東芝、有線/無線LAN対応80GB HDD内蔵ビデオレコーダ
―単体でも使用可、パソコンにも転送でき、iEPG対応


5月23日発売

標準価格:オープンプライス

連絡先:東芝PCダイヤル
    Tel.0570-00-3100



【使用例】
 株式会社東芝は、無線LANや、ルータ機能などもそなえた80GB HDD内蔵ビデオレコーダ「TransCube 10(PATRC001)」を5月23日に発売する。パッケージには、赤外線リモコンが付属する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は13万円前後の見込み。今年度の出荷台数は1万台と予定されている。

 東芝は2001年11月に、デジタル・モバイル分野での融合製品や、新コンセプトの創出のため、東京・青梅地区に両分野の技術者を集めた。TransCube 10は、そのコラボレーションから生み出された、ノートPCと、映像技術の融合製品。TransCubeの由来については、「Broadband」、「Broadcast」、「Wireless Communication」の3つを統合する機器と説明している。

 TransCube 10は80GB HDDを内蔵し、単体でもビデオレコーダとして動作するほか、Ethernet(100Base-TX)と、無線LAN(IEEE 802.11b)を内蔵し、パソコンと接続することも可能。なお、現在のところHDDの増設、増量サービスなどは考えていないという。

 単体でTVやアナログビデオ(S映像/コンポジット)の録画、再生はもちろん、追っかけ再生も可能。ただし、単体では、日時指定の予約録画できず、30分単位で録画時間を設定するクイックタイマー機能のみが使用できる。

 録画画質設定は長時間、標準、高画質の3種類で、すべてVBR(可変ビットレート)を使用している。長時間は352×480ドット(Half D1)で約6Mbps、標準は720×480ドットで約4Mbps、高画質は720×480ドットで約6Mbps。最長録画時間はそれぞれ約72時間、約36時間、約24時間となっている。

【録画時間】
モード解像度ビットレート最長録画時間
長時間352×480ドット約2Mbps約72時間
標準720×480ドット約4Mbps約36時間
高画質720×480ドット約6Mbps約24時間

 本体にはネットワーク端子として、LANポート(10Base-T/100Base-TX)、WANポート(10Base-T/100Base-TX)を各1ポートと、無線LANを内蔵。PPPoEや、DHCP、NAT/IPマスカレード、各種フィルタリング機能などといった、一般的なルータ機能も備えている。

 無線LAN、または有線LANでパソコンと接続すると、パソコンからiEPG予約が可能になる。また、TransCube 10をインターネットに接続しておけば、iモードから予約することもできる。本体のみでは予約情報の確認はできないが録画された番組については、TV画面にOSDでタイトルを漢字で表示して一覧可能(1画面8タイトル、最大100タイトル)。

 パソコンでの操作は付属の専用ソフトで操作し、NECの「SmartVision Pro HD40」のようにネットワークドライブとして見えるわけではない。専用ソフトはTV視聴・録画ソフト「LIVE MEDIA」、録画番組管理ソフト「LIVE MEDIA NAVI」、シーンの変わり目をサムネールで一覧・検索できる「LIVE MEDIA SCENE」の3種類。

 専用ソフト経由になるが、録画ファイルをパソコンに転送することもでき、動画編集ソフト「PowerDirector2.0 (東芝版)」も同梱される。編集したファイルは、TransCube 10に転送して、テレビで再生できる。ただし、パソコンのHDDに直接録画することはできない。

 なお、パソコンで視聴する場合は、有線LAN経由では各ビットレートそのままを転送するが、無線LAN経由の場合は、2Mbpsにリアルタイムに変換されて配信される。この措置は、IEEE 802.11bの帯域の狭さによるものだが、IEEE 802.11aを採用しなかった理由として「無線の到達距離と現在の普及率を考えて、現状ではIEEE 802.11bが最良と判断した」と説明している。

 CPUは、映像処理にIntel系、ルータ機能にはStrong ARMを搭載するデュアル構成。OSはLinuxを採用している。なお、処理能力の関係などもあり、映像出力できるのは1系統のみでパソコン1台か、TV出力のどちらかになる。つまり、複数人で違う画面で視聴するということはできない。

 内蔵チューナはVHF/UHF/CATV対応。前面と背面にS映像/コンポジット/ステレオ音声入力を各1系統装備し、S映像/コンポジット/ステレオ音声出力を背面に1系統搭載する。外形寸法は104×319×219mm(幅×奥行き×高さ)、重量約3.1kg。電源はACアダプタで、消費電力は約30W(ルータモード 14W)。

 パッケージには、パソコン用の無線LAN PCカードや、Ethernetケーブル、アンテナケーブル2本、映像・音声、S映像ケーブルなどが同梱され、「買ってすぐ使えるパッケージ」(同社)となっている。

前面パネルはミラーデザインでカバーを開けると、入力端子があらわれる 背面には各種入出力端子、主電源、ファンなどを搭載している

付属のリモコン。単体での操作にはこれを利用する。ライブラリボタンを押すと、タイトル一覧が表示される 付属のACアダプタ。ノートパソコンなどに使われているタイプだ

 接続するパソコンは、必要環境としてCeleron 700MHz以上、Windows Me、推奨環境はPentium III 933MHz以上、Windows XPとしている。なお、他社製PCとの接続確認情報も、同社のWebサイトなどで順次公開していく。

 また、こういった製品では珍しく、TransCube専用のサポート体制が組まれる。対象DynaBookユーザーは、無料設置サービス「トランスキューブセットアップセンター」を利用できるほか、修理サービスは365日24時間受け付け、出張修理にも対応する。


□東芝のホームページ
(5月20日現在、この製品の情報は公開されていない)
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2002_05/pr_j2001.htm
□製品情報
http://dynabook.com/pc/catalog/whms/020520t1/
□関連記事
【12月5日】仕切り直しての登場、NEC「SmartVision Pro HD40」
 ~ 周辺機器を越えた周辺機器はパソコンか? ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011205/zooma38.htm
【8月28日】NEC、HDD内蔵「SmartVision Pro HD40」の発売を延期
 ―Ethernetを内蔵するなど仕様を変更、11月末に発売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010828/nec.htm
【7月9日】NEC、単体での録画も可能な「SmartVision Pro HD40」
 ―40GBのHDDを内蔵し、USB経由でPCから録画予約
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010709/nec1.htm

(2002年5月20日)

[furukawa@impress.co.jp]

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