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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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パイオニア株式会社は、プラズマテレビ「ピュアビジョン」シリーズを一新、50V型の「PDP-504HD」と43V型の「PDP-434HD」を発表した。504HDを9月下旬に発売し、価格は110万円。434HDは8月中旬発売で価格は85万円となっている。
■ PDP-504HD
A503HDとの主な違いは、パネルの改良と、新回路の「P.U.R.E. Drive」を採用したこと。また、年間消費電力量を約30%削減し、「液晶テレビと同等以下」としている。スピーカー周りを含めた本体デザインも大きく変化した。 パネルには、発光効率を10%向上させた新蛍光体を採用。さらに新開発の「ピュアカラーフィルターII」を採用し、外光反射率の低減と色再現性を向上を実現した。これらにより、明所コントラストが20%アップしたという。
なお、パネル設計は従来のものをベースにしているため、同社では「新パネル」ではなく、「改良パネル」と呼んでいる。愛称は「P.U.R.E. Panel」。
「P.U.R.E. Drive」は、「入力信号のフルデジタル処理」、「MPEG NR(ノイズリダクション)」、「ナチュラル・エンハンサー」、「スーパーCLEAR駆動法」などを搭載した新画像処理回路。 従来機種では、パネル出力までAD変換とDA変換を繰り返しながら画像処理を行なっていた。新機種では一度AD変換を行なった後、パネル出力まですべてデジタルで処理する。具体的にはクロマデコーダとRGBデコーダがデジタル処理になった。 MPEG NRは圧縮のきついMPEG画像で発生するモスキートノイズ(輪郭のざわつき)を低減する機能。ディスプレイ機器への搭載は世界初としている。 ナチュラル・エンハンサーは輪郭強調の一種で、単純にシュートをつけるのではなく、コントラスト感の向上により、画質に悪影響を与えず輪郭を強調する機能。 スーパーCLEAR駆動は、前モデル「PDP-A503HD」に搭載されたCLEAR駆動の強化版で、特に低輝度での階調分解能を向上させたという。このため、従来「4億5,000万色」としていた表現色が、今回は「10億7,000万色」と増加している。また、RGBYMCの6系統を微調整する機能も搭載する。 パネルを含め、こうした画質関連の技術を自社ですべてまかなえるのが強みだという。そのほか、巡回型ノイズキャンセラー、ダイナミックHDコンバーター、ゴーストリダクション(地上波のみ)といった機能を継承している。 また、24fpsのフィルム撮影を完全に再現する「アドバンスド・ピュアシネマ」も搭載する。ビデオ素材を毎秒60フレーム、フィルム素材を毎秒72フレームにリアルタイムで表示を切り替える機能で、世界初搭載としている。表示周波数切り替え機能により、フィルム素材の映像をフィルムのコマ割りと完全に同期した表示が可能。プログレッシブ映像にも適用できる。
システム消費電力は381W。他社の50V型が533~601Wなので、大幅な省電力化に実現したことになる。スタンバイ時消費電力は0.6W。 年間消費電力量は385kWh/年としており、他社の40V型液晶テレビと同じ値。同社は「単位面積比較では、液晶テレビに勝る省電力性」としている。 なお同社の見解では、プラズマテレビは白と黒で消費電力が大きく異なるため、最大発光状態での数値を重視する定格消費電力(JEITA)より、全白と同様に全黒状態も計測する年間消費電力量(経済産業省)を重視しているという。504HDの全黒時の消費電力は約70W。黒でもバックライトが点灯する液晶テレビと異なり、プラズマテレビの計測は「年間消費電力量の方が向いている」としている。
ディスプレイ部の外形寸法は1,270× 98×737mm(幅×奥行き×高さ)、重量は38kg。スピーカーは、両サイドに加え、ディスプレイ下にも取り付け可能な「2Wayアタッチメント方式」を採用。音声出力をほかの機器で行なうのなら、外したまま稼動させることもできる。アンプ出力は13W×2ch(8Ω)。
