◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
2003年におけるCD-Rの世界生産量が100億枚を突破
-CDs21が記念パーティー、累計300億枚で地球を一周


世界で初めて販売されたCD-R。中島平太郎会長のサインが入っている
5月10日発表


 CD-R/RWを中心に、CD規格に関する標準化やビジネスモデルなどを推進しているCDs21ソリューションズは10日、2003年におけるCD-Rの世界総生産量が100億枚を突破したと発表した。

世界生産量の内訳

 試算された総生産量は約104億枚。生産地域別の内訳は、アジアが89%の約92億5,000万枚で最も多く、次いでヨーロッパが9億4,000万枚で9%、アメリカが2億1,000万枚で2%を占めている。なお、アジア地域を内訳は、台湾が52%で最も多く、次いで中国を含むその他の地域が18%、インドが11%、日本は8%となっている。

 104億枚という数字は、CDs21ソリューションズが参加会員へのアンケートとヒヤリングから得た調査結果と、複数の調査会社に依頼して得られた調査結果から導き出されたもの。会員へのアンケートでは約104億枚、調査会社からは約80~140億枚という結果になったため、100億枚を突破したと推定したという。なおCD-R1枚の厚みを1.2mmとすると、100億枚で1万2,000kmとなり、地球の直径に相当。累計生産量の300億枚では、地球一周分に相当するという。

中島平太郎会長

 同団体の中島平太郎会長は、CD-Rが初めて登場した当時を振り返り「DATが登場した時もそうだったが、CD-Rは音楽ソフトウェア各社からコピーが蔓延してしまう技術として大きな批判を浴びた。'89年の6月に初めてCD-Rを販売した時、1カ月に27枚しか売れず、どうしようかと途方に暮れたこともあった」という。

 だが、「CD-ROMの普及を突破口にし、CDとCD-Rの共存共栄を目指して頑張った結果、100億枚という素晴らしい目標の1つを達成することができた。これは、書き換え型が主流だった従来のメディアに対し、ライトワンスの追記型メディアが主流になるという文化革命であり、新たなユーザーニーズの開拓でもある」と成果を強調。「今後はDVDやブルーレイなど新たなメディアが普及していくだろうが、R型(追記型)のメディアが主流になるだろう」と予測した。

 なお、100億枚という記録を達成できた理由について同団体は、「既に普及している音楽CDや、CD-ROM、ビデオCDとの互換性」、「1枚あたり50円程度という低価格」、「48倍速まで規格化された高速性」などを挙げ、「メディアやドライブメーカーの絶え間ない努力が実った結果」(井橋孝夫幹事会議長)と分析している。

他のメディアとCD-Rの市場規模比較。'98年頃から急激に伸びていることがわかる。なお、1ビットの記録に必要な単価でも、2005年にはテープメディアより安くなると試算されている 井橋孝夫幹事会議長

 総生産量は年率8~10%程度の伸び率となっており、2002年には70~80億枚、2004年は110億枚程度を見込んでいる。ただし、日本市場の伸び率は鈍化しており、「前年比100~105%程度になるだろう」(井橋氏)という。

 CDs21ソリューションズは、CD-ROMを推進していたマルチメディアCDコンソーシアムと、CD-R/RWを推進していたオレンジ・フォーラムが合併し、発足した団体。4月現在の会員数は68社で、国内では家電メーカーを中心にソフトハウスまで47社、海外でも台湾や韓国、中国などから21社が参加している。主にCD-R/RWの普及促進活動を行なっており、互換性試験や寿命テスト、規定策定、環境問題に関する勉強会なども行っている。

発表会後には100億枚突破を祝うパーティーも開催され、会場には太陽誘電が開発したマスタリング専用の「SPMPT CD-R」。リコーが開発した、CD-Rのディスク上にCD-ROM部を形成した「Hybrid Disc」などが展示された CD-Rを積み重ねたスピーカーも飾られていた


□CDs21ソリューションズのホームページ
(5月10日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.cds21solutions.org/
□関連記事
【2003年4月18日】CDの普及に貢献した人物団体に贈られる「中島平太郎賞」創設
-第1回受賞者はCD-R開発者4名
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030418/cds.htm

(2004年5月10日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.