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株式会社ジュピターテレコムは23日、JASDAQへ上場した。上場にあわせて記者会見を開催し、2004年度の業績報告と2005年度の業績見通しなどについて説明した。
■ 上場による調達資金で積極投資を図る
コーポレートロゴも一新され、愛称も「J-COM Broadband」から、ロゴ変更により「J:COM」となった。 同時に発表された2004年度通期連結決算は、売上高が前年比14%増の1,408億円、営業利益は同71%増の226億円、純利益は102%増の108億円。営業利益の増加については、加入世帯数の増加や加入世帯ごとの月次収益の向上を要因に挙げている。 同社の森泉知行 代表取締役社長兼CEOは、上場の意義について説明し、「CATVの普及率はまだ低く、J:COMのビジネスは成長余力を残している。上場にあたり約1,000億の資金調達となるが、500億は累損の解消に向けても、500億の資金を持つことになる。営業のキャッシュフロー的には既に黒字化しているため、積極的に投資が行なえる。新規ビジネスについて積極的に取り組む」と語った。
なお、配当は当面行なわず、株主への還元については、「成長余力を残しているので、まずは成長への投資を行なっていきたい。株主には企業価値を高めることによって還元していきたい」とした。 今後の展開については、CATVサービスの「J:COM TV」のほか、インターネット接続サービス「J:COM Net」や、電話サービスの「J:COM Phone」の3つのサービスによる“トリプルプレイ”のメリットを強調。地域に密着したCATV企業ならではのサポート体制と、3つのサービスを一つの窓口で提供できる利便性を強調した。 2004年の加入世帯あたりの月額収益(ARPU)は7,090円で、前年の6,779円から5%向上。今後もトリプルプレイのメリットの訴求やデジタルサービスへ移行を促しながらARPUの向上を図る。 また、「2005年には通信、放送の競争はさらに激化する」と予測し、デジタル放送サービスの拡大や、インターネット接続の高速化、HDD搭載STBの投入、VODの拡大などの新サービスで対応していくという。
■ 地上デジタルサービスは2005年内に60万世帯を目指す
2004年4月からスタートしたデジタル放送対応の「J:COM TVデジタル」のサービス加入者は年内で加入世帯の約15%/25万世帯を超え、当初予測の10万世帯を大幅に上回った。今後の展開については、「昨年は地上デジタルやBSデジタルを見たいというのが主な加入動機だったが、この伸びを持続するにはCSのコンテンツの強化が必要と考えている。そのため、5月にはCSで4つのチャンネルを増やす。あわせて、CS局にもハイビジョン化をお願いしたい」と説明。2005年のデジタル放送加入目標は60万世帯。 さらに、「2011年のアナログ波の停波以前、2008年にはデジタルへの完全移行を行ないたい」とし、その理由について「2008年でアナログ用ホームターミナルの償却が終わり、廉価なセットトップボックスも供給可能になる。2008年の北京オリンピックの頃にはデジタルサービスに完全移行し、帯域を生かした高付加価値なサービスを提供していきたい」と解説した。 なお、同社では現在の「J:COM TVデジタル」で、ケーブル局で変調を行なうトランスモジュレーション方式を採用しており、デジタル放送の視聴には専用のSTBが必要となる。デジタルチューナ搭載テレビでそのままデジタル放送を視聴可能とするパススルー方式への対応については、「今までは消極的だったが、(STBを利用した加入者以外に)ケーブル経由の再送信が約300万世帯ある。集合住宅向けの再送信など、デジタル放送対応を考慮に入れ、今後はポジティブに考えていきたい」とした。 また、2005年中にはJ:COM TVデジタルの全サービスエリアでVODサービスを行なうほか、HDD搭載のセットトップボックスも供給予定。HDD搭載STBについては、「開発段階に入っており、メーカーも既に選定している。第4四半期から投入予定」としている。 今後の成長戦略としては、エリアの拡大を目的に傘下のCATV企業の増加もめざし、「買収などで年3~4社増やしていきたい」と説明。J:COMの局に隣接した地域や、都市部でのエリア拡大を図る。 また、インターネット接続の「J:COM Net」についてはc.LINKの導入による100Mbpsサービスの提供を2005年内に開始する。同社ではコストパフォーマンスなどで光ファイバより同軸線を中心としたビジネス展開を図る予定だが、マンションデベロッパが光ファイバを求める場合には柔軟に対応する。実際に現在受注している新築マンションの3、4件では同社のノードからユーザー宅まで光ファイバで接続する予定としている。 □J:COMのホームページ (2005年3月23日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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