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ソニー、大賀典雄取締役会議長の退任を発表


退任した大賀典雄取締役と出井会長兼CEO
1月28日発表


 ソニーは28日、元ソニー会長、現取締役会議長の大賀典雄氏の取締役退任を発表した。本人の申し出によるもので、同日の取締役会で承認。翌30日付けを持って名誉会長に就任する。取締役会議長は、会長兼CEOの出井伸之氏が6月の総会まで代行する。

 同時に、取締役会議長と代表執行役を分離する独自の新規定を制定したと発表。4月1日からの改正商法に基づく措置で、指名、報酬、監査の各委員会を設置。代表執行役には代表取締役が就任することを想定し、6月の取締役会後に新体制へ移行する。

 退任が決まった大賀典雄氏は、東京芸術大学の学生時代、'53年に嘱託として東京通信工業(現ソニー)と契約。同社のテープレコーダに対しクレームをつけたのが接点で、改めて'59年に入社、井深、盛田両氏のもと第二製造部長に就任。すぐに広告部長とデザイン室長を兼務している。

 以後、'72年に常務取締役、'74年に専務取締役、'76年に代表取締役副社長、'82年に代表取締役社長に就任。また、CBS・ソニーレコード(現SME)社長や、ソニー商事(現ソニーマーケティング)社長、CBS・ソニーレコード会長も兼務した。

 その間、ウォークマンやCDの開発に関与し、現在のソニーブランドにつながる功績を残している。'89年に社長兼CEOに就任してからは、米コロンビア・ピクチャーズ(現SPE)の買収、社内カンパニー制の導入などを実施。出井氏を後継社長に据えた後は会長となり、出井氏の会長兼CEO就任後は取締役会議長を務めていた。

 ソニーのオーディオ製品に深い関わりを持ち、かつ元声楽家という経歴の同氏は、オーディオファンからも高い支持を得ている。なかでも、Philipsの提案したCDの重要性にいち早く気づいた逸話は有名。またCBS・ソニー時代には、演歌が主流を占めていたレコード産業にアイドルブームを仕掛けるなど、オーディオ文化との関わりも深い。出井体制後は、東京フィルハーモニー交響楽団の会長兼理事長も務めている。

 同氏は、退任の理由と経緯を「一昨年、北京でオーケストラを指揮中に倒れた後、3カ月意識がない状態が続いた。中国側、日本側の医学の力で、歩き、しゃべられるまで回復できたが、立ち振る舞いが以前のようにはいかない。この状態で最高責任者を務めるのは難しいため、72歳の最後の日、つまり73歳の誕生日前日である本日、出井さんに第一線から引かせてほしいと伝えた」と説明した。

 井深、盛田両氏については、「違いこそあれ、2人とも天才。一緒にマネジメントできたことは誇りであり、すばらしいことだった。もう一度生まれ変わったとき、また2人から誘われたら、迷わずまたソニーに入るだろう」と当時を振り返った。

 また、印象深い製品として、トランジスタテープレコーダの「TC-777」を挙げ、「ソニー入社後第1号の製品。本体もシャーシもダイキャストだった。今見ても美しいと自画自賛している」と語った。

 「ソニーの経営陣に今後望むことは」との質問には、「出井さんを選んだ(社長、当時)ことは後悔していない。今回も、こうしろ、ああしろとは言い残さなかった。みんな経営者として優秀なので、ベストを尽くしてもらえればよい」と答えた。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース(大賀典雄氏退任)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-003/
□ニュースリリース(委員会等設置会社を選択、独自のガバナンス規定を付加)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-004/
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【2002年9月2日】ソニー、MD生誕10周年記念パーティーを開催 ―9.9mm厚のMDウォークマンなど10周年モデルを発表
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020902/sony.htm

(2003年1月28日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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