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NTT、HD4倍解像度に対応した映像通信用一体型エンコーダ


4月12日発表

 日本電信電話株式会社(NTT)は12日、HDTVを超える解像度の「高臨場大画面(SHR:Super High Resolution)映像通信用一体型エンコーダ構成技術」を開発したと発表した。

 今までHDTV以上の映像を圧縮・伸張するには、画面全体を分割し、HDTV単位で処理する必要があった。その際、映像によっては画質にばらつきが生じる。これに対し、エンコーダ間の情報をリアルタイムにやりとりする技術を開発、画質のばらつきを防ぎ、高画質化を実現したという。

 開発したのはNTTサイバースペース研究所。同研究所では、従来よりMPEG-2ポータブルHDTVエンコーダシステムや、ポータブルHDTVエンコーダとデコーダを複数組み合わせた「高臨場大画面映像通信システム」を開発していた。2001年のサッカーW杯準決勝の模様を横浜市山下公園で伝送するなど、スポーツやライブでの実績がある。

 今回発表したのは、HDTV映像の符号化特性をリアルタイムに解析し、異なる複数のHDTV映像に最適な符号量で処理を行なう技術。これにより、HDTV以上の画像を分割して伝送して結合した場合にも、画面内でばらつきのない画質が得られるという。

 コーデックには、MPEG-2準拠の1チップHDTVコーデックLSI「VASA」を使用し、HDTVの4倍(3,840×2,160ドット)に対応。従来システムに比べ、サイズで約1/6、消費電力で約1/4に低減した。

 また、これまで複数のエンコーダを用いたシステムでは、特別の外部装置を用いない限り、複数のストリーム分かれて出力されるため、記録・再生が困難とされていた。それを今回、1本のストリームへの多重化に成功。市販のストリームレコーダなどが利用できる。

 今後は商用化を図り、高臨場大画面映像のサービス活性化を目指す。また、4月17日に米ラスベガスで開幕される「NAB(National Association of Broadcasters) 2004」に出品する予定。

□NTTのホームページ
http://www.ntt.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/news04/0404/040412.html
□関連記事
【2001年10月26日】NTT、世界初の市販PC使用HD映像リアルタイム伝送システム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011026/ntt.htm

(2004年4月12日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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