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三洋、地上デジタルチューナ初搭載の42V/37V型プラズマTV
-パネルは「第3世代ALIS」。30V型液晶テレビも発表


PDP-42V2EX
10月1日より順次発売

標準価格:600,000~795,000円

連絡先:レインボーコール
     Tel.0120-398-634


 三洋電機株式会社は、プラズマテレビ「VIZON」(ヴィゾン)を一新し、地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタルチューナを搭載した新ラインナップを発表した。

 42V型、37V型それぞれにラック一体型の「V2シリーズ」と電動スイーベルスタンド一体型の「HD3シリーズ」を用意。デジタルチューナ非搭載の42V、37V型も発売する。さらに、V2シリーズには、ピアノフィニッシュモデル「PDP-42V2EX」も500台限定で販売する。

 また、地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載した30V型液晶テレビもラインナップ。価格と発売日は下表の通り。

タイプ 画面サイズ 品番 標準価格 発売日
地上/BS/110度CS
ラック一体型
プラズマテレビ
42V型 PDP-42V2EX
(ピアノフィニッシュ)
795,000円 11月1日
PDP-42V2 10月1日
37V型 PDP-37V2 735,000円
地上/BS/110度CS
スタンド一体型
プラズマテレビ
42V型 PDP-42HD3 780,000円
37V型 PDP-37HD3 720,000円
スタンド一体型
プラズマテレビ
42V型 PDP-42H3 700,000円 10月21日
37V型 PDP-37H3 640,000円
地上/BS/110度CS
スタンド一体型
液晶テレビ
30V型 LCD-30HD3 600,000円 11月1日

PDP-42V2 PDP-42HD3


■ 第3世代ALISパネル採用のプラズマ「VIZON」

 2002年秋より、同社のプラズマテレビは、サブウーファを内蔵したラック一体型の「Vシリーズ」とスタンド一体型の「HDシリーズ」に分かれている。2003年モデルも変わらず、「V2シリーズ」、「HD3シリーズ」をラインナップ。さらに、デジタルチューナ非搭載の「H3シリーズ」も用意した。パネルや画像処理回路など、基本機能についてはシリーズ共通。

背面の入出力部 左側面の入力部。SDメモリーカードスロットはサービスマン用 右側面には操作パネルとB-CASカードスロットを装備

 新シリーズの特徴は、プラズマテレビでは初となる「地上デジタルチューナ」を内蔵したこと。また、フルデジタル信号処理回路「VIZONエンジン」、「第3世代ALISパネル」、「クリア・カラーフィルター」も新たに採用した。

●VIZONエンジン

 VIZONエンジンはパネル出力までをフルデジタルで処理する映像処理回路で、内部は「プログレッシブコンバーター」、「フォーマットコンバーター」、「10ビットダイナミックパネルドライバー」などで構成される。

 プログレッシブコンバーターには「10bit DSP」、「第3世代IP変換」、「TWIN NR」などが搭載された。

 第3世代IP変換は、垂直4ライン、水平方向19ドットの計76ドットをもとに4フィールド分の動き検出を行ない、プログレッシブ時の動画のジャギーを低減する技術。TWIN NRは、2Dと3Dの2種類を組み合わせることで、精細感を損なわずにノイズを低減するというノイズリダクション。

 10ビットダイナミックパネルドライバーには、「3Dカラーマネージメント機能」と「ダイナミックピクチャー補正機能」を搭載。3DカラーマネージメントによりR/G/B/Cy(シアン)/Ma(マゼンタ)/Ye(イエロー)/肌色の7色について、色相と彩度を独立調整できる。従来と異なり、輝度方向の調整が可能。ダイナミックピクチャーは、画面の明るさ、輝度分布、白ピークから階調補正を行なう機能。

VISONエンジンの概要 プログレッシブ化の流れ

●第3世代ALISパネル

 富士通日立プラズマディスプレイ株式会社(FHP)製の新パネルで、採用機種の発表は今回が初めて。第2世代との違いは、ピーク輝度の向上と動き適応型の擬似輪郭処理回路を搭載したこと。

 パネル輝度は1,000cd/m2から1,100cd/m2に向上(42V型)。また、擬似輪郭処理回路により、「ALISパネル特有の擬似輪郭が完全に消えた」(三洋電機)という。

●クリア・カラーフィルター

 フィルターガラスのうち、カラーフィルターを新開発。RGBの色純度が高くなり、色再現性が向上したという(NTSC規格比88.5%)。発表会の席上、同社から「CRTの色再現性をすでに超えている」との説明もあった。また、反射防止フィルムとの組み合わせで、外光反射率を従来比で40%改善した。

