◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
ローランド株式会社は19日、ダイレクト・リニア編集が可能なDV編集専用機「DV-7DL」と「DV-7DL PRO」を発表した。5月25日にDV-7DLを発売し、DV-7DL PROの発売は夏頃を予定している。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は、DV-7DLは30万円弱、DV-7DL PROは35万円前後と見られる。 両機種の違いは、「A/Bロール編集機能」への対応。DV-7DL PROのみ同機能を搭載し、ジョグシャトル付き専用コントローラとカードリーダも付属する。また、DV-7DLはリアルタイム・クロマ・キーや傾き補正といった一部の特殊効果が省略されている。夏にはDV-7DLをDV-7DL PRO相当にする拡張キット「DL-PK-J」(オープンプライス)を発売。店頭予想価格は6万円前後の見込み。 2001年発売のビデオ編集機「DV-7」の流れを汲む製品で、ほぼすべての編集作業を再生を止めずに行なえる「ダイレクト・リニア」(ノンストップ編集)を最大の特徴としている。操作は付属のマウスとキーボードで行なう。入力はDV、S映像、コンポジット、アナログ音声などに対応。80GBのHDDを内蔵し、編集した映像はDV端子のほか、S映像、コンポジット出力でモニターできる。
従来のノンリニア編集では、基本的に再生は編集後のプレビューに限られており、編集中は、クリップの先頭などの静止画を切り貼りしてタイムロールを作成し、最後にプレビューとして動画を視聴する流れだった。 DV-7DL/7DL PROでは、クリップの選択、並び替え、再生時間の調整、タイトルやナレーションの挿入、エフェクト合成など、ほとんどの作業を再生しながら行なえる。音楽シーケンスソフトの感覚をビデオ編集ソフトに応用したとし、これにより、試行錯誤がやりやすくなり、制作効率も劇的に短縮できるとしている。 また、DV-7DL PROには、同社が世界初という「A/Bロール編集機能」を搭載した。A/Bロールは、2本のカメラで同時撮影した映像を切り替えながら編集する手法で、2本同時に流しながら付属の専用コントローラを操作すると、AからB、またはBからAへと合成しながら切り替わっていく「ダブルエクスポージャ」が可能になる。
さらに、デジタルカメラなどで撮影した静止画を取り込み、静止画からズーム、パン、照明効果などを付加した動画映像を作成する機能を装備。効果にはプロカメラマンの撮影ノウハウをプログラムしている。 そのほか、14種類のリアルタイム効果(DV-7DLは11種類)、36種類の特殊効果(DV-7DLは29種類)を装備。22書体を搭載したタイトラーや、3段階の自動バックアップ機能などを採用する。 DV端子は2系統搭載。そのほかの入力端子として、S映像、コンポジット、アナログ音声、マイクを各1系統備えている。出力端子は、S映像、コンポジット、音声、PHONES、ディスプレイ出力(アナログRGB)を1系統ずつ装備する。本体部の外形寸法および重量は、360×420×130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は8.5kg。
ブランドはエディロールで、ビデオ系機器を扱う子会社、ローランド・イーディー株式会社が開発・製造・販売を担当する。今後は、映像分野の経営資源を集中し、今回の製品がその第1弾になるという。 ローランドの檀克義社長は、「'94年に『ビデオくん』、2001年にDV-7を発売し、ビデオ編集の楽しさを提供できたと思う。今後は、映像をグループの新しい柱としたい」と述べた。また、静止画の編集機能については「伸張著しいデジタルカメラのマーケットも取り込みたいという想いから装備した」とコメントした。 また、映像作家の大林宣彦氏は、DV-7DLについて「ダイレクト・リニアには、古い伝統(リニア)と新しい技術(ノンリニア)の対話がある。対話の心は相互理解につながる。効率化だけを目指してきたこれまでと違い、21世紀は対話の世紀。死んだ世界の静止画をつむぐのではなく、生きた映像の世界をつむぐという意味で、DV-7DLの編集は感覚的な編集といえる」とのコメントを寄せた。
□ローランドのホームページ (2004年4月19日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
|
|