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ホロン、DivXNetworksとの事業提携を発表
-西和彦氏も出席、「Blu-rayもこれで沈没」


握手を交わすDivX NetworksのKevin氏とホロンの脇坂社長
6月20日発表


 株式会社ホロンは20日、7月4日発売の「DivX Pro Video Encoder Pack」について都内で会見を開き、DivXNetworksとの事業提携を発表した。会場にはホロンの脇坂龍治社長とDivXNetworksのチーフマーケティングオフィサー、Kevin Hell氏も出席した。

 DivX Pro Video Encoder Packは、DivX Pro 5.0.5、DivX Encoding Application、DivXPlayer、ガイドブックをセットにしたパッケージソフト。すべて日本語化される予定。価格は9,800円。オリジナルソフトのDivX Encoding Applicationを含め、ソフトウェアはすべてDivXNetworksの開発によるもので、ホロンは同ソフトの国内総代理権を取得した。


■ リッピングソフトのユーザーから『DivXにしたい』という問い合わせが

ホロンの脇坂社長
 脇坂社長は、DivXNetworksとの提携の経緯について語った。まず、市場の参入に当たってリリースしたのが2002年9月から販売しているDVDリッピングソフト「DaViDeoシリーズ」で、「この時点では、映像面でのニーズが起こるのは、まだ先だろうと考えていた」という。

 しかし、同シリーズを6カ月で10万本を販売するなど、市場の盛り上がりを経験。さらに、DivXが広まり出した頃、同シリーズのユーザーから「CD-RにDivXで記録したい」といった問い合わせが多くなったという。そこで「もしかすると映像に関して、日本のユーザーは欧米より2、3年先行しているのでは」と、DivXをベースにしたソフト市場の開拓を思いついたという。

 また、DivXNetworksとの提携に踏みきった理由を「1に技術、2にブランドイメージ、3に日本市場への注力ぶり」と解説した。特に3については、「欧米の開発者はDVD-VRフォーマットを知らない。VRは国内でのみ通用するフォーマットだが、DivXNetworksはそれにも対応するという」との具体例を挙げた。

 市場に関しては「(多くの人がPCで映像を扱い出した)昨年は、マルチメディア元年といえる。この年を基点に、後10年はニーズが広がるだろう」と予測し、「そこを扱える企業になりたい」と抱負を語った。


■ 日本のDivXユーザーは全ダウンロードの10%

チーフマーケティングオフィサーのKevin Hell氏
 続いて登壇したKevin Hell氏は、DivXNetworksの戦略と日本市場への期待を述べた。

 DivXNetworksの強みは、画質・圧縮率などの技術と、「クールでテクニカルな一連のブランドイメージ」だという。現在、マーケティグ部門を新たに創設するなど、家電を含めた市場創造に力を入れており、2003年度は前年比で4倍の収益増を見込んでいる。

 特に、各種家電への再生機能の搭載を推進中で、「ほとんどの大手家電メーカーとビジネスを進めている段階」だという。「今年末までには何百というDivX対応デバイスが登場しているだろう」(同)。

 その中でも、もっとも具体的なのがDVDプレーヤーへの搭載で、「今年末までになくてはならない機能になるだろう」と強気な発言をした。

 また、日本のDivXユーザーは、ダウンロード数全体の10%を占めるという。同氏は「日本人は高画質にこだわる」と説明し、日本市場の重要性を確認。日本でDivXマーケットを構築するに当たり、技術への理解とマーケティング力のあるホロンを選んだという。同氏は「今後も日本市場に様々な製品を投入していきたい」と締めくくった。

 なお、DVD/ビデオ編集関連ソフトでのホロンのシェアは、18%のアドビ・システムズを抜き、21%でトップだという(出展:店頭POSデータ、BNC)。


■ 「DivXはDVDをただの光る板にした」と西和彦氏

西和彦氏
 発表会には来賓として、アスキー創業者の1人、西和彦氏も出席し、挨拶を行なった。

 「もともと、CD-ROMに映像を入れようとして、NTTと共同でベクトル圧縮を研究していた時期がある。リクルートのクレイコンピュータを3カ月回した」と、動画フォーマットとの関わりを強調。「そのうち、DCT方式のMPEG-1が出てきて、世界的に広まってしまった」。

 その後、MPEG-4を「MPEG-1、MPEG-2に続く3度めの正直。完成度は高いはず」と述べ、MPEG-4ベースのDivXに好意を示した。さらに、「家電は10年サイクルで大きく変化している。白黒テレビからカラーテレビへ、また、ビデオからDVDへといったように……」と、いつもの自論を展開。「DVDの次がもうすぐ来る。それは、ソフトウェアエンコーダを搭載したデジタルレコーダかもしれない」と語った。

 また、DivX Pro Video Encoder Packについて「(発表会のあった)今日は、DVDをただの光る板にした日」と発言。その意味は「DVDビデオやDVD-VRフォーマットといったDVD規格にとらわれない、DivXでの書き込みが増えるから」というもの。DVD規格が崩れ、DVDに記録するフォーマットは何でも良くなった日だという。加えて、DivXのハイビジョン記録機能を例に出し、「Blu-rayもこれで沈没」などの、過激な発言も飛び出した。


 なお会場には、19日にバーテックス リンクが発表した、DivXファイルのテレビ出力に対応したバーテックス リンクの「MediaWiz」が展示されていた。7月中旬の発売予定で、価格はオープンプライス。直販価格は22,800円。

 

発表時に不明だった無線LANカードの対応規格は、「IEEE 802.11bを予定している」とのこと 背面。コンポーネント出力はD4までのハイビジョン出力が可能。右のUSB端子は製品版では省かれる カード型のリモコン。PAL、NTSCの切り替えがダイレクトで行なえる。設定メニューで間違った場合のため

専用のワイヤレスキーボードも参考展示されていた。発売するかは未定。販売するなら、直販で2,000円程度になるという

□ホロンのホームページ
http://www.holonsoft.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.holonsoft.co.jp/news/2003/DivXNetworks.htm
□関連記事
【6月18日】ホロン、DivX初のパッケージソフト「DivX Pro Video Encoder Pack」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030618/holon.htm
【6月16日】インタービデオ、DVDダビングソフト「DVD Copy」
-市場の要求に応え、ダビングツールのリリースへ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030616/interv.htm

(2003年6月20日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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