第3世代ALISパネルを採用 カラーフィルターも新開発された

 なお、全機種にゴーストリダクション、3次元Y/C分離回路を搭載。音質面では、1bitデジタルアンプ、BBE、独立スピーカーボックスを採用している。


 ピアノブラック仕上げの「PDP-42V2EX」には、同じくブラック仕上げの専用スタンドを用意する。工程の一部はピアノ工場で行なうという。また、システムラックはV1シリーズの「本格木目調」から、抑えた色調の桧皮(ひわだ)色に変更。加えて、今回からラック下部にキャスタを装備している。

 HD3シリーズ「PDP-42HD3」、「PDP-37HD3」のスタンドには電動スイーベル機構を搭載。左右30度まで電動で首振りが可能。リモコン上部の専用ボタンで操作でき、センターボタンを押せば、自動的に真正面に向く。センター停止機能は業界初としている。

フルリモコンに加え、カンタンリモコンを付属。カンタンリモコンにはチャンネルボタンが追加された

【主な仕様】
  PDP-42V2/EX PDP-37V2 PDP-42HD3 PDP-37HD3 PDP-42H3 PDP-37H3
パネル解像度 1,024×1,024ドット
搭載チューナ 地上デジタル
BSデジタル
110度CSデジタル
地上アナログ
地上アナログ
音声実用最大出力 10W×2ch(フロント)
20W(サブウーファ)
10W×2ch(フロント)
i.LINK 2
映像入力 D4×2
コンポーネント×1
S2映像×3
コンポジット×3
アナログRGB×1
映像出力 モニター×1
デジタル放送×1
モニター×1
音声入力 アナログ2ch×7
音声出力 アナログ2ch×2
光デジタル×1
サブウーファ×1
ヘッドフォン×1
アナログ2ch×2
光デジタル×1
ヘッドフォン×1
アナログ2ch×1
ヘッドフォン×1
消費電力 385W 338W 385W 338W 365W 318W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
※ラック、スタンド含む
1,224×468×1,180mm 1,139×468×1,137mm 1,220×300×732mm 1,135×123×597mm 1,220×300×732mm 1,135×300×684mm
重量
※ラック、スタンド含む
71.5kg 65.4kg 46.5kg 41.4kg 44.6kg 39.5kg


■ 30V型液晶テレビも投入

LCD-30HD
 LCD-30HD3は、地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載した30V型の液晶テレビ。HD3シリーズの1モデルと位置付けられ、スイーベルスタンドが付属する。ただし電動機構はない。

 解像度は1,280×768ドット。Super-IPS液晶を採用し、視野角は左右176度となっている。また、プラズマテレビのV2/HD3シリーズと同様に、フルデジタル処理回路のVIZONエンジンを搭載している。

 入出力端子は、i.LINK×2系統、D4入力×2系統、S2映像×2系統、コンポジット入力×2系統、PC入力×1系統、アナログ音声入力×5系統、モニター出力×1系統、デジタル放送出力×1系統、光デジタル音声出力×1系統、ヘッドフォン×1系統。

 スタンドを含む外形寸法は908×220×558mm(幅×奥行き×高さ)、重量は24kgとなっている。


■ 試験放送は無事クリア、単体チューナの発売も示唆

前田健AVソリューションズカンパニー副社長
 初の地上デジタルチューナ搭載プラズマテレビの発表について、AVソリューションズカンパニーの前田健副社長は「先陣を切りたかった」と語り、8月6日未明に行なわれた地上デジタルの試験放送については「(V2/HD3ともに)何とかテストをクリアしたので、発表にこぎつけることができた」と報告した。

 なお同氏は、単体の地上デジタルチューナについても「供給の必要性を感じている」と、前向きなコメントを行なった。

 また、液晶テレビとプラズマテレビの差別化については、「コストとイメージのバランスでラインナップしており、両者の差別化はあまりしていない状態。42V型がプラズマなのは、液晶ではコストや安定供給に難があるため」と説明した。


□三洋電機のホームページ
http://www.sanyo.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0308news-j/0806-1.html
□関連記事
【2002年8月7日】三洋電機、ラック一体デザインのBS/110度内蔵プラズマテレビ
-新ALISパネルを採用、スピーカーはラックに搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020807/sanyo.htm
【2001年6月13日】三洋電機、ALIS方式採用の32V型/42V型プラズマテレビ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010613/sanyo.htm

(2003年8月6日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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