ソニー、MD生誕10周年記念パーティーを開催
―9.9mm厚のMDウォークマンなど10周年モデルを発表


「MDの生みの親」である、取締役会議長の大賀典雄氏
9月2日開催

発売日:「MZ-E10」11月10日
     「MZ-N10」11月10日
     「LAM-10」11月21日
     「LAM-Z10」11月21日

価格:オープンプライス

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 ソニーは2日、MDの生誕10周年を祝うパーティーを開催した。また、10周年記念モデルとして、ポータブルMDプレーヤー「MZ-E10」、「MZ-N10」の2機種と、デスクトップMDシステム「LAM-10」、「LAM-Z10」が発表された。

 同社が'92年に初代のMDウォークマン「MZ-1」を発売してから、今年で10周年。それを記念したパーティーが都内で開かれた。同社によると、2001年度末における全世界でのMD対応機器の出荷は約5,600万台。メディアは約10億枚に及ぶという。

 冒頭、挨拶に立ったソニーマーケティングの小寺圭社長は、MDの成功について「高音質を手軽にするというコンセプトが受け入れられた」と述べ、「Net MDなどの新しい機能を中心に、今後も全世界に商品を普及させていきたい」と抱負を語った。

 さらに、「MDの生みの親」として取締役会議長の大賀典雄氏が登場。「多人数の意見を取り入れる会議では、必ず妥協が生まれてしまう」とし、自らを含む実質3人でMDの大きさや機能などを決定したという、当時の裏話を披露した。

 さらに、開発時のコンセプトである「ワイシャツの胸ポケットに入るコンパクトさ」をようやく実現できたとして、最新モデル「MZ-E10」、「MZ-N10」を紹介。「コンセプトから考えると、初代のポータブルMDは、失敗作と言えるかもしれない。当時買ってくれたユーザーには、無償で最新モデルと交換してあげたい気分だ」(大賀会議長)という冗談も飛び出すなど、終始和やかな雰囲気のパーティーとなった。

■ 再生専用ポータブルMD「MZ-E10」

MZ-E10

 MZ-E10は、再生専用のポータブルMDプレーヤー。発売日は11月10日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は3万円前後の見込み。カラーリングはシルバー。ピックアップメカやモーターを新開発したことで、本体厚9.9mm、55g(内蔵電池含む)という業界最小、最軽量を実現したという。

 また、新開発の厚さ約3mmのリチウムイオン電池を採用。ヘッドフォンジャックも3mm幅の新しいものとなっている。なお、リチウムイオン電池は、原則としてユーザーによる取り出し、取替えができない。新しいものに交換する場合は、メーカーのサポートへ依頼することになる。


 音質面では、MDウォークマンとして初めてデジタルアンプを採用。ノイズの少ないサウンドを楽しめるという。7段階可変の6バンドイコライザを搭載するほか、同社独自のサラウンド音場創生技術「バーチャルホンテクノロジー・アコースティックエンジン」を採用。「スタジオ」、「ライブ」、「クラブ」、「アリーナ」の4モードから選択できる。なお、両機能を同時に使用することはできない。

 リモコンは新デザインのスティックタイプ。カナ漢字表示に対応するほか、グループ名と曲名を2桁同時に表示できる。また、音程を変えずに再生スピードを調整できる「DPC(デジタルピッチコントロール)」を搭載。調整範囲は、遅聞き再生が-50%まで、速聞き再生が+100%まで。

 最大外形寸法は、約81.9×9.9×79.1mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約55g(電池含む)となっている。連続再生時間は、標準約29時間、LP2約35時間、LP4約40時間。なお、外付け電池ケースなどは用意されない。

素材はマグネシウムで、高級感がある 本体の厚みは9.9mm。MDディスク2枚分とほぼ同じだ MDディスクと重ねてみると、小ささがよくわかる

新開発のヘッドフォンジャックは、3mm幅 リモコンのクリップは着脱式。向きをかえたり、ケーブルにクリップをつけたりできる 新開発のリチウムイオン電池は、ユーザーによる取り出し、取替えができない

■ ポータブルMDレコーダ「MZ-N10」

MZ-N10のグレーモデル

 MZ-N10は、Net MD対応のポータブルMDレコーダ。発売日は11月10日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は4万円前後の見込み。カラーリングはグレーとシルバーの2色を用意する。同社の現行機種「MZ-N1」と比べ2.6mmの薄型化を行ない、録再機としての業界最小、最軽量を実現したという。

