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アップル、iPod Photo/iPod U2 Special Editionの説明会を開催
-iPod PhotoやU2との協力関係を解説。iTMSの年内開始は困難か


iPod U2 Special Editon(左)とiPod Photo(右)

11月1日開催


 アップルコンピュータ株式会社は、11月上旬より発売予定のカラー液晶搭載iPod「iPod Photo」と11月中旬より発売予定の「iPod U2 Special Edition」の説明会を開催。iPod Photoの機能の概要やU2とAppleのパートナーシップについて解説した。

 iPod Photoは、カラー液晶やフォトビューワ機能を搭載し、40GBモデルと60GBモデルが用意される。今週より発売予定で、価格は57,540円(40GB)/70,140円(60GB)。「iPod U2 Special Edition」は人気ロックバンド「U2」のスペシャルモデルで20GB HDDを搭載。ボディカラー以外のハードウェア仕様は従来の第4世代iPodと共通で価格は40,740円。

米Apple 前刀禎明マーケティング担当バイスプレジデント

 米Apple マーケティング担当バイスプレジデントの前刀禎明氏はiPodの戦略を解説。前刀氏は「“Goodbye MD”をキーワードに世界でもまれなMD市場にiPodで革命を起こした」と切り出し、昨今のiPod/iPod miniの市場での成功について説明。

 特にiPod miniの発売以降、「いつでも身に着けたいと思わせる“エモーショナルなもの”として、ファッションの分野などでも注目された」と、テクノロジ業界にとどまらないiPodの人気を紹介しながら、ミュージックプレーヤー市場の拡大について解説。また、アクセサリの豊富さにも言及し、「ルイ・ヴィトンもiPodのケースを発売している。こうした老舗のブランドは自社のブランドを大事にし、新分野への対応が遅いといわれる。iPod用ケースが発売されたということは、iPodがデファクトスタンダードになった証明だ」と語った。

ルイ・ヴィトンのiPodケースなど周辺製品も充実 デジタルプレーヤー市場でトップを走るiPod/iPod mini 米国の“iPod Store”では用途別の活用を提案

 また、ウォールストリートジャーナルの記事を例にとり、iPod/iPod miniの最大アドバンテージは「使いやすさ」とアピール。日本での競合製品については、「カラーバリエーションを持つ製品が増えている。例えば(ソニー NW-HD2や東芝 gigabeat Fなど)シルバー、ブルー、ピンクといった製品ラインナップは正しい選択だ。iPod miniのカラー別の売れ行きもシルバー、ブルー、ピンク、グリーン、ゴールドの順番で、正しいカラーを3色選択している。しかし、見かけ上は似ていても、使い勝手やトータルソリューションとしては追いついていない。なにより見た瞬間に“かわいい”とか、“格好いい”と感じるエモーショナルな訴えかけはまだまだiPodに足りない」と他社製品と比較しながら、iPodのアドバンテージを語った。

ウォールストリートジャーナルの記事を例に引き、iPodの使いやすさをアピール 競合製品にはカラーバリエーションが増えている

米Apple Stan Ng氏

 また、現在Appleには、「iPodディビジョンがあり、Macと並んで大きな柱となっているが、立ち上げたときはたった2人のチームだった」と語り、iPod立ち上げメンバーの一人であるDirector of iPod Product Marketing Worldwide Product MarketingのStan Ng氏を紹介した。

 Nu氏は、「2001年のiPod発売以来、デジタルミュージックの世界は大きく変わってきた。前四半期の出荷台数は200万台を超えた。これは、PDAの世界市場の実績よりも多く、現在、世界中の大都市のどこでも白いイヤフォンをしたiPodユーザーを見つけることができる。車でも外出先でも、デパートのウィンドウディスプレイでも見つけることができる。多くの人々の音楽の聴き方を変えた」とこれまでのiPodの歩みを振り返った。


iPod Photo iPod Photoのコンセプト「Share Your Life Anywhere,Anytime」

 「では、次は何か? 多くの企業はビデオと考えて投資している。しかし、ビデオをポータブルビデオデバイスに転送するにはたくさんの課題がある。現在最も普及しているビデオパッケージはDVDだが、DVDの映像を直接ポータブルデバイスに転送するのは非合法だ。一方写真に注目してみると、デジタルカメラは家電製品のトップセラーで、デジタルカメラの登場により、いろいろな方法で写真を扱え、見せることができるようになった。だが、いままでフォトライブラリをポケットにいれて持ち運ぶ方法はなかった。それを解決するのがiPod Photoだ」とビデオでなく写真にフォーカスしたiPod Photoの企画意図を解説した。

