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東京都がアニメ産業の振興と育成を図るために毎年実施している「東京国際アニメフェア 2005」が、東京・ビッグサイトで開幕した。会期は3月31日から4月3日まで。なお、一般公開日は4月2日と3日。4月2日には、石原慎太郎東京都知事も出席する「東京アニメアワード」の表彰式も行なわれる。
メインとなるのは国内154社、海外43社の計197社(前回は166社)が行なうブース展示で、新作アニメや映画、関連グッズなど、各メーカーのコンテンツが紹介されている。また、各界の有識者を招いて新しい映像表現や、アニメ市場の今後、海賊版対策などを話し合うシンポジウムなども実施。さらに、特設ステージでは新作アニメの製作発表会や、声優を招いてのイベントなども行なわれる。
今回は、DVD化が期待できる注目の新作アニメや、既にリリースが開始されている人気作などを中心に、各社のブースをレポートする。
■ 「フィギュアニメ」第2弾は特撮 DVDのおまけとしてフィギュアを付けるのではなく、フィギュアを主体とし、その魅力を引き出すためにアニメDVDを観賞するというコンセプトを掲げ、話題となったコナミの「フィギュアニメ」。ガレージキットの展示・即売会「ワンダーフェスティバル」の会場でのみ限定販売するという販売方法も注目を集め、2月20日に行なわれた同イベント会場では、第1弾タイトルである「おとぎ銃士 赤ずきん」を求めて、多くのファンが詰め掛けた。
コナミブースでは、フィギュアニメの第2弾として、「SPECTER」(スペクター)を発表・展示している。第2弾はアニメではなく、特撮ヒーロードラマとなっており、俳優の笠原紳司、栗原瞳、哀川翔らが出演する。 ストーリーは、凶悪なインベーダーより、地球を防衛するために組織されたD.O.Eを舞台に、同組織最強の男、コードネーム「スペクター」の活躍を描くというもの。主人公の寺崎鉄也は、人間の身体能力を6.5倍に引き上げる強化戦闘服ターボスーツを装着。専用の銃器やバイクなどを駆使してインベーダーを殲滅する。 CGを駆使した戦闘シーンが見所だが、主体となるフィギュアにも注目。原型は海洋堂などで活躍している竹谷隆之氏。デザインは後藤正行氏が担当している。DVDの収録時間は約41分で、同梱するフィギュアの種類によって3種類の商品形態を用意する。 具体的には全長20cmの部分稼動フィギュア、10cmのアクションフィギュアに加え、撮影に使用された1/1のレプリカヘッドをラインナップ。さらに、受注生産で全身のレプリカスーツも用意するほか、DVDの単品発売も検討しているとのこと。なお、いずれの商品も、付属するDVDは共通となっている。
各製品の価格は未定。なお、販売は2005年8月21日の「ワンダーフェスティバル2005 夏」の同社ブースにて行なわれる。また、「赤ずきん」の続編についても、検討を進めているという。
また、同ブースでは、4月6日からテレビ東京系で放送が開始されるテレビアニメ「極上生徒会」を紹介。教室を模した展示コーナーを設けており、パンフレットなどを配布している。
監督を岩崎良明氏、脚本を黒田洋介氏が担当しており、春の新作アニメの中でも一際注目度の高い作品。既にプレイステーション 2用のゲーム化が決定しているが、DVD化にも期待したい。
■ 発売前に、DVDの特典フィギュアをチェック
バンダイビジュアルのブースでは、6月24日からDVDが発売されるOVA「きらめき☆プロジェクト 特別限定版」(BCBA-2193/7,350円)と、5月27日発売の「スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION THE ANIMATION Limited Edition」(BCBA-2161/7,140円)、「ストラトス・フォー アドヴァンス(2) 初回限定版」(BCBA-2040/7,350円)に付属する特典フィギュアを、一足早く見ることができる。
「きらめき☆プロジェクト」のフィギュアは、第1巻に付属する「カナ」と、第2巻に付属する「リンクル」。どちらも躍動感溢れる造形が印象的だ。「スーパーロボット大戦」からは、「PTX-007-03C ヴァイスリッター」が展示。可動式で、造形の細かさが特徴。ストラトス・フォーの「MIG-31MS」には、卓上スタンドも付属している。
同社のブースで最も注目を集めていたのは、5月28日から劇場公開される「起動戦士Zガンダム 星を継ぐ者」の特別映像公開コーナー。ガンダムシリーズでお馴染みの富野由悠季監督と、テーマ曲を担当したGacktのインタビューなどで構成されており、劇場版の予告映像も観覧できる。 また、配布物にも注目。4月4日からテレビ東京系で放送されるアニメ「創聖のアクエリオン」のプロモーションDVDが無料で配布されている。「マクロス・ゼロ」で3DCGと2Dアニメを見事に融合させ、クオリティの高い映像を見せてくれた河森正治監督の新作。DVDで放送より一足先に映像をチェックできる。なお、4月2日には河森監督や出演声優などが参加するステージイベントも予定されている。
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■ 新作アニメが続々 ジェネオン エンタテインメントのブースでは、4月5日