 フルサイズのMDデッキ「MDS-JE780」などに搭載しているATRAC3用のTYPE-S DSPを、ポータブル機種として初めて採用。MDLPモード再生時の音質も向上しているという。また、付属のアプリケーション「SonicStage Ver.1.5」を使用して最大64倍速(LP4時)の転送が可能と、全体的に2倍程度速くなった。


 なお、MZ-N10と同様に、6バンドイコライザやバーチャルホンテクノロジー・アコースティックエンジン、DPCを搭載。厚さ約3mmのリチウムイオン電池、リモコンも共通のものとなる。

 最大外形寸法は、約83.8×18.9×74.3mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約84g(電池含む)。USBクレードルを同梱するほか、本体にも専用のUSB端子を装備し、クレードルを介さずにPCと接続できる。連続再生、および連続録音時間は以下の通り。

電池持続時間
(再生時/録音時)
内蔵リチウムイオン電池 単3アルカリ乾電池×1 併用時
標準モード 約23時間/約9時間 約32時間/約11時間 約58時間/約23時間
LP2モード 約27時間/約13時間 約40時間/約16時間 約71時間/約33時間
LP4モード 約30時間/約16時間 約43時間/約20時間 約77時間/約41時間

バッテリの取り出し口は、カバーされている。青く見えるのが、新開発のリチウムイオン電池の一部 SonicStage Ver.1.5を同梱。従来のバージョンからのアップグレードは、今のところ予定されていない 録再機として業界最小、最軽量。クレードルのデザインも一新された

■ デスクトップMDシステム「LAM-Z10」

LAM-Z10のブルーモデル

 Net MD+CDの複合機。本体のみの「LAM-10」と、アクティブスピーカーをセットにした「LAM-Z10」の2モデルが用意される。発売日は11月21日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、「LAM-Z10」が39,800円前後。「LAM-10」が35,000円前後の見込み。カラーリングは、LAM-10、LAM-Z10ともにブルーとシルバーの2色を用意する。

 Net MDに対応し、「SonicStage Ver.1.5」を使用して最大32倍速(LP4時)の転送が可能。また、PCと接続した状態で、USBオーディオ機器としても使用できる。ワンタッチでCDからMDへの4倍速録音が可能なほか、DSPにATRAC3用のTYPE-Sを搭載する。


  本体の最大外形寸法は、86×198×207mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約1.1kg。スピーカー単体の最大外形寸法は、99×166×175mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は800g(1本)。音声出力は、アナログ1系統、ヘッドフォン1系統。

MD、CDともにスロットイン方式。アクセス時には、フロントパネルが左右にスライドする スピーカーの背面には、パッシブラジエータが配置されている LAM-10、LAM-Z10のリモコン

■ 会場内にはMDの歴史を実感する展示が

 会場内にはMDの10年間の歴史を感じる展示を多数用意。中でも、同社の開発部が'90年の段階で「究極の目標サイズ」として製作した木製のモックアップと、それ以上の小サイズを実現した「MZ-E10」のモックアップの展示が印象的だった。

 また、パーティー後半では、トークショーも実施された。ゲストとして招かれたのは、音楽プロデューサーの藤原ヒロシ氏と、大沢伸一氏。仕事でもプライベートでもMDを使用しているという両氏が、音楽製作用のツールとしてのMDの魅力を語っていた。

左が開発当時の理想のサイズ。右が現在の最新モデル 会場には、MDの歴史をまとめたパネルも展示 ピックアップメカなど、内部の小型化もめざましい

'92年の初代MZ-1と、2000年のMZ-E900を比較。時の流れを感じる メディアの歴史も展示された トークショーに登場した藤原ヒロシ氏(左)と、大沢伸一氏(右)


□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース (MD誕生10周年)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200209/02-0902/
□ニュースリリース (MZ-E10、MZ-N10、LAM-Z10)
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200209/02-0902/
□関連記事
【5月22日】ソニー、Net MD対応フルサイズMDレコーダ
―新開発「TYPE-S」DSPを搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020522/sony.htm
【1月22日】ソニー、Net MD対応の卓上HDDオーディオシステム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020122/sony.htm
【2001年9月12日】ソニー、「Net MD」対応MD機器5製品を発表
-USB経由で最大30倍速転送が可能」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010912/sony.htm
【2001年8月16日】ソニー、業界最軽量/最長再生時間のポータブルMDLPプレーヤー
-グループ機能と「TYPE-R」DSPも搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010816/sony.htm
【2001年7月24日】ソニー、MDLPグループ機能搭載のポータブルMDレコーダ
-置くだけで充電可能な充電スタンドも付属
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010724/sony.htm

(2002年9月2日)

[yamaza-k@impress.co.jp]

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