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セイコーエプソン株式会社は、ホームシアター用途とデータ用途に両対応するという液晶プロジェクタ「ELP-30」を9月6日に発売する。価格は198,000円で、販売店によっては15万円弱での販売も予想される。カラーバリエーションとして、ブルーとシルバーを用意する。 ELP-30は、0.5型800×600ドットの液晶パネルを採用するプロジェクタ。パネルのプロセスは、LVP-01などに採用された「ドリーム2」に該当する。ハイビジョン(D4)の入力にも対応。レンズは単焦点で、100型(4:3)投影時の最短距離は3m。なお、CCD、レンズともに新開発のものを使用している。 最大の特徴は、ホームシアター用途とデータ用途の両方に対応するという「世界初のマルチパーパス(多目的)エンターテイメントプロジェクタ」(木村登志男専務)という位置付けにある。基本的にはデータ向けの設計だが、同梱の「シネマフィルタ」と呼ぶ光学フィルタを取り付けることでホームシアター向けにも使用可能。シネマフィルタにより緑成分を低減、肌色の自然な色合いに補正する。また、黒レベルも40%ほど低くなるため、黒が沈むようになるという。
パソコンの画像を明るい場所で投影するデータ用途と、暗い場所で繊細な映像を楽しむホームシアター用途では、設計段階から異なるという。このため、同社でもこれまで別カテゴリとしてきた。しかし、「データ用でも5人まで視聴するクラスなら、ホームシアター向けモデルと重なるのでは」と発想。実際に欧米では、低価格なデータ用モデル「ELP-51」がホームシアター用として使用されるケースが多く見られるという。 さらに198,000円という国内最安の価格設定により、「データ市場の拡大とホーム市場の創造を目指す」としている。なお、この場合のホーム市場とは、家族や友達同士でカジュアルに楽しむ層をターゲットとしたもの。同社では、従来の1人で楽しむマニアの世界から、今後はこうした形態へ移行すると予測しており、低価格化がそれを後押しするとしている。 カラーモードは、「sRGB」、「ノーマル」、「プレゼン」、「ミーティング」、「シアター」、「ゲーム」の6つ。このうちシアターは、シネマフィルタとの組み合わせを前提としたモードで、暗い部屋で映画など鑑賞する場合を想定している。 搭載する映像入力端子は、コンポーネント/アナログRGB兼用(D-Sub15ピン)、S映像、コンポジット。アナログRGBによるモニター出力(D-Sub15ピン)も備えている。外形寸法および重量は309×219×93mm(幅×奥行き×高さ)、約2.9kg。騒音レベルは35dBとなっている。
プロジェクタ市場について、木村登志男専務は「他社から廉価なホームシアター向けモデルが出るなど、オフィスだけのものではなくなってきた」と説明。「しかしホームとデータの両方で使える多目的なものはなかった。また、手ごろな価格で大画面を必要とする場合もある。ELP-30は、これらのニーズに合致する」と、新製品の強みを強調した。 また、エプソン販売株式会社の新社長、真道昌良氏が販売戦略をプレゼンテーションした。「データ向けが多かったこともあり、販売チャネルを訪販系に特化していたが、これからは量販店など店頭系チャネルのウェイトを拡大していきたい」としている。 さらに、「これまではテレビ売り場の横に置かれるなど、ホーム向けプロジェクタの良さが伝わりにくかった」とし、ELP-30では「専用のスペースを設け、そうした店舗を増やして行きたい」と語った。また、「データとホームの両方を取り込み、マーケットを切り開きたい。最低3万台(年間)はいけるだろう」など、攻めの姿勢をアピールした。
□セイコーエプソンのホームページ (2002年8月29日) [orimoto@impress.co.jp] |
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