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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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三洋電機株式会社とEastman Kodak、両社の出資による有機EL生産合弁会社「株式会社SKディスプレイ」は3日、アクティブ型フルカラー有機ELディスプレイの商用出荷を世界で初めて開始したと発表した。
今回出荷されたのは、2.16型11万画素(521×218ドット)のフルカラー有機ELディスプレイモジュール「ALE251」。消費電力は、270mW、コントラスト比は500:1、視野角は上下/左右180度。応答速度は10μsecと、消費電力を除くスペックは、同社で現在量産している同型の液晶モジュールを大幅に上回っているという。 昨年、携帯電話向けの評価用として300台の有機ELディスプレイを出荷していたが、市場に量産出荷される最初の製品として、今回Kodakのデジタルカメラに搭載された。 搭載カメラの「Kodak EasyShare LS633」は、310万画素CCDと光学3倍ズームレンズを搭載したデジタルカメラ。想定小売価格は399ドルで、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアで4月より発売される。日本での発売は未定。
発表会では、三洋電機セミコンダクターカンパニー 社長の田中忠彦氏が挨拶に立ち、同社の有機ELディスプレイへの取り組みを解説した。 2月より、月産10万台体制で量産をスタート、年末には、月産100万台体制を確立し、有機ELディスプレイの生産増強を目指していくという。具体的には、4月から鳥取工場第5棟のアモルファスシリコンTFTの生産ラインを、低温ポリシリコンTFTに移管し、低温ポリシリコンTFT基板を流用する有機ELディスプレイの生産を強化していく。 また、三洋電機では、2005年には小型ディスプレイ市場は8,000億円程度の市場規模になるとし、2,200億円が有機ELになると見込んでいる。三洋電機とKodakでは、2005年に800億円の売上を目指す。
同社ディスプレイデバイス事業部の米田清事業部長は、液晶と比較し、有機ELの自発光、高コントラスト、高視野角などのメリットを挙げて説明した後、今回発表の有機ELディスプレイデバイスの解説を行なった。 「ALE251」では、既存の低温ポリシリコンTFT基板をベースに、3層の有機膜成膜とカソード成膜の後、封止/張り合わせを行なっている。今回、独自の材料を利用することで、赤の効率を3cd/Aにあげたほか、青の効率も6cd/Aまで向上し、色再現性の向上と寿命を確保したという。
なお、フルカラー化には、3色の発光層を使用する方法と、白色の発光層とカラーフィルタを使用する方法があるが、今回発表の2.16型ではRGB 1色ずつ、計3色の発光層を備えている。同社では、昨年のCEATECで、15型1,280×720ドットの有機ELディスプレイを展示していたが、こちらでは白色の発光層とカラーフィルタを利用して大型化を実現している。
3色の発光層を備えると、カラーフィルタなどが不要のため高輝度化が容易だが、素子構造や蒸着プロセスが増えるほか、工程の複雑化により歩留まりの向上が難しいなどの問題が多い。そのため、3色発光層を利用する場合、現在7インチ/130ppi程度までの目処がついているが、これ以上の大きさでは、白色発光層を使ったデバイスの方が有力という。 白色では、現在、赤が2.5cd/A、緑が7.5cd/A、青が1.3cd/Aと赤と青の効率が、3色発光に比べると低いため、製品化についてはもう少しかかりそうとのこと。ただし、塗りわけマスクが不要で、プロセスの簡略化が行なえるなど、低コスト化が容易なため、現在3色発光を利用している、中・小型のデバイスについても白色発光を利用することも考えているという。
なお、小・中型では、200ppi程度までの高精細化を目指しており、今後、携帯電話や三洋電機製のデジタルカメラへなどへ展開していく予定。また、フラットパネルテレビやPCディスプレイ向けへの応用については、「現在、目安としているのは15型程度まで。それ以上の大型化も技術的には達成できるが、有機ELの市場性という面では液晶テレビやPDPなどとは別のものと考えている。薄型や低消費電力など、有機ELのメリットが生かせるモバイル向け市場がメインになると思う」と、米田清事業部長は回答した。 価格については「歩留まりから言うと液晶の2倍ぐらいと言いたいが、液晶のモジュール価格よりは多少プレミアを頂く程度になると思う。今年中は液晶の1.5倍を目安にしている」(米田事業部長)という。 □三洋電機のホームページ (2003年3月3日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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