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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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ヤマハ株式会社は、ホームミュージック・ネットワークシステム「MusicCAST」を10月下旬より発売する。 「MusicCAST」は、オーディオサーバーの「MCX-1000」と、クライアントの「MCX-A10」、スピーカーシステムの「MCX-SP10」(2本1組)から構成されるホームミュージックネットワークシステム。価格は全てオープンプライスで、店頭予想価格は「MCX-1000」が、20万円前後、「MCX-A10」が7万円前後、「MCX-SP10」が13,000円前後。 ■ MCX-1000
10月下旬発売 店頭予想価格:20万円 「MCX-1000」は、CD-R/RWドライブのほか、80GB HDDを搭載。音楽CDをHDDに取り込んで録音して、家庭内のクライアント「MCX-A10」に配信できるホームオーディオサーバー。 対応オーディオ形式はMP3とリニアPCM。本体をジュークボックスとして利用できるほか、IEEE 802.11bの無線LAN機能を内蔵し、最大5台(PCMの場合は1台)までのクライアントに音楽を同時配信できる。また、100BASE-TX Ethernetを1ポート備えており、Hubを利用することで、同時に最大7台まで(本体を含め8台)の配信が行なえる。
DHCPサーバー機能を搭載し、クライアントにIPを自動的に振り分けるほか、「MCX-1000」自体をDHCPクライアントとして動作させることも可能。 HDDには、リニアPCMモードで約100時間、MP3モード/160kbpsで約1,000時間のオーディオデータを収録可能。MP3のビットレートは、「音質にこだわったレート設定とした(同社)」とのことで、320/256/160kbpsの3モードが用意されている。CDアルバム1枚をHDDに取り込むのに、約3分かかるとしている。 HDD上に約35万アルバムの曲情報データベース「Gracenote CDDB」を搭載し、CDを入れるだけで該当する曲データを自動表示する。また、最新タイトルもインターネット経由で取得できるほか、オンスクリーンキーボードや前面のPS/2端子に接続したPC用キーボードなどで、曲情報の入力も行なえる。日本語表示/入力もサポートする。
なお、HDDに蓄積したオーディオデータは、CD-R/RWとして書き出すこともできるが、その際はHDD上のオーディオデータは消去される。CDレコーダ機能は、同社の「アドバンスト・オーディオマスター」技術を搭載し、メディアに最適な速度で、CD-R/RWに記録できる。 再生周波数特性は5Hz~20kHz、SN比は105dB以上、ダイナミックレンジは99dB以上。ライン出力のほか、光デジタル出力、同軸デジタル出力、ヘッドフォン出力を各1系統装備。
また、光デジタル入力、同軸デジタル入力、アナログ入力も1系統ずつ搭載し、外部機器からの録音も行なえる。リニアPCM/MP3の録音に対応し、サンプリング周波数は32/44.1/48/96kHzをサポート。RS-232Cのコントロール端子も備えており、RS-232Cを搭載したヤマハ製AVアンプのサラウンドプラグラムやソース選択、音量調整などをMCX-1000上から行なうこともできる。 S映像/コンポジット入出力も装備。本体の設定は、テレビと接続して、OSD上で行なう。「ライブラリ」、「録音」、「AVアンプ」、「クライアント設定」、「タイマー」、「システムセットアップ」などの各種設定が可能。ライブラリでは、好みの曲を選択するブックマーク機能や、プレイリスト再生などに対応。サーバー側からクライアントの音楽再生/ストップなどの操作が行なえるほか、タイマー設定なども可能。
