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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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日本ビクター株式会社は18日、ハイブリッドレコーダ「快録LUPIN」(かいろくルパン)シリーズ3機種の発売を発表した。価格はいずれもオープンプライス。
VHS+120GB HDD+DVDマルチドライブ搭載の「DR-MX1」が7月下旬の発売。店頭予想価格は113,000円前後と見られる。 250GB HDD+DVDマルチドライブのハイブリッドレコーダ「DR-MH50」も7月下旬に発売。店頭予想価格は116,000円前後の見込み。 160GB HDD+DVDマルチドライブのハイブリッドレコーダ「DR-MH30」は、6月中旬の発売予定。店頭予想価格は84,000円前後と見られる。
全機種ともDVD-R、DVD-RW、DVD-RAMへの記録が可能なDVDマルチドライブを搭載。DVD-RWはVRフォーマット、ビデオフォーマットの両方に対応する。ドライブの最大記録速度は、DVD-Rが4倍速、DVD-RWとDVD-RAMが2倍速(DR-MH50のみDVD-RAM3倍速)。HDDからDVD-RW、DVD-RAMへのコピーワンス番組のムーブにも対応している。 なお、カートリッジタイプのDVD-RAMを利用できるのはMH50のみで、他の2機種はカートリッジから取り出して使用する。 いずれもCATV対応の地上アナログチューナや、D2出力端子やDV入力端子を搭載。CD-R/RWに記録したMP3、JPEGファイルも再生できる。
■ ダビング時に2パス目のエンコードを開始 新搭載の「インテリジェント2パスエンコード」は、HDDへの録画を1パス目、HDDからDVDへのダビングを2パス目と捉えたもので、ダビング時に映像ビットレートの再配分を行ない、高画質化を図る技術。再エンコードとなるが、エンコード時にIフレームとPフレームは固定することで劣化を抑えている。また、再配分により、ビットレートの減少するシーンについても、「最低限、元の画質を維持するよう配慮した」という。 インテリジェント2パスエンコードによるダビング速度は、実時間(等速)になる。インテリジェント2パスエンコードをオフにして、高速ダビングを選択することも可能。なお、インテリジェント2パスエンコードと高速ダビングは、HDDからDVDにのみ使用可能。DVDからHDDへのダビングは、インテリジェント2パスエンコード、高速ダビングは行なえず、再エンコードダビングになる。 ビクターはDVDビデオのパッケージ製作も行なっており、開発には同社のオーサリング担当者が参加した。なお、1パス目をSP以下の低ビットレートで録画すると、効果は薄れるという。
カット編集時には、GOPを再構築する「フリーズレスダビング」に対応。シーン削除後においても、シーン残り、シーン欠如が発生しない。 「Super MPEG-2 Encode Pre-Processor」は、入力信号信号に適用する「Super MPEG-2 Encode Pre-Processor」と、再生時の「Super MPEG-2 Post-Processor」の2種類からなる高画質化技術。 Encode Pre-Processorには、3次元YC分離、デジタルワイドTBC、フレームシンクロナイザー、モーションアクティブノイズリダクションを配置。入力信号を「最大限に精錬処理」(同社)することで、MPEGエンコードの効率を高めるという。また、Post-Processorにはモーションアクティブプログレッシブ、ブロックノイズリダクション、3次元ノイズリダクション(YNR/CNR)、3次元スーパーカラー、アダマール(モスキート)ノイズリダクションといった回路で構成されている。 そのほか、63段階のマニュアルモードを搭載。DVD3時間モードでも縦480ドットを維持することから、「連続1時間ドラマ21話をS-VHS相当の画質で録画した場合、他社の11枚に比べて7枚に抑えられる」(ホームネットワーク商品企画室ホームストレージグループリーダー 長久淳一氏)ことを強調している。音声形式はドルビーデジタルで、最高レートのモードのみPCMで記録可能。 そのほか、番組サムネイル画面の「再生ナビ」が強化され、「モーションサムネイル」を採用した。サムネイルを選択すると、従来ライブ映像を表示していた左上の小画面で簡易再生を行なう。 また、DR-MH50とDR-MX1の2機種には地上波EPG「G-GUIDE」を採用。さらに独自の「番組お知らせ機能」を追加している。事前にキーワードやジャンルを登録すると、合致した番組をリストアップする。さらに、最大120分の「スポーツ延長機能」も利用できる。
