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松下、モバイル向け3D音響技術「ハイパーサラウンドシステム」
-データ量/演算量を1/4に削減し、低消費電力化


9月30日発表


 松下電器産業株式会社は30日、ノートPCやポータブル機器用の3次元音響再生技術「ハイパーサラウンドシステム」を開発したと発表した。同技術は11月発売のパソコン用オーディオソフト「SD-Jukebox Ver.4.0」に搭載予定で、順次ポータブルオーディオ機器や、携帯端末などで採用する見込み。

 「ハイパーサラウンドシステム」は以下の技術の新開発により実現される。

  • 人体頭部形状の高精度モデリングと境界要素法による数値計算を組み合わせたデジタルHRTF技術
  • 発音点を耳に設置することで、人間を中心とする全方向のHRTFを高速に計算するリバース解析技術
  • 人体頭部の各部寸法に基づき、その形状を変形させるヒューマンモーフィング技術
従来のHRTFの問題点 デジタルHRTFの解説

 従来のHRTF(頭部伝達関数=Head-Related Transfer Function)はダミーヘッドや人の耳を用いて測定していたが、その場合、スピーカー特性や反射音などの影響を受けやすくデータ量が増えていた。

リバース解析解説

 デジタルHRTFでは、音源から耳までのHRTFを頭部の3次元形状から数値計算で求めることで、従来に比べて効率的で演算量の少ない3次元音響再生を可能にするという。データ量/演算量が従来比で1/4に減少するため、ポータブルオーディオなどに適した低消費電力化が実現できたという。

 また、リバース解析の採用により、スタジオやホールの反射音に対応したHRTF計算が可能となり、自然な臨場感と音質を実現。ヒューマンモーフィングの採用により、人体頭部形状に起因する個人差を高精度に解析できるため、解析結果から統計値に基づいた汎用性の高いHRTF展開が可能となったという。

室内音響特性(RTF)融合技術 ヒューマンモーフィング技術の解説

商品展開例

 なお、「ハイパーサラウンドシステム」は特にオーディオフォーマットを選ばずに適用可能で、発表会場ではCDの音声や、SDオーディオプレーヤーのAAC音声などに適用し、デモが行なわれていた。

 今後の製品展開については、ポータブルオーディオプレーヤーのほか、携帯電話やホームサーバー、ホームシアター製品などでの採用を検討している。ただし、ハイパーサラウンドシステムは基本的に1ユーザーに向けに最適な3次元音場を創出する技術のため、ホームシアター製品などの複数ユーザーで同時試聴を行なうような環境での利用については、今後の課題としている。


パソコンでSD-Jukeboxを利用した再生デモ 3D音像制御ソフト。スピーカーの角度やスピーカー設定、音場設定などが行なえる 携帯電話を模したスピーカーからの出力デモ

□松下電器のホームページ
http://matsushita.co.jp/
□ニュースリリース
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn030930-2/jn030930-2.html
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-MPEG-2録画の上位モデルなど4モデルを投入
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030911/pana2.htm

(2003年9月30日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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