ソニーは2日、MDの生誕10周年を祝うパーティーを開催した。また、10周年記念モデルとして、ポータブルMDプレーヤー「MZ-E10」、「MZ-N10」の2機種と、デスクトップMDシステム「LAM-10」、「LAM-Z10」が発表された。 同社が'92年に初代のMDウォークマン「MZ-1」を発売してから、今年で10周年。それを記念したパーティーが都内で開かれた。同社によると、2001年度末における全世界でのMD対応機器の出荷は約5,600万台。メディアは約10億枚に及ぶという。 冒頭、挨拶に立ったソニーマーケティングの小寺圭社長は、MDの成功について「高音質を手軽にするというコンセプトが受け入れられた」と述べ、「Net MDなどの新しい機能を中心に、今後も全世界に商品を普及させていきたい」と抱負を語った。 さらに、「MDの生みの親」として取締役会議長の大賀典雄氏が登場。「多人数の意見を取り入れる会議では、必ず妥協が生まれてしまう」とし、自らを含む実質3人でMDの大きさや機能などを決定したという、当時の裏話を披露した。 さらに、開発時のコンセプトである「ワイシャツの胸ポケットに入るコンパクトさ」をようやく実現できたとして、最新モデル「MZ-E10」、「MZ-N10」を紹介。「コンセプトから考えると、初代のポータブルMDは、失敗作と言えるかもしれない。当時買ってくれたユーザーには、無償で最新モデルと交換してあげたい気分だ」(大賀会議長)という冗談も飛び出すなど、終始和やかな雰囲気のパーティーとなった。
■ 再生専用ポータブルMD「MZ-E10」
MZ-E10は、再生専用のポータブルMDプレーヤー。発売日は11月10日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は3万円前後の見込み。カラーリングはシルバー。ピックアップメカやモーターを新開発したことで、本体厚9.9mm、55g(内蔵電池含む)という業界最小、最軽量を実現したという。 また、新開発の厚さ約3mmのリチウムイオン電池を採用。ヘッドフォンジャックも3mm幅の新しいものとなっている。なお、リチウムイオン電池は、原則としてユーザーによる取り出し、取替えができない。新しいものに交換する場合は、メーカーのサポートへ依頼することになる。
リモコンは新デザインのスティックタイプ。カナ漢字表示に対応するほか、グループ名と曲名を2桁同時に表示できる。また、音程を変えずに再生スピードを調整できる「DPC(デジタルピッチコントロール)」を搭載。調整範囲は、遅聞き再生が-50%まで、速聞き再生が+100%まで。 最大外形寸法は、約81.9×9.9×79.1mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約55g(電池含む)となっている。連続再生時間は、標準約29時間、LP2約35時間、LP4約40時間。なお、外付け電池ケースなどは用意されない。
■ ポータブルMDレコーダ「MZ-N10」
MZ-N10は、Net MD対応のポータブルMDレコーダ。発売日は11月10日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は4万円前後の見込み。カラーリングはグレーとシルバーの2色を用意する。同社の現行機種「MZ-N1」と比べ2.6mmの薄型化を行ない、録再機としての業界最小、最軽量を実現したという。 フルサイズのMDデッキ「MDS-JE780」などに搭載しているATRAC3用のTYPE-S DSPを、ポータブル機種として初めて採用。MDLPモード再生時の音質も向上しているという。また、付属のアプリケーション「SonicStage Ver.1.5」を使用して最大64倍速(LP4時)の転送が可能と、全体的に2倍程度速くなった。
最大外形寸法は、約83.8×18.9×74.3mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約84g(電池含む)。USBクレードルを同梱するほか、本体にも専用のUSB端子を装備し、クレードルを介さずにPCと接続できる。連続再生、および連続録音時間は以下の通り。
■ デスクトップMDシステム「LAM-Z10」
Net MD+CDの複合機。本体のみの「LAM-10」と、アクティブスピーカーをセットにした「LAM-Z10」の2モデルが用意される。発売日は11月21日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、「LAM-Z10」が39,800円前後。「LAM-10」が35,000円前後の見込み。カラーリングは、LAM-10、LAM-Z10ともにブルーとシルバーの2色を用意する。 Net MDに対応し、「SonicStage Ver.1.5」を使用して最大32倍速(LP4時)の転送が可能。また、PCと接続した状態で、USBオーディオ機器としても使用できる。ワンタッチでCDからMDへの4倍速録音が可能なほか、DSPにATRAC3用のTYPE-Sを搭載する。
■ 会場内にはMDの歴史を実感する展示が 会場内にはMDの10年間の歴史を感じる展示を多数用意。中でも、同社の開発部が'90年の段階で「究極の目標サイズ」として製作した木製のモックアップと、それ以上の小サイズを実現した「MZ-E10」のモックアップの展示が印象的だった。 また、パーティー後半では、トークショーも実施された。ゲストとして招かれたのは、音楽プロデューサーの藤原ヒロシ氏と、大沢伸一氏。仕事でもプライベートでもMDを使用しているという両氏が、音楽製作用のツールとしてのMDの魅力を語っていた。
□ソニーのホームページ (2002年9月2日) [yamaza-k@impress.co.jp] |
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp