![]() | ||
◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
リムーバブルHDDの規格団体「iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム」は12日、総会を開催。新フォーマットの策定などを発表した。 iVDRは、2002年に発表されたリムーバブルHDD規格。AV機器やパソコンでのデータ共有を想定して開発されており、同規格の策定/普及活動を行なう「iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム」には、国内外の38社が参加している。 初の対応機器として、アイ・オー・データ機器のPC用リムーバブルHDD「iVDR-20」などが4月中に発売される予定。 今回の総会では、1インチHDDを用いた「iVDR micro」の採用と、コンテンツ保護規格の「iVDR-Secure」規格が新たに決定された。
従来、iVDRには、パラレルATAインターフェイスの「iVDR Parallel」、シリアルATAの「iVDR」、1.8インチHDDを採用した「iVDR Mini」の3種類が用意されていたが、今回、1インチHDDを採用し、さらに小型化を図った「iVDR micro」が追加された。 「iVDR micro」は、現在暫定仕様の段階だが、外形寸法は50×50×8mm(幅×奥行き×高さ)と、iVDR miniの80×67×10mmから、さらなる小型化を図っている。PDAやポータブルオーディオ、ビデオカメラなどの小型モバイル機器での採用を見込んでおり、900G以上の耐衝撃性を実現する。インターフェイスはシリアルATAで、コネクタ部の仕様は26ピンのiVDRオリジナル。
あわせて発表された「iVDR-Secure」は、iVDR用の著作権保護機能で、デジタルコンテンツ配信などに利用される予定。iVDR-SecureではPKI(公開鍵基盤)を採用しており、iVDRメディアに公開鍵演算や共通鍵演算を行なう暗号エンジンや、利用制限つきコンテンツ鍵の記録・管理機能などの実装が必要となる。
iVDR-Secureでは、コピー回数やムーブ回数などのコピー制御や、「24時間」や「10日間」といった利用期間制限などが、コンテンツ提供者の意向に沿って実現できる。PKIをベースにしているため、ネットワーク経由での認証などにも対応する。 暗号化のためのキーやライセンス、ライセンス転送ログなどはHDD内の「TRM(Tamper Resisitant Module)」と呼ばれる専用の領域に格納し、特殊なコマンド以外ではアクセス不能とする。コピー制御されたデータは暗号化されHDDの通常の領域に蓄積されるが、暗号化されたデータをパソコンなどから参照することはできない。 なお、iVDR-Secureはオプション扱いで必須項目ではない。そのため、PC用データストレージがメインとなるアイ・オー・データ機器の「USB2-iVDR/20」などは、iVDR-Secure非対応となる。
総会後に開催されたセミナーでは、三洋電機 デジタルシステム技術開発本部/iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム代表の日置敏昭氏が活動概要を紹介。2004年を“iVDR元年”とし、AV機器のネットワーク化や、PCのAV機器化が進む中、「大容量リムーバブル」、「高速マルチチャンネルアクセス」、「静止画/動画など多様なデータへのアクセス」、「AV/PC共通プラットフォーム」などの、iVDRの特徴が活かせる状況になりつつあると説明。 また、iVDR-Secureについても解説し、機器認証やロゴ認定プログラムなどのビジネス環境の整備にも注力していくという。 今後の部会活動として、iVDR micro規格の策定のほか、iVDRのスロットやコネクタインターフェイスを利用して、無線LANやテレビチューナなどの機能追加が図れる「iVDR 1/O」規格や、規格適合審査基準の策定を挙げた。また、アプリケーションフォーマットについても現在決定しているテレビ録画用のほか、オーディオ、ビデオカメラ、カーナビなど各用途ごとのフォーマット策定も目指していくという。
セミナーでは、日立製作所研究開発本部 ストレージ・テクノロジー研究センタ 第1部/iVDRコンソーシアム セキュリティWGの平井達哉氏が、PKIや実装方式などiVDR-Secureの詳細について解説。 また、日立製作所情報・通信グループ 戦略事業企画室 ユビキタスHDD推進センタの徳永尚文センタ長は、「ユビキタスHDD」をコンセプトとして、モバイル、家電、オフィス、公共などでのiVDRの応用例を紹介し、iVDRを利用した新事業やプロモーションを積極的に行なっていくと意気込みを語った。 セミナー会場では、日立製作所や三洋電機がiVDRを利用した応用製品を展示していた。いずれも参考展示で、具体的な製品化の予定はないが、日立のモバイルビューワなど実働している展示機も多い。 日立製作所は、チューナユニットにiVDRを利用した録画/再生機能を備えたプラズマテレビも参考展示。しかし、iVDRではCPRMなど現在用意されているデジタル放送向けのコピー制御機能を備えておらず、デジタル放送の録画は行なえない。現在、放送局や各団体、コンテンツフォルダなどとの話し合いを進めており、「iVDR-Secure」の枠組みを利用したコピー制御の方法を提案していくという。
現在企画策定中の「iVDR I/O」対応テレビキャプチャモジュールも出品。キャプチャモジュールにはMPEG-2/1のハードウェアエンコーダも内蔵している。
□iVDRコンソーシアムのホームページ (2004年4月12日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
|
|