◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
日本ビクター株式会社は25日、解像度3,840×2,048ドットの製品など、反射型液晶パネル「D-ILA」の新製品3種類を発表。併せて、高精細パネルの量産化技術を確立したと発表した。 また、フルHD表示に対応したホームシアター向けフロントプロジェクタを年内に発売する予定。価格はソニーのフルHDプロジェクタ「Q004-R1」(QUALIA004、240万円)と同程度としている。
発表されたのは、1.7インチ4K2K(解像度3,840×2,048ドット)、0.8インチフルHD(同1,920×1,080ドット)、0.7インチ720p(同1,280×720ドット)の3種類。
主な用途は、1.7インチ4K2Kが超高精細画像システムやシュミレーションなど、0.8インチフルHDが高級ホームシアターや大型リアプロジェクションなど、0.7インチ720pがリアプロジェクション、ホームシアター、アミューズメントなど。
このうち、0.8インチフルHDを使ったフロントプロジェクタを年内に投入する予定。フルHD(1,920×1,080ドット)対応の民生用プロジェクタは、ソニーの「Q004-R1」に続く発表となる。0.7インチ720pはリアプロジェクションテレビとして年内に発売を予定している。ただし、リアプロジェクションテレビの国内導入は未定。なお、1.7インチ4K2Kを使用したフロントプロジェクタは、国内各研究機関などに複数台が納入済み。 会場には0.8インチフルHDパネルを搭載した試作機が展示され、DVI出力からの投写デモを行なった。ソースはCGおよび「JVC jazz festival」を撮影したもので、どちらも1080i。 なお、試作機の筐体は「DLA-SX21D」を流用したもの。SX21Dの外形寸法は298×360×124mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、発表予定のフルHD機についても「Q004に比べて大幅な小型化を狙う」という。また、試作機の光学系はパネルに合わせて新設計されており、製品化の際にはズームレンズの搭載を検討している。 さらに、1.7インチ4K2Kを搭載した試作機も紹介され、200型スクリーン(16:9)への投写デモが行なわれた。ソースは大判スチル写真の静止画や有効画素3,840×2,048ドットのカメラによるライブ映像など。プロジェクタとカメラは4系統のHD-SDIで接続されている。
発表のもう1つのポイントは「高精細D-ILAパネルの量産プロセスに目処が立った」こと。具体的には、小画素ピッチ化と歩留まりの向上に成功した。 反射型液晶の場合、画素ピッチを小さくすると液晶以外への光漏れが発生しやすくなる。そこで、配線層と反射画素電極の間に遮光層を加えることで、リーク光を低減したという。 また、映像信号のエネルギー不連続に敏感な垂直配向液晶の場合、シビアなエネルギー分布の安定化と均一化が求められ、歩留まりの低さにつながっていた。新パネルでは液晶・無機配向膜・画素電極を均一に接続する技術を投入することで、歩留まりの高い量産プロセスを確立したとしている。
専務取締役の山口南海夫氏は、「これまで蓄積したD-ILA技術の集大成。量産化の問題を解決したため、グローバルに市場投入できる。'97年から取り組んでいた強みで、(反射型にしては)安定した供給も可能」と語った。 また、2007年におけるホームシアター向けフロントプロジェクタの需要を78万台(全世界、Stanford Resources調べ)とし、今後展開する高級機を「三管式プロジェクタの置き換えを狙う製品」と位置付けた。
□ビクターのホームページ (2003年8月25日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |
|