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ヤマハ、音質改善とシネマDSP対応を強化したエントリーAVアンプ
-4万円台の入門機や自動音場補正「New YPAO」搭載機など


DSP-AX757(右)、DSP-AX557(中央)、DSP-AX457(右)

3月下旬より順次発売

標準価格:「DSP-AX757」78,750円
      「DSP-AX557」66,150円
      「DSP-AX457」47,250円


 ヤマハ株式会社は、エントリークラスのAVアンプシリーズのラインナップを一新。3モデルを3月下旬より順次発売する。

 自動音場補正機能を搭載した上位モデル「DSP-AX757」と、ビデオコンバージョン機能を搭載した中位モデル「DSP-AX557」、エントリーモデル「DSP-AX457」が用意され、「DSP-AX757」が4月下旬から、「DSP-AX557/AX457」が3月下旬から発売される。価格はDSP-AX757が78,750円、DSP-AX557が66,150円、DSP-AX457が47,250円。

従来モデルからの主な強化ポイント

 従来モデルからの変更点として、新たに1チップDSPの「New CinemaDSPエンジン」を搭載。ヤマハとTIが共同開発したAVアンプ用の32bit統合DSPチップとなっており、独自のサラウンドモード「シネマDSP」のほか、ドルビーデジタルやDTS、DTS 96/24、AAC、ドルビープロロジックIIなどのサラウンドフォーマットのデコードを1チップで実現している。

 新たにドルビーデジタルやDTS、ドルビープロロジックIIなどのフォーマットを問わずに、シネマDSPを適用可能となったほか、従来は96kHzソースでシネマDSPを適用すると無音になっていたが、本シリーズではどんな信号でも自動判別してシネマDSPを適用可能となった。

 また新チップの搭載により、夜間での視聴時にダイナミックレンジを圧縮し、音量を維持しながらも近隣への音の拡散を抑える独自の「ナイトリスニングモード」も強化。従来はドルビーデジタル音声でしか適用できなかったが、音声形式を問わずに利用可能となった。また、自動音場補正機能(DSP-AX757のみ)や、160msまでのリップシンク機能も内蔵している。

 さらに、FM/AMチューナについても改善を図った。チューナの選局機能にはPLL発信器を用いてるが、PLLに起因する電流がシャーシに流れるとオーディオのグランド電位に影響を与え、音質劣化の一因となる。そのため、新たにFM/AMモード選択時以外はPLL発信器の動作を停止する機能を搭載した。

PLLの停止によりFM/AMチューナの影響を排除 従来モデルから強化ポイント

 アンプ定格出力はAX757が100W×7ch、AX557が90W×6ch、AX457が85W×6ch。ローインピーダンス化によりスピーカー駆動力を高める「ハイカレントアンプ・テクノロジー」と、信号経路を高純度かつストレートに再構築する「デジタルマキシマムコンセプト」は従来モデルを踏襲。新たに、DAC用電源のセパレート化などで高音質化を図ったという。

 3モデルの違いは、入出力端子やアンプ出力性能のほか、DSP-AX757では自動音場補正機能「New YPAO」を備えるほか、AX757/557でコンポジット/S映像/コンポーネント信号を相互に変換可能なビデオコンバージョン機能を装備。また、それぞれの製品で音作りのチューニングを変えている。

 なお、同社では従来5.1ch/6.1chのマルチチャンネル利用を中心にカタログや店頭展開を図ってきたが、本シリーズから基本構成を2.1chとし、カタログなどで訴求していく。この方針について同社では「DVDコンポなどのフロントサラウンド製品が増えており、単体のAVアンプに敷居の高さを感じるユーザーも多くなっている。そのため、まずは単体アンプの音の良さを知ってもらうとともに、シネマDSPのサラウンド効果を活用してもらいたい」と説明している。


■ DSP-AX757

 シリーズの最上位モデルで、アンプ部定格出力は100W×7ch(6Ω)。電源ケミコンに上位モデルのDSP-AX2500と同じカーボンチューブを採用したほか、定電流駆動スピーカーリレーなどの採用により音質向上を図った。「透明感と制動感溢れる熟成のHiFiサウンド。ダンピングの効いた低域などを意識し、大人の音を目指した」(同社)としている。

DSP-AX757 背面

 音楽再生時に表示管やビデオ回路などの電源をOFFにし、音質向上を図る「ピュアダイレクト・モード」も装備する。New ナイトリスニングモードや、ヘッドフォンで5.1chサラウンド再生が行なえる「サイレントシネマ&バーチャルシネマDSP」も搭載。PHONO入力も備えている。

 自動音場補正機能の「New YPAO」も搭載。測定項目は従来どおりで、スピーカーワイヤリング、スピーカーサイズ、チャンネル間レベル、スピーカー距離、周波数特性の5項目を、7バンド・パラメトリックイコライザ(PEQ)で自動調節する。また、コンポジット/S映像/コンポーネントの各信号の変換が可能なビデオコンバージョン機能も搭載。液晶付きの学習リモコンが付属する。

NewYPAOを搭載する 右がAX757用の液晶付きリモコン。左はAX557/457用



■ DSP-AX557

 シリーズ中位モデルで、アンプ部定格出力は90W×6ch(6Ω)。New YPAOは搭載しないが、ビデオコンバージョン機能や、リップシンク機能を搭載。ナイトリスニングモード、サイレントシネマなども備えている。

 音のチューニングに関しては「低域の豊かな量感を出し、スリムスピーカーに最適なスケール感あるサウンドを目指した」という。

DSP-AX557 背面



■ DSP-AX457

 エントリーモデルで、アンプ部定格出力は85W×6ch(6Ω)。ビデオコンバージョンやNew YPAOは装備しない。ナイトリスニングやサイレントシネマを搭載。音作りについては、「若々しさをイメージした、躍動感溢れるフレッシュサウンドを目指した」としている


DSP-AX457 背面

主な仕様
  DSP-AX757 DSP-AX557 DSP-AX457
定格出力(6Ω) 100W×7ch 90W×6ch 85W×6ch
実用最大出力(6Ω) 各140W 各130W 各125W
受信周波数範囲 FM:76~90MHz
AM:531~1,611kHz
入力端子 コンポーネント 2 2
D4 2
S映像 5 3
コンポジット 5 4
同軸デジタル音声 2 1 -
光デジタル音声 4 3
アナログ音声 8 6
マルチch音声 1(7.1ch) 1(5.1ch)
出力端子 MONITOR OUT
コンポーネント 1 -
D4 1
S映像 1
コンポジット 1
REC OUT
S映像 2 1
コンポジット 2 1
光デジタル音声 1
アナログ音声 3 2
PRE OUT 8ch サブウーファ
ビデオコンバージョン -
自動音場補正
(New YPAO)
-
PHONO入力 -
外形寸法(幅×奥行き×高さ) 435×420×171mm 435×416×161mm
重量 12.5kg 11kg 11kg
発売時期 4月下旬 3月下旬
価格 78,750円 66,150円 47,250円

□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/2005/05022401.html
□関連記事
【2004年2月18日】ヤマハ、8万円の簡易YPAO搭載7.1ch AVアンプ
-ビデオコンバータやリップシンク機能も搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040218/yamaha.htm

(2005年2月24日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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