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ソニー、低価格化を実現したHDCAM製品群4機種
-民放連加入の128局中102局がHDCAMを採用


7月より順次発表

連絡先:放送システム営業
     Tel.03-5792-3470


 ソニーは7日、低価格を実現したHDCAM製品群4製品を発表。7月より順次発売する。発売日と価格は下表のとおり。

製品名発売予定標準価格(予定)
HDCAMレコーダー
「HDW-S2000」
10月4,725,000円
HDCAMポータブルレコーダー
「HDW-S280」
2005年1月3,990,000円
HDCAMカムコーダー
「HDW-730S」
7月4,725,000円
HDコンパクトカメラ
「HDC-X300K」(レンズ付き)
「HDC-X300」(レンズなし)
7月
2,625,000円
1,890,000円

左からPSNCプレジデント 大木充氏、プロードバンドコミュニケーションカンパニー プレジデント 尾上喜憲氏、B&Pカンパニー プレジデント 花谷慎二氏、ソニーマーケティング株式会社 執行役員 毛塚善文氏
 2月1日に組織改変され、NCプレジデントに大木充氏が就任した、プロフェッショナルソリューションズ・ネットワークカンパニー(PSNC)は、これまで分かれていた放送用と、監視用や医療用なども含む業務用のビジネスを統合。HD(High Definition)を軸として、デジタルAV技術とIT技術を融合し、「B2B市場における、世界最強のソリューションカンパニーを目指す」としている。

 NCプレジデントの大木充氏は、「商品を単品として売る時代は終了した。これからは付随するサービスも提供をしなければならない。そこが、PSNCが目指すところ」とPSNCの位置づけを説明する。また、同社が提案する「ワークフロー・イノベーション」により、HDコンテンツをより早く、低コストで制作・運用できるソリューションを提供。「最高水準のHD技術で世界を主導していく」という。

 ソニーが展開している放送業務用HD VTR「HDCAM」は2004年3月末までに、日本を中心に全世界で13,500台以上を出荷。ソニーマーケティング株式会社 執行役員 毛塚善文氏によれば、「キー局だけでなく、民放連に加入している128局の内、102局がなんらかの形でHDCAMを採用している」という。

 今後もHD機器の小型化・低コスト化を進め、HDが標準画質となる数年後を見据えて、放送に限らず、映画やCM制作など幅広い分野でHD化を推進していくとしている。

■ HDCAMレコーダー「HDW-S2000」

 HDCAMフォーマットによる記録・再生に加え、アナログベータカムやベータカムSP、ベータカムSXの再生機能も装備したHDCAMレコーダー。

 同社では、「現在の報道用取材のテープや機材などの資産を有効活用しながら、段階的なHDへの移行を可能にする製品」と位置づけている。

 映像信号は、HD-SDI入出力のほか、SD-SDI出力、アナログコンポーネント出力、アナログコンポジット出力に対応。外形寸法は427×540×174mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約23㎏。

 標準でアップコンバータ/ダウンコンバータも搭載し、SD素材再生時のHD出力や、HD素材再生時のSD出力が可能。音声信号は、AES/EBU入出力、アナログオーディオ入出力に対応している。

 操作系は、HDW-2000シリーズと同様のプリリード編集、オーディオクロスフェード機能、DT再生機能、ジョグシャトルオペレーションが可能。さらに、RS-422Aインターフェイスによる編集機からのコントロールもサポートしている。

■ HDCAMポータブルレコーダー「HDW-S280」

 外形寸法210×425×132mm(幅×奥行き×高さ)と、ポータブルベータカムSXレコーダー「DNW-A28」と同等サイズ(4U・19インチハーフラック)を実現したHDCAMレコーダ。アナログベータカムとベータカムSXの再生機能も装備する。

 19インチラックに2台横並びに組み込んで使用することが可能で、中継車やヘリコプターなどでの運用に最適としている。質量は5.5kg、消費電力は60W。

 本体にサーチダイヤルを装備するほか、カラー液晶パネルも採用しており、再生中の映像をモニターすることもできる。ダウンコンバータも内蔵し、SDI出力、アナログコンポジット出力を標準装備。AC/DC両電源に標準で対応している。

 また、RS-422Aインターフェイス経由で編集機から、コントロールも可能。HDデジタルビデオレコーダー「HKDV-503/900」用のビデオコントロール端子も装備している。

■ HDCAMカムコーダー「HDW-730S」

 従来機種「HDW-730」の基本性能を踏襲しながら、新たに光学シングルフィルター、モノラルマイクロフォンを採用する事で、シンプルなオペレーションと低価格化を実現したモデル。

 外形寸法は127×308×206mm(幅×奥行き×高さ)、重量約3.7㎏(本体)と、HDW-750/730と同サイズの筐体を使用。消費電力は約33W。

 撮像素子は、2/3PowerHAD220万画素IT型CCDの3板式(有効画素1,920×1,080ピクセル)、レンズマウントは、ソニーバヨネット(2/3インチ)を採用している。

 本体にはHD-SDIを標準装備するほか、オプションのダウンコンバータボード「HKDW-702」を内蔵すれば、SD-SDI、アナログコンポジットの出力も可能になる。

 そのほかにも、記録開始前最大7秒の映像/音声を記録可能なループ記録ボード「HKDW-703」や、撮影された位置情報をテープ、メモリースティックに記録可能なGPSユニット「HKDW-704」、超高感度撮影を可能とするスローシャッターボード「HKDW-705」などのオプションも用意されている。


■ HDコンパクトカメラ「HDC-X300K/X300」

 新開発1/2型150万画素3CCD(有効画素1,440×1,080ピクセル)を採用したHDコンパクトカメラ。

 「コンパクトでありながら、スミア-120dBの低スミアと、感度F10(2000Lx)の高感度・高画質を実現した」としている。レンズマウントは1/2インチタイプで、HDC-X300Kに付属するレンズは19倍ズーム(焦点距離6.7~127mm)。

 外形寸法が95×160×95mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.2kgと、小型HDカメラ「DXC-H10」相当のサイズを実現したほか、消費電力も20Wの低費省電力設計となっている。

 そのほかにも、夜間の撮影や特殊効果的な映像制作に活用できるスローシャッター機能を標準装備。本体にはHD-SDI出力を装備し、1080/59.94i、50i、30psf、25psf、24psfのマルチフォーマットに対応している。



□ソニーのホームページ
http://www.sony.jp/
□HDCAM製品のニュースリリース
http://www.sony.jp/pr/whats/w_040407B.html
□「各地の放送局でHDCAM機器採用決定」のニュースリリース
http://www.sony.jp/pr/whats/w_040407.html
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【2003年3月5日】ソニー、青紫色レーザーディスクを使ったカムコーダなど
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(2004年4月7日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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