■ トリプル機は6WAY相互ダビングに対応。1.5倍早見再生も
DR-MX1は、VHS、DVD、HDDの6WAY相互ダビングが可能。VHSからDVDへのダビング時には、無記録部分でDVD側を一時停止させる「オートブランクカットダビング」を利用できる。DVD-R/RW/RAMのすべてで使用可能。また、VISS信号を元にタイトルを分割する「自動タイトル作成機能」も搭載している。どちらもVHSからHDDへのダビング時には機能しない。 HDD/DVD部とVHS部のそれぞれに地上アナログチューナを搭載。HDD/DVD、VHSの2チャンネル同時録画が行なえる。予約方式は、HDD/DVDがEPG、VHSがGコード。 また、最大600枚、2,000タイトル分の「DVDライブラリーナビ」機能を装備。DVDへダビング済みの番組をディスクを挿入することなく検索できる。 そのほか、最大3時間分のタイムシフトや、1.5倍速の音声付き早見再生(HDDのみ)を搭載。DR-MH50が装備するGRTは備えていない。S-VHSの解像度を保ったままダビングする「S-VHSダビング」機能も搭載する。
DR-MH50は、250GB HDDを搭載したハイブリッドレコーダ。DR-MX1のHDD/DVD部と基本機能は同等だが、GRTを装備している。搭載する地上アナログチューナは1基。なお、Gコード予約には対応していない。 160GB HDDのDR-MH30は、ハイブリッド機のベーシックモデルという位置付け。DR-MH50から、G-GUIDE、GRTを省略している。外観はMH50とほぼ同じ。また、本機のみHDD/DVD部のGコード予約に対応する。
■ 光ディスク事業は「最重点事業」
技術統括部長兼商品企画部長の並木康臣氏は、「今年はアテネ五輪が開催され、6月にはサッカーユーロカップも開幕する。どちらもヨーロッパなので、時差の関係から日本では録画して視聴する人が増えるだろう」と市場への期待を語った。2004年の国内市場を350万台とし、そのうち、単体機が21万台、ハイブリッドが233万台、VHS+DVDが64万台、VHS+DVD+HDDのトリプル機が32万台と説明した(JEITA予測ベース)。 また、今回の3機種のコンセプトについては、マルチドライブによる「互換性」、インテリジェント2パスエンコードによる「高画質」、EPGやモーションサムネイルなどの「利便性」を挙げ、「安心、便利、高画質」を訴求していくという。 なお「快録LUPIN」のネーミングは、「聞き覚えがあり、親しみやすく、一度聞けば頭に残るネーミング」をコンセプトに、モーリス・ルブランの小説の主人公、アルセーヌ・ルパンから採ったという。単なる泥棒ではなく、「盗みの美学」のこだわりを持つ彼にちなみ、「盗る」→「録る」をもじってつけられた。なお快録LUPINシリーズには、今回の3機種に加えて発売済みの「DR-MF1」、「DR-MV1」、「DR-M10」の3機種も含まれる。 また、同社が行なった「将来購入した録画機器」を聞くアンケートでは、23.8%の票を集めた1位のハイブリッド機に続き、VHS+DVD+HDDのトリプル機が13.2%と2位に付けたことを報告。VHS複合型が支持が高いを得ていることを強調した。 光ディスク事業においては、同社と同社グループによるバリューチェーンを敷けることをアピールした。具体的には、光ピックアップ、モーター、ソフト開発などの内製、ディスプレイ、DVカメラ、ホームシアター機器、カーAVといった他の製品へのシステム商品展開、ブランクメディアやパッケージメディアの製作などを挙げた。 そのため、光ディスク事業をディスプレイ事業とともに最重点事業と位置付け、2006年度には、ディスプレイ事業で3,000億円、光ディスク事業で1,000億円の売上を目指すという。
□ビクターのホームページ (2004年5月18日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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