のリモコンで操作することもできた。 なお、北米版同様、本体の設定をD2~D4対応に変更しても、DVDプレーヤーが出力できのはD1(480i)のみだった。起動からDVDビデオ再生までの時間も、電源OFFからでは約18秒、トレーオープンからだと約20秒とほぼ同じ。 北米版のときと同じように、書き込みできるDVDメディアの再生についても検証した。その結果は、北米版とかわらず、DVDビデオ規格で書き込んだものについてはDVD-R、DVD-RW、DVD+RWを再生できた。なお、ビデオCDについては、市販(プレス)のものでも再生できない。また、コピー対策だと思われるが、根本的にCD-Rに対応しておらず、CD-DAを書き込んだCD-Rも読み込めない。
■日本版も分解
DVD再生キットの要となる受光部を、北米版と同じく分解した。基板を比較してみると、基板の色以外はまったく同じで、主要パーツは赤外線受光ユニット、水晶発振器、ロジックICとしてPhilips製のHC574、ST Microelectronics製のFULL SPEED対応USBコントローラ「ST92163」、MXICの4MbitマスクROM「MX23C4000TC-10」。その他には、周辺回路として、抵抗やコンデンサーがいくつか使われている。 これらのことから、リージョンコードがジャンパなどで設定されているわけではなく、ROMに書き込まれていると推測される。
■気になるリージョンコード GAME Watchのレポートで明らかにされているが、Xbox本体には一番最初に挿して起動したDVD再生キットの受光部のリージョンが設定されるようだ。今のところ、一度設定された本体のリージョンコードを、エンドユーザーが変更する方法はなく、有償修理(最低8,900円)扱いとなるので注意したい。なお、DVDプレーヤーのリージョンコードと、ゲームのリージョンとの間に関係はなかった。 一度、本体にリージョンが設定されると、その設定にあった受信ユニット以外ではDVDプレーヤーを起動できなくなる。つまり、DVDプレーヤーの起動プロセスは、[カーネル起動]-[DVD受光部の有無をチェック]-[DVD受光部と本体のリージョン設定のマッチングをチェック]-[DVDディスクとXbox本体とのリージョンのマッチングをチェック]となっているようだ。 そのため、一度リージョン1に設定したXboxにリージョン2の受光部を挿すと、DVDプレーヤー自体が起動しない。つまり、リージョンオール(=0)のディスクすらも再生できないことになる。
また、プレーヤー側のリージョンが2になったということで、欧州で発売されているPAL収録のDVDディスク(リージョンコード2)を再生してみた。もちろん、DVD再生キットの説明書には再生できる条件に「リージョン2または、ALLで、NTSCと書かれたDVDビデオであること」と明記されているので、再生できないと予想していた。 しかし、驚くことにNTSCに変換して出力され、コンポーネント出力もNTSCで出力されている。ただし、設定項目に「NTSC」や「PAL」といった項目はないので、PALをそのまま出力することはできず、必ずNTSCに変換されることになる。 この機能は、PALのメイン市場である欧州のリージョンコードと同じ、日本版だからこそ活用できるといえる。ただし、保証外の動作なので、すべてのXbox、あるい今後もこのPAL-NTSC変換機能が搭載されるとは限らない。
ちなみに、エラーメッセージが表示されたところで、リージョンコード1の受光部を挿すと、普通に再生が開始された。受光部のリージョンチェックは起動時にしか行なわれていないようだ。
また、受光部を2個以上挿した場合は、ポート番号が若い方が優先された。
■さて、DVDプレーヤーとして買いか? 本体が34,800円、DVD再生キットが3,800円。標準価格ベースではあわせて37,800円になる。さらに、コンポーネントAVパック(3,000円)を買い足すと、4万円を超えてしまう。 一方、何かと比較されることが多いプレイステーション 2は本体が29,800円。それに、リモコン(3,500円)とコンポーネントAVケーブル(2,500円)を買い足すと35,800円になる。その差5,000円で、ゲームもできるDVDプレーヤーというカテゴリーでは、プレイステーション 2の方が安い。 もちろん、ハードウェアとしてみれば、XboxにはHDDとEthernet標準搭載というアドバンテージがある。結局のところ、どちらもDVDプレーヤーの機能だけでは、価格に見合う性能はないことは明らかなので、「遊びたいゲームがある方を選ぶ」という、当たり前の選び方になるだろう。 ただ、基本的なDVDプレーヤーとしての機能にはあまり差がないものの、XboxはDVD+RWの再生や、NTSC-PAL変換機能(プレイステーション 2はPALディスクを再生すらできない)といった、一部の人には嬉しい機能が搭載されている。その機能が欲しい場合は、Xboxを選ぶということになるだろう。 (c) 2002 Microsoft Corporation. All rights reserved.
□Xboxのページ (和文) (2002年2月25日)
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