今回発表された「PDH2200系列」は、発売中の「PDH2100系列」のAVCステーション(チューナユニット)を新タイプに変更したモデル。BSデジタル/110度CSデジタルチューナを新たに搭載したほか、新開発の画像処理プロセッサ「DIPP(デジタル・イメージ・ピクセル・プロセッサー)」を採用し、480i→1024pへのアップコンバート処理を実現した。 また、AVCステーションのサイズも容積比で約60%減とコンパクトになり、縦置きも可能になった。なお、プラズマテレビへの110度CSデジタルチューナの搭載は、業界初としている。 ディスプレイ部はPDH2100系列とほぼ同じで、パネル、スピーカー部に大きな変更はない。従来モデルの5機種は今後も併売され、今回の3機種と合わせて計8機種のラインナップとなる。 パネル解像度は、32Vが852×1,024ドット、37Vと42Vが1,024×1,024ドット。パネル輝度は32Vと37Vが650cd/m2、42Vが750cd/m2となっている。 AVCステーションは32V/37V/42Vとも同一で、2端子のi.LINKのほか、映像入力としてD4×3系統、S2映像×3系統、コンポジット×4系統、アナログRGB×1系統を搭載。AACは光デジタル端子(1系統)からストリーム出力できる。
DIPPプロセッサは、フォーマット変換、IP変換、スケーリング、エンハンス処理といった映像処理を1チップで行なう新開発の処理回路。同社の画像技術を集約した製品で、今後、様々な映像製品に搭載するという。 最大の特徴は、地上波などの480i映像を1024pへとリアルタイム変換できること。これまでの同社製プラズマテレビでは、480iを512pへと変換後、1024iに合成表示していた。480iから一気に1024pへと変換できるDIPPの搭載により、斜め線のジャギなどを大幅に低減するとしている。 さらに、プログレッシブ変換時のベクトル参照点を従来の8点から26点に増やした「マルチアングル補間処理」も搭載。「動画の斜め線を滑らかに再現する」という。また、「色合い」、「色の濃さ」などのパラメータを、色ごとに独立してコントロールできる「デジタルコントロールマネージメント」も使用できる。
そのほか、メリハリのある映像を再現するという「ダイナミックコントラスト」、SD信号をHD信号に変換した際のノイズを除去するデジタルハイビジョン対応の「ノイズリダクション」、デジタルハイビジョンに合わせたという輪郭補正処理の「ダブルエッジエンハンサ―」などがDIPPにより提供される。 パネルの前面フィルタも新開発のものに変更された。色選択性のコーティングが施されており、「黒の再現性が飛躍的に向上した」としている。 機能面では、離れた場所の外部機器を操作できる「メディアパネル機能」が搭載された。これは、メディアコントローラーで接続した機器の簡単な操作メニューを画面に表示するというもので、PDH2200のリモコンで操作できる。ビデオデッキ、DVDプレーヤー、DVDレコーダなどが制御可能だが、対応機器は明らかにされなかった。
再生・停止などの主要機能のほか、日立のビデオデッキなら「テープナビ」機能が使えるなど、特徴ある機能も操作できるようになるという。
また、良く見るチャンネルを登録できる「サテライト マイチャンネル」も追加されている。サテライト マイチャンネルのメニューは5角柱で表現され、1面ごとにテーマを決めて登録できる。放送局別やジャンル別のほか、たとえば、家族別のマイチャンネルを構築するなどの応用が可能。プリセット数は最大45チャンネルとなっている。
発表会で挨拶に立ったデジタルメディアグループの百瀬次生CEOは、同グループが4月1日より「ユビキタスプラットフォームグループ」に改編されることを発表した。これにより、従来のAV機器に加え、サーバーやPDAなども同グループの範疇となる。 百瀬氏は「人とのインターフェイスをもつ製品を一手に引き受ける」と説明し、表示デバイスとなるプラズマテレビを、同社の考えるユビキタスネットワークの中核と位置付けた。 また、2001年4月に発売した32V型のW32-PD2100、および同PDH2100が、「プラズマテレビ市場の起爆剤になった」とし、2001年をプラズマテレビ普及元年と説明。今後は、地上波放送の開始やブロードバンドの普及をにらみ、プラズマテレビを中心にした「エンターテイメントワールド」の形成に注力するという。 なかでも、AVCステーションの役割が重要になるとし、文字通りの「ステーション」として機能が求められると予測。HDDを内蔵するなど、ホームサーバー的な進化を考えていると語った。また、DIPPの外販も視野に入れているという。 なお、プラズマテレビの購入意向ユーザー100人を対象とした調査では、70%がディスプレイ・チューナー分離型を支持したと発表(日立調べ)。さらに、25型直視管テレビのユーザー100人についても、80%が分離型を受け入れたという。
□日立のホームページ (2002年3月27日) [orimoto@impress.co.jp] |
I |
|
00 | ||
00 | AV Watchホームページ | 00 |
00 |
ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp