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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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日本ビクター株式会社は20日、テレビ向けの映像処理LSI「GENESSA」(ジェネッサ)の開発を発表した。自社製のプラズマテレビ、液晶ディスプレイなどに採用する予定で、搭載モデルは2004年夏より順次発売する予定。
今回発表されたGENESSA(JCC5057)は、入力された映像をリアルタイムでガンマ補正を行なう「インテリジェントγ」、および色再現処理の「カラークリエーション」などで構成された映像処理LSI。リアルタイム処理のため、映像処理LSIとして初めて32bitのCPUを内蔵した。 パッケージは208ピンのBGP。量子化ビット数は10bit(最大14bit)。スケーリングやIP変換については、従来通り、別チップのDET(Ditigal Emotional Technology)」が担当する。 インテリジェントγは、シーンごとの階調をフレーム単位で分析し、シーンにあわせた補正を動的に行なう技術。建物の影の階調を持ち上げながら、雲の白ピークを維持するといった、コントラスト感の向上を図る。こうした補正は、プレーヤーやディスプレイを調整することでユーザー側でも可能だったが、シーンが変わると最適な設定から外れることが多かった。また、レベル適応型誤差拡散のパネルディスプレイを内包し、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの出力先とのマッチングも行なうという。 さらに、従来の数パターンから、シーンごとの解析を約200万パターンに増加している。抽出する要素は、明暗の大小、平均値、分布、変化量など。そこから得られた階調情報をもとに、映像信号に含まれる階調を増やす。「ディスプレイの限られたレンジ内で、自然界に存在する無限大の階調に近づける」のが目標だという。
カラークリエーションは、表示デバイスごとに異なる色再現領域を補正し、発色を記憶色に近づける役割を持つ。赤・緑・青・黄・肌色の独立補正に対応し、従来機種で搭載していた「DCC」(デジタルカラークリエーション)」を内包したものという。 そのほか、適応型APL(画面平均輝度)補正、適応型振幅補正、LCDバックライト制御、RGBプロセッサ機能などを内蔵している。 発表会では、GENESSAを搭載した試作機と従来パネルの42V型プラズマテレビを並べ、インテリジェントγの効果をデモンストレーションした。暗部がつぶれがちな従来パネルに対し、試作機では、暗部階調をしっかりと引き出していた。同時に、明部も白飛びを抑えながらピーク感を維持していた。
また、競技場の芝生など、細部の解像が高まっているのも特徴。エンハンサなどでエッジを強調しているのではなく、ベースバンドの持つ階調を増やすことで、リンギングを伴わない自然な細部描写が可能になったという。 挨拶に立った技術統括部長兼商品企画部長の並木康臣氏は、「今後、欧州、米州、アジアのすべての自社製テレビにGENESSAを搭載する。プラズマテレビ、液晶テレビ、HD-ILA(リアプロジェクションテレビ)などに適用し、2006年には全世界3,000億円の売上をディスプレイで達成したい」とした。 なおGENESSAは、遺伝子(gene)とルネサンス(Renaissance)を組み合わせた造語。外販は予定せず、当面、同社製の26型以上のフラットパネルテレビに搭載される見込み。店頭やテレビCMなどでGENESSAの搭載を訴求し、「“映像知能”GENESSA」のコピーで周知を図るという。同社広報部は「映像処理LSIにニックネームをつける流行は、最近では当社の『DET』が始まり。今年は“エンジン”ではなく“知能”でテレビを選ぶ時代」と自信を見せた。 □ビクターのホームページ [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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