消費電力は47Wで、待機時電力は4.1W。電源OFF時でもクライアントから音楽再生などが行なえる。外形寸法は435×434.5×135.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は11.5kg。リモコンが付属する。 なお、HDDの換装については、HDD上にCDDBを収録していることや、ファイルフォーマットなどを理由に、「ユーザーレベルでの換装はできない(AV/IT事業本部 近藤博 プロダクトマネージャー)」と話している。大容量HDDモデルの展開については、「販売店などと意見を交換しながら、今後検討する」という。 ■ MCX-A10
10月下旬発売 店頭予想価格:7万円前後
MusicCAST用のクライアント。自社開発の17W×2chのデジタルアンプを内蔵する。再生周波数は、20Hz~20kHz、SN比は100dB以上、ダイナミックレンジは90dB以上。 本体前面の液晶ディスプレイでライブラリ表示や、各種設定が可能。再生/停止/早送りなどの基本操作や設定は、前面の操作ボタンまたはリモコンで行なう。入出力端子として、スピーカー出力、ライン出力、サブウーファ出力、ヘッドフォン出力、ライン入力を各1系統装備する。スピーカーターミナルはワンタッチ式。 IEEE 802.11b無線LANのほか、Ethernet端子も装備。ネットワーク自動設定機能を備えており、設置を終えた後、簡単なメニュー操作を行なうだけで利用可能となる。消費電力は40W(待機時0.5W)。外形寸法は210×79×244.5mm(幅×奥行き×高さ)と薄型で、壁掛けにも対応する。重量は2kg。
■ MCX-SP10
10月下旬発売 店頭予想価格:13,000円前後 「MCX-A10」専用のスピーカー。10cmコーンウーファと、2.5cmドームツィータを搭載したバスレフ方式の2ウェイ2スピーカー。 許容入力は20W。再生周波数帯域は100Hz~27kHz、出力音圧レベルは89dB/2.83V/m。インピーダンスは4Ω。外形寸法210×79×210mm(幅×奥行き×高さ)と奥行きを「MCX-A10」にあわせており、壁掛けにも対応する。重量は1.2kg。
発表会では、同社の前嶋邦啓常務取締役が挨拶に立ち、AV/IT事業は中国製品の台頭などにより、AV関連製品の低価格化が進んでいるが、「“一桁”違う技術ノウハウ、“一味”違う技術ノウハウをベースにし、『こだわりの商品』を求めるユーザーに訴求していく」と製品戦略を説明。 MusicCASTで採用しているOS「ITRON」や、MCX-A10に搭載した自社製デジタルアンプ、ルータで培った通信技術などの強みを生かして独自の製品展開を図るとし、「ホームシアターや、通信カラオケに続く成長性確保のために、MusicCASTやプロジェクタ事業に期待している」と語った。2006年度までに、今年度実績の売上高837億円から144%増の1,300億円を目指す。 続いて、同社執行役員 AV/IT事業本部副本部長 技術開発本部長の田丸卓也氏がMusicCASTのコンセプトについて解説し、その特色を「とにかく家庭内で、いつでもどこでも、手軽に簡単に音楽を聞くことができる」と紹介。起動時間や使い勝手などで、パソコンに比べ、民生オーディオ製品であるMusicCASTが優れていることを強調した。
AV/IT事業本部 MusicCASTプロダクトマネージャーの近藤博氏は、MusicCASTのデモを行ないながら、操作、設定の簡便性などを強調した。なお、IEEE 802.11a/gなどのより高速な無線LAN規格への対応については、「民生用としてとにかく安定して動作するために、枯れた規格を利用した。オーディオだけに限れば802.11bで十分に実用に耐えうる」との見解を示した。 また、パソコン用クライアントソフトについて、「技術的に不可能ではないが、民生オーディオ製品としての利用を想定している。通信時に独自の暗号化を加えているため、パソコンでは利用できない」としており、当面パソコンでは利用できない。 CCCDの再生については、「本機がサポートするのは音楽CD。音楽CD(CDDA)規格外のディスクについては、再生できるかもしれないし、できないかもしれない。録音できるかもしれないし、できないかもしれない。としかコメントしようが無い」と話し、正式サポートを行なわないことを明らかにした。 □ヤマハのホームページ (2003年8月6日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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