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松下、2003年度の営業利益は5割増し
-サムスンと戦う準備はできている


中村邦夫社長
4月28日発表


 松下電器産業株式会社は28日、2003年度の決算概要と、2004年度の年間見通しを発表した。2003年の売上高は前年同期比101%の7兆4,797億円。税引前利益は同248%の1,708億円、営業利益は1,955億円(同154%)、純利益は421億円となり、増収増益を達成した。なお、この数値は2月に発表された修正見通しから売上、営業利益ともに上回る実績となっている。

2003年度の決算概要

 中村邦夫社長は「全セグメントで売上の増加を実現し、IT景気のピークだった2000年の実績も上回った」と好調をアピール。その要因についてDVDレコーダやプラズマテレビなど、デジタルAV機器製品の堅調ぶりを挙げ、その中核となる「V商品」を今年も71品目投入し、売上で1兆5,000億円を目指す計画を明らかにした。

 商品部門別の売上をみると、全体の50%を占めるAVCネットワーク(映像・音響機器、情報・通信機器)が3兆6,241億円(同103%)と堅調。AVCネットワークの映像・音響機器は1兆4,181億円(同101%)、情報・通信機器は2兆2,060億円(同104%)。その他(7,214億円、105%)も増収となった。

V商品の実績

 中村社長が「成長エンジン」と語るV商品は、90品目が投入され、合計売上は1兆2,400億円を達成。ブランド別の金額的国内シェアもパナソニックが21.8%、ナショナルが22.5%を占めた。「他社の平均伸び率よりも高く、白物家電は1人勝ちと言っても良い状態」(川上徹也常務取締役)だという。

 V商品の52%を占めたAVCネットワーク部門では、プラズマテレビや携帯電話、、カーエレクトロニクスなどが好調。「DVDレコーダも好調だが、昨年末に同業他社にシェアを一時抜かれた。しかし、3月投入したDIGAシリーズで取り返している」(川上常務)と話す。一方、アナログのCRTテレビや据置きビデオ、オーディオなどが価格低下の影響で不調だったという。

営業利益の分析

 営業利益については、価格低下や為替の影響が大きかったが、固定費の削減や売上の増加、合理化などの好材料でカバーして1,955億円を達成。なお、これには営業外損益である厚生年金の代行返上益722億円も大きく影響しているという。

 2月に増加を表明していた構造改革費用は、当初の500億円から約920億円に増加。AVCネットワークで約90億円、アプライアンスで480億円、デバイスなどで350億円となった。だが、中村社長は「大きな構造改革は2004年で終結する」と述べ、「今後は改革が生み出す成果に期待してほしい」と費用対効果への自信を見せた。

 なお、地域別の販売実績では、国内が前年同期比101%だったのに対し、米州が93%、欧州が108%、アジアが99%、中国が115%となった。成長が著しい中国について中村社長は「製造拠点としてだけでなく、市場としても急速に成長している。円換算すると年収1,500万円以上の、日本で言えば億万長者と言える人口が推定4,000万人いる。こうした層にプラズマテレビなど、最新のデジタル機器がどんどん売れており、松下としても最新・高級な機器を積極的に売り込んで行きたい」と語る。

デジタルテレビやDVD、SDメモリーカード関連商品の売上推移

 国内の年間見通しについては、売上高を8兆8,000億円(同118%)、営業利益を2,800億円(同143%)、純利益を630億円(同149%)と予想。中村社長は「アテネオリンピックも控えているため、プラズマテレビやDVDレコーダなどを積極果敢に展開したい。また、DVDレコーダで成功を収めた世界同時垂直立ち上げの分野を増やし、グローバル企業としてもナンバーワンを目指す」と語り、PAVC社で売上1兆3,000億円(同108%)、営業利益450億円(同157%)を掲げた。

 さらに、同氏は23日に発表された松下電工との協業についても触れ、「お客様に快適な生活や、住居空間を提供するための協力。一刻も早く最適な体制を構築して共同シナジー効果発揮し、アプライアンス面などで圧倒的な力を持ったナショナルブランドを構築していきたい」と抱負を語った。

 なお、中村社長は、アジアや北米などで急成長しているサムスンについて質問されると「強敵だと感じているが、プラットフォーム技術の面では松下を始め、日本のAVメーカーのほうが数段上だという自負があり、極めて大きな強敵とは感じていない。ハイエンドや中級、最先端技術を投入した製品では十分に勝算を持っており、戦う準備はできている」とした。


□松下電器のホームページ
http://matsushita.co.jp/
□ニュースリリース(2003年度 連結および単独決算概要)
http://matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040428-1/jn040428-1.html
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(2004年4月28日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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