専用スタンドは3種類を用意。左右各20度のスイーベル機構付きのテーブルトップスタンド「PDK-TS04」(25,000円)、コーナー設置を前提とした棚板1枚付きの「PDK-FS02」、AV機器収納用ポケットが付いた壁寄せスタンド「PDK-FS03」(99,800円)。さらに壁掛け用ユニット「PDK-WM01」(35,000円)をラインナップする。PDK-FS02は、「国内では7割の利用者がテレビを部屋のコーナーに置く」(同社)ため、用意されたもの。スピーカーの取り付け位置をディスプレイ下にも設けたのも、コーナー設置の可能性が高いためだという。 メディアレシーバーには、D4入力×2、S2映像入力×3、コンポジット入力×3、アナログ音声入力×4、光デジタル音声出力×1を装備。PC入力用にはD-Sub15ピン(アナログRGB)を備えている。また、9月上旬発売予定のAVアンプ「VSA-C501-S」との連動表示を可能にする「SR+端子」も装備している。 メディアレシーバー前面のドア内には、新たにSDメモリーカードスロットを備え、カード内のJPEGとAACの再生に対応。MPEG-4など動画は扱えない。 メディアレシーバの外形寸法は420×297×90mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.5kg。縦置きも可能で、専用スタンド「PDK-FS02」の場合、スタンド裏側に縦置きできる。 なお、画像処理回路がディスプレイ部とメディアレシーバ部にまたがっているため、同社では「旧機種のユーザーがパネル、またはメディアレシーバーだけを今回の新タイプに変更しても、動作は保障しない」としている。 リモコンは従来機種と同じく、通常の「メインリモコン」と機能を絞った「簡単リモコン」の2つを同梱する。ただし、ボタン配置などデザインは変更された。黒アルマイト処理やヘアライン仕上げを施し、高級感を演出したという。
■ PDP-434HD 解像度1,024×768ドット、画面輝度1,100cd/m2の43V型プラズマテレビ。504HDと同じく、改良した「P.U.R.E. Panel」と、新画像処理回路「P.U.R.E. Drive」を採用している。 メディアレシーバ部は504HDと共通で、パネル部以外の違いはない。ディスプレイ部の外形寸法は1,120×98×652mm(幅×奥行き×高さ)、重量は30.5kg。消費電力は330W、年間消費電力量は340kWh/年。「他社の37V型液晶テレビより少ない」という。
■ 一体型43V型や地上デジタルチューナも発売を予告 都内で行なわれた発表会には、メディアレシーバー一体型の43V型「PDP-434BX」、「PDP-434TX」も参考出品された。434BXがBSデジタル/110度CSデジタル/地上波アナログチューナを搭載。434TXは地上波アナログチューナのみに対応する。発売時期は年末、価格は未定となっている。 また、展示はなかったものの、地上デジタルチューナ「SH-DT3」の発売もアナウンスされた。BSデジタル/110度CSデジタルチューナも内蔵し、GUI仕様の新リモコンが付属するという。外形寸法は280×280×57mm(幅×奥行き×高さ)。発売時期、価格は未定。
発表会では、ホームエンタテインメントカンパニー(HEC) プレジデントの新島昭専務取締役が挨拶し、同カンパニーの2003年売上について、「プラズマテレビが35%、DVDレコーダが35%、あわせて70%を構成したい」と述べた。
続いて登壇したHECバイスプレジデントの五月女勝専務執行役員は、プラズマテレビの国内市場について説明した。2002年度のサイズ別台数シェアでは、40型クラス、50型クラスともに同社がトップ。ただし、40型以下を含めた全台数では、32V型や37V型を擁するA社(社名は明らかにされていない)が最も強く41%、ついでパイオニアの18%と続く。
次に民生用PDPの需要を、2002年度90万台、2004年度180万台、2005年度310万台と予測した。エリア別では、2003年以降、北米が伸張するとしている。
サイズ別の需要予測も発表した。「30型以上のフラットテレビ」というカテゴリーでは、2003年の構成比は、60型クラスPDPが1%、50型クラスPDPが11%、40型クラスPDPが45%、30型クラスPDPが20%、40型クラスLCDが1%、30型クラスLCDが22%。30型クラスではプラズマテレビを液晶テレビが逆転していることから、同氏は「プラズマは40型クラスが主戦場。液晶とのすみわけは40型以上で可能」との見解を示した。 なお、2003年8月からは年間生産能力10万台の第3ライン(静岡)が稼動を開始する。現在は年間5万台の第1ライン(甲府)、10万台の第2ライン(静岡)が稼動中。さらに2005年には年間25万~30万台生産可能な第4ライン(甲府)も立ち上がる予定。第4ライン稼動後は、ノウハウを第1~第3ラインにフィードバックし、生産能力の拡大を目指すという。
□パイオニアのホームページ (2003年7月23日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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