| ||
|
◇ 最新ニュース ◇
|
||
|
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
シャープ株式会社は8日、年頭記者会見を開催し、同社取締役社長の町田勝彦氏が2004年度の事業戦略などについて語った。また、会場では今夏中に市場投入する予定の45型フルHD対応液晶テレビの試作品が初めて公開された。
まず町田社長は、2004年AV分野の業界動向について「私は昨年、2003年度は薄型液晶テレビとブラウン管テレビの売上が逆転するだろうと述べたが、実際薄型テレビの売上は1,000億円の差をつけてブラウン管を上回った。2004年は地上デジタルの開始に加え、オリンピックが実施されるなど、薄型テレビへの需要はますます高まるだろう」と述べた上で、AV分野全体での国内需要は、昨年比110.6%の2桁成長が期待できるとの考えを示した。 一方で、電化製品は継続的な単価下落から、ほぼ横ばいに、PCや携帯電話など情報通信分野については、2003年度は2桁成長したが、2004年度は緩慢な成長になり、101.5%の微増に収まるとの見通しを示した。
消費者動向については、「消費者は、昨今の社会・経済不安から、社会や他人に任せていてもそれらは解消されないと気づき、自ら明日に備える消費を考え始めた」とし、この結果、“世代替えマーケット”、“環境役立ちマーケット”、“元気・安心マーケット”の3つの新しいマーケットが創出され、大きな需要を生むと語った。 “世代替えマーケット”とは、薄型テレビ、記録型DVD、デジタルカメラなど、世代の交代をはっきりと印象づけるものを求めるユーザー、“環境役立ちマーケット”は、環境に配慮した製品を購入することで自ら環境保全に役立ちたいと考えるユーザー、“元気・安心”マーケットは、効能のはっきりしたものに投資するユーザーからそれぞれ成り立つもの。
こういった市場で成功するために、町田氏は「ユーザーの声を受けて、改良型・不満解消型の商品開発を行なう従来までの“ユーザーオリエンテッド”な商品作りではだめ。ユーザーに驚きと感動を与えるような革新的技術を利用した物作り、すなわち“テクノロジーオリエンテッド”への転換が必要だ」と語った。 同社の重点事業である液晶については、積極的な大型化が推し進められる。町田氏によれば、2003年度の中心サイズは19型だったが、2004年度は26型あたりが中心になるという。
この状況を踏まえ同社は、三重県亀山市に建設してきた亀山工場を1月から稼働開始させ、世界初の1,500×1,800mmマザーガラスを採用した液晶パネルの生産を行なう。また、8月には、同工場内に第2期生産ラインを導入し、さらなる生産能力の拡大を図る。同工場には累計で1,500億円が投じられる予定。 加えて、8月に開催されるアテネオリンピックにあわせて、1,920×1,080ドットの解像度を持つ-->ハイビジョンにフル対応した45型液晶テレビを投入することが明らかにされ、会場にはその試作機が展示された。
町田氏は、「私はこれまでサイズについて、30型までは液晶で、それ以上はプラズマだと思っていたが、この45型はプラズマではなし得ない高解像度を実現した」と自信を見せた。また、「高解像度化により、IT端末としてテレビがPCに取って代わるのではと感じる」との考えを示した。 市場動向について町田氏は、「2004年に日本、および欧州で7割が液晶となり、2005年には完全に液晶に切り替わるだろう。米国は多少読みにくいが、それでも2006年には全て液晶化させる計画」と宣言。 また、「オリンピックが需要増を生むことは確かだが、液晶テレビの需要はブラウン管からの代替によるもので、オリンピック後も堅調に推移するだろう」とした。 質疑応答では、競合他社などについて質問が及んだ。追い上げを図る台湾・韓国勢について町田氏は「第1次IT革命はPCが中心だった。当社も液晶ディスプレイで発展したが、ここでは汎用性が強く求められたため、差別化を打ち出しにくく、台湾・韓国勢にとって有利な状況となった。しかし、第2次IT革命はデジタル家電が中心となる。ここでは、デバイスごとに要求スペックが異なり、それらにきめ細かに応えられる日本メーカーに生きるチャンスが生まれる」と語った。 最近、家電分野への進出を図りつつあるDellやGatewayなどについては、「彼らの主な顧客はPCユーザーであり、大きさでは20型以下が中心となっている。確かに、20型以下での競争は今後激しくなるだろう。しかし、テレビ市場では大型モデルへ中心が移ってきており、驚異は感じていない」とした。 □シャープのホームページ －音楽配信サービス開始。音楽プレーヤー/液晶テレビなどを発売 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030929/dell.htm (2004年1月8日) [AV Watch編集部/wakasugi@impress.co.jp]
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
|