松下、新パネル搭載50/42/37V型プラズマTV「VIERA」 －2,048階調、36億色表現を実現。SDカードにMPEG-4録画も

左からTH-37PX300、TH-42PX300、TH-50PX300

6月発売 標準価格 ： オープンプライス 連絡先 ： お客様ご相談センター Tel.0120-878-365 Tel.06-6907-1187

　松下電器産業株式会社は、フラットディスプレイテレビ「VIERA」の新製品として、計13機種を発表した。そのうち、プラズマテレビ「PX300シリーズ」は、50V型「TH-50PX300」、42V型「TH-42PX300」、37V型「TH-PX300」の3機種を6月1日に発売する。

シリーズ名	型名	画面サイズ	搭載チューナ	店頭予想価格	発売時期
プラズマテレビ PX300シリーズ	TH-50PX300	50V型	地上/BS/110度CSデジタル 地上アナログ	90万円前後	6月1日
	TH-42PX300	42V型		66万円前後
	TH-37PX300	37V型		56万円前後

■ 新パネル、新ドライバ、新プロセッサを搭載

　2003年秋に発売した「PX20」シリーズの後継シリーズで、チューナ一体型のプラズマテレビ。高効率放電ガスを新たに採用した新「PEAKSパネル」を搭載。PX20シリーズに比べて明るさを10%向上させたという。さらに消費電力の10%カットを実現。パネル寿命は6万時間としている。

　パネル解像度はTH-50PX300が1,366×768ドット、TH-42PX300が1,024×768ドット、TH-37PX300が1,024×720ドットとなっている。

高画質システム 新「PEAKS」

　今回は、PEAKSパネルに加え、新設計になった「PDP PEAKSドライバー」、「PEAKSプロセッサー」の3つを総称し、「高画質システム 新『PEAKS』」を謳う。

　このうち「PDP PEAKSドライバー」は、「NEWアドバンスト リアルガンマ」、「ビビッドカラークリエーション」、「サブピクセルコントローラー」、「モーションパターンNR(ノイズリダクション)」、「リアルブラッククリエーション」などで構成するデジタル変換処理部。

NEWアドバンスト リアルガンマ

　従来の「アドバンスト リアルガンマ」の低輝度部分の表現を改善したもので、RGBごとに最大2,048階調、計36億2,000万色を実現(従来1,536階調、10億7,000万色)。

　暗部階調の表現も細かくなり「黒つぶれがなく、暗いシーンもしっかり表現する」という。

ビビッドカラークリエーション

　PX20から搭載しているカラーマネジメント機能の一種で、従来の2次元(色差平面)に対し、輝度を加えた3次元色空間での補正に変更した。色合いに加えて明るさを独立で補正することで、より細かい調整が可能になったという。

　特に、自然な肌色の再現と鮮やかな空や芝生など、記憶色の再現が可能としている。

サブピクセルコントローラー

　従来のシャープネス処理「2次元エンハンサ」に加え、高い空間周波数での鮮鋭感を増すために開発。PXシリーズではR=1ドット、G=1ドット、B=1ドットの3ドット単位でエンハンスしていたものを、1ドット単位で処理する。

　従来に比べて3倍の精度で制御するため、水平解像度が30%向上するという。

モーションパターンNR

　動画の疑似輪郭ノイズを低減するためのアルゴリズムで、動きパターンを自動検出することで、ノイズ減を割り出しと処理を行なう。

　スポーツ中継などの動きの大きなシーンでもクリアな画像が楽しめるという。

リアルブラッククリエーション

　従来モデルから搭載している技術で、「リアルブラック駆動」と「ディープブラックフィルター」からなる黒表現とコントラストに関する技術。

　リアルブラック駆動は、予備放電の発光を低減することで深みのある黒色を表現、コントラスト3,000：1(周囲光なしの暗所コントラスト)を実現した。ディープブラックフィルターは前面保護ガラスに施した光透過を低減するフィルターで、映りこみを抑え、黒の再現性を高めるという。

　なお、PEAKSプロセッサーは266MHz駆動から350MHz駆動の新LSIに変更し、チャンネル選局で約20%、EPG表示で約30%、Tナビ動作時間で約20%の高速化に成功。さらに、従来と同じくIP変換の「デジタルシネマリアリティ」、ノイズ処理の「マルチシグナルNR」などを装備する。

■ SDメモリーカードへのMPEG-4記録に対応

　そのほか新機能としては、SDメモリーカードへのMPEG-4録画機能が加わった。なお、録画できるのは地上アナログ放送のみとなっている。記録はMPEG-4(ASF形式)で行ない、SV-AS10以外のD-SnapやP900i、P505iなどで再生できる。SDメモリーカードスロットは従来モデル同様、前面に搭載。さらに、リモコンにはカード内にアクセスするための専用ボタンが設けられた。

　MPEG-4による録画モードは、「エクトストラファイン」(320×240ドット、30fps)、「スーパーファイン」(320×240ドット、15fps)、「ファイン」(320×240ドット、12fps)、「ノーマル」(176×144ドット、12fps)、「エコノミー」(176×144ドット、6fps)を選択可能。256MBのSDメモリーカードにそれぞれ、約23分、約35分、約1時間33分、約2時間20分、約10時間10分記録できる。1GBのSDメモリーカードにも対応。

　また、国内向けテレビとしては初めてHDMI(High-Definition Multimedia Interface)入力端子を装備。専用ケーブルは付属しない。オプションとして同時に投入する予定もなく、「対応機器の発売も含め、今後検討したい」(松下電器)としている。

前面にSDメモリーカードスロットを装備	扉内の前面端子。配置や種類はPX20シリーズと同じ	NEWパワーリモコンには「メモリーカード」ボタンを新設

背面の入出力端子部	一番右にHDMI入力端子を装備

　デザインも直線を基調とした「フラットサーフェスデザイン」にリニューアルし、スピーカーは画面の左右に計8個のスリムスピーカー、下部に2個のウーファを搭載する。総合出力は26W。

　地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載し、G-GUIDEによる地上アナログ用のEPGも装備。Irシステム端子により、番組タイトルなどの情報をDIGAに連動させる機能も搭載する。テレビ向けインターネットサービス「Tナビ」にも対応。

　入出力端子の仕様は3モデルで共通。映像入力は、HDMI×1、D4×2、S2映像×3、コンポジット×4、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1を装備。i.LINK×2、S2モニター出力×1、コンポジットモニター出力×1や、光デジタル音声出力、ヘッドフォン/イヤフォン、ファイミリーイヤフォン、Ethernetなども備えている。SDメモリーカードスロットに加え、PCカードスロットも搭載。PCカードスロットは、デジタルカメラの画像の読み込みのみに対応し、MPEG-4録画には対応してない。

　外形寸法は、50PX300が1,327×98×843mm(幅×奥行き×高さ)、42PX300が1,138×98×730mm(同)、37PX300が1,038×98×670mm(同)。重量は順に、53kg、40kg、35kg、消費電力は475W、355W、295W。

(2004年5月10日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]

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