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シャープ、地上デジタルチューナ搭載の37V/30V型AQUOS
-フラットパネルテレビで初搭載、アップグレードの必要なし


計18機種になったAQUOSシリーズ
6月27日より順次発売

標準価格:56万~80万円

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 シャープ株式会社は、液晶テレビシリーズ「AQUOS(アクオス)」に地上デジタル放送対応モデルを計4モデルを追加した。37V型と30V型を用意し、それぞれにアンダースピーカータイプとサイドスピーカータイプを用意する。発売日と価格は以下の通り。

品名 画面サイズ デザイン 標準価格 発売日
LC-37AD1 37V型 アンダースピーカー 770,000円 7月9日
LC-37AD2 サイドスピーカー 800,000円 8月8日
LC-30AD1 30V型 アンダースピーカー 560,000円 6月27日
LC-30AD2 サイドスピーカー 580,000円 7月18日

 4モデルとも標準で地上デジタルチューナを搭載。ハードウェア、ソフトウェアともに本放送に向けて、「基本的にはアップデートの必要がない」とし、完全な状態で出荷されるのは業界初としている。地上デジタルチューナ搭載テレビとしては、東芝製「D4000」シリーズに続く発表だが、D4000はスマートメディア経由のソフトウェアアップグレードが必要となる。

 なお、従来のアナログ地上波チューナも内蔵し、アンテナ入力は別系統となる。リモコンに「地上A(アナログ)」、「地上D(デジタル)」の各ボタンが設けられる。地上デジタルの受信チャンネルは000~999chで、チューナは自社開発。BSデジタル/110度CSデジタルチューナも搭載している。

搭載するチューナユニット リモコンの「地上D」ボタンで地上デジタル放送を受信する

 8月開始の試験電波による実証実験を経ず、なおかつ発売まで間もないとあって、発表会では「アップグレードなしで本当に地上デジタル放送が受信できるのか」という質問も出た。

 それについてAVシステム事業本部 寺川雅嗣副本部長は、「規格は固まっており、それに準じた試験を行なってきた。RF信号を使った受信環境については、社内にテスト環境を設けており、検証を順次クリアしている。8月からの実証実験でも問題はないと考えている」と解説。また、「BSデジタルなどと同じく、放送によるバージョンアップにも対応できる」との説明もあった。


■ LD-37AD1/37AD2

 2002年11月発売の「LC-37BT5」、「LC-37BD5」をベースにしており、パネルも共通。ASV低反射ブラックTFT液晶を採用し、解像度は1,366×768ドット、視野角は上下170度、画面輝度は450cd/m2となっている。コントラストは800:1。チューナユニットは外付けタイプで、従来モデルからデザインに変化はない。

 37AD1と37AD2の違いはスピーカーの位置。37AD1が画面下に、37AD2が画面両横となる。画面下への設置は、「より狭いスペースへの導入」が目的で、「日本の住環境にも適している」という。デザインはシリーズ共通のインダストリアルデザイナー、喜多俊之氏によるもの。

LD37AD1 LD37AD2 チューナユニットは前モデルとほぼ共通。ロゴデザインが変更された

 スピーカー、スタンド込みのディスプレイ部の外形寸法は、37AD1が948×305×784mm(幅×奥行き×高さ)、37AD2が1,184×305×697mm(同)。重量は24.6kg、24.2kg。

 画質面では、動きが速いシーンも見やすくクッキリ再現するという「QS(Quick Shoot)」技術を採用。LD-37BT5/37BD5に引き続き搭載された回路で、画素の駆動電圧をリアルタイムに制御する。これにより応答速度は16msを実現したという。デジタルゴーストリダクションも内蔵している。

チューナユニットの背面
 独自開発の「1ビットデジタルアンプ」も引き続き採用。出力は10W×2chで、37AD1、37AD2ともに80mmフルレンジ×2個、25mmツィータ×2個のユニットを着脱式のスピーカーボックスに収めている。バーチャルドルビーサラウンド技術も搭載した。

 i.LINK×2系統に加え、コンポーネント入力×1系統、D4入力×2系統、S映像/コンポジット入力×4系統を搭載。アナログRGB入力も備えている。モニタ出力、録画出力も備える。光デジタル音声出力も2系統搭載し、新たに外部スピーカー端子も装備した。フロントL/Rのスピーカー出力が行なえる。

 チューナ部の外形寸法および重量は430×250×95mm(幅×奥行き×高さ)、6kg。縦置きにも対応する。

チューナユニット前面のフロントドア内 リモコンには2種類のテンキーを装備。上側は任意のチャンネルをアサインできる


■ LC-30AD1/30AD2

 解像度1,280×768ドット、30V型のASV低反射ブラックTFTパネルを採用したチューナ一体型液晶テレビ。37AD1/37AD2と同様、スピーカーの設置位置の異なる2機種を用意する。QS技術、デジタルゴーストリダクション、1ビットデジタルアンプなども37AD1/37AD2と同じく搭載する。

 37AD1/37AD2に対し、コンポーネント入力が省略されているほか、光デジタル出力も1系統となっている。スピーカー、スタンド込みの外形寸法は、30AD1が766×666×305mm(幅×奥行き×高さ)、30AD2が1,002×603×305mm(同)。重量はそれぞれ21.7kg、22kg。

LC-30AD1 LC-30AD2


AVシステム事業本部 寺川雅嗣副本部長
 発表会では、同シリーズの実績と今後の展開について説明があった。それによると、2002年度の販売台数は全世界で89万台となり、特に37V型など大型の製品が好調だったという。2003年度は150万台を目指す。現在、37V型の生産台数は月11,000台ほど。

 小型サイズでは、「今までのテレビとは違った用途を提案していきたい」とし、大型液晶テレビとは違った展開を模索するという。この動きはすでに、メモリーカードスロットを搭載した「LC-20B3」や、バッテリとIEEE 802.11bを内蔵した「LC-15L1」に現れており、今後もユニークな機能を考えているという。

 また、20型前後を「家庭のテレビとして使ってもらえるサイズ」と定義し、小型製品とあわせて「パーソナルホームシアターを提案したい」としている。

発表会では新製品の省電力性能についてもアピールしたほか、他社製品との画質比較も行なった

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/030617.html
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-ソフトウェアのアップデートにより受信可能に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030421/toshiba.htm
【2002年9月25日】シャープ、液晶TV「AQUOS」の新製品発表会を開催
-1ビットデジタルアンプ内蔵の37V型ホームシアターモデルなど
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020925/sharp1.htm

(2003年6月17日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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