 また、Ng氏は具体的な事例として、「昨日東京に飛行機で来るときに、隣の人に家族のことを聞かれた。そこでiPod Photoを出して2才半の娘の話をした。長時間のフライトなので2年半の写真全て、約3,700枚を収納してきた。隣の人は200枚ぐらい見せたら“もういいよ”となったが、自分の娘の話ができたのは満足で、全ての写真を持っていられるのは大変幸せ。思い出と一緒に生きることができる、それを友人や家族に見せることができる」とiPod Photoの魅力を熱弁した。


第4世代iPod 20GB(右)との比較。カラー液晶は高精細化も測られている。4.5mmほど厚くなっている
サムネイル表示画面 iPhotoと連携 新Dockにはライン出力兼用のAV出力のほか、S映像出力も装備する。

付属のDockとケーブルでテレビ出力も可能

 また、サムネイル表示やスライドショーなどのフォト関連機能やテレビ出力機能について解説。写真の転送については、iTunes 4.7を介して、Macintoshの「iPhoto」やWindowsのPhotoshop Elements/Photoshop AlbumのライブラリとのAuto-Syncに対応するのほか、任意のフォルダを指定してのフォトデータ転送にも対応するという。

 なお、iPod Photoの対応フォトフォーマットはJPEG/BMP/GIF/TIFF/PNGで、Auto-Syncなどを行なうと、iTunes上でiPod Photoの220×176ドット液晶に最適化したデータとサムネイルデータ、テレビ出力用データを作成。iPod Photo上で再生する時やテレビ出力時には、それらの専用データを用いて再生する。専用データは1ファイルあたり800KB程度の独自形式とのこと。


 また、iPod用のメモリーカードリーダなども発売されているが、iPod Photoでは専用のデータを表示しているため、カードリーダからデータを読み込むことはできても、それらのデータをiPod Photo上やテレビ出力して見ることはできない。

サンノゼで26日開催された発表会にU2のメンバーも参加

 iPod U2 Special EditionについてNg氏は、U2とのパートナーシップを強調。「U2は高額のCMオファーも断ってきた。しかし、彼らはデジタルミュージックの時代の変化を捉え、Appleがデジタルミュージックのリーダだと信じていた。U2 Special Editionはデジタルミュージックの時代のパートナーとして協力した製品だ」という。

 また「U2と非常に緊密に話をした結果生まれた。ブラックとレッドのボディカラーはバンドのアイデンティティを示している」という。背面にメンバーのサインを刻印するほか、ポスターも付属する。

 また、今回のU2との協力により、米国のiTunes Music Store(iTMS)ではU2の新曲「Vertigo」やニューアルバム「How to Dismantle an Atomic Bomb」を11月下旬より独占配信。さらにU2の楽曲を400曲以上収録した初の“デジタルボックスセット”「The Complete U2」も米国と欧州のiTMSで販売。U2 iPodを購入すると50ドル分のThe Complete U2購入用クーポンが付属する。

 「なぜU2なのか?」 との質問については、「もっともポピュラーで影響力があるバンドのひとつで、さらに新しいデジタルミュージックに積極的に取り組んでいる。時代を変えていこう姿勢がある。今回のパートナーシップは単なるCMでなく、CMへの出演料はゼロだ。共同で時代を進歩させていこうという取り組みだ」という。

 U2以外のアーティストとのコラボレーションについては、「可能性はあるが、現時点では何も決まっていない」とした。

iPod U2 Special Edition 背面にメンバーのサインを刻印 ボディカラー以外の仕様は従来の第4世代iPodと共通

 前刀バイスプレジデントは、新製品の発売について「iPod Photoの受注の感触は非常によい。iPodのマーケットシェアの50%キープは間違いなく、HDDだけでは7~8割と思われる。しかし、MDを含めると現在のシェアは20%程度。われわれはポータブルオーディオプレーヤーのナンバーワンを目指していく」と意気込みを語った。

 なお、iTMSの日本展開については、「特にお伝えすることは無い」(前刀VP)とのこと。スティーブ・ジョブズCEOが年内のスタートを予告したのでは? との質問については、「あくまで2004年“にも”始めたいというコメント」とのことで、年内のiTMSスタートは困難との見通しを示した。


□アップルのホームページ
http://www.apple.com/jp/
□製品情報(iPod Photo)
http://www.apple.com/jp/ipodphoto/
□製品情報(iPod U2 Special Edition)
http://www.apple.com/jp/ipod/u2/
□関連記事
【10月27日】米Apple、カラー液晶搭載の40/60GB「iPod Photo」
-フォトビューワ/テレビ出力機能などを装備
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041027/apple1.htm
【10月27日】アップル、iPod Photoの日本出荷を11月上旬より開始
-40GBモデル57,540円、60GBモデル70,140円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041027/apple2.htm
【10月27日】アップル、黒塗りのiPod「iPod U2 Special Edition」
-背面にU2メンバーのサイン入り。40,740円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041027/apple3.htm

(2004年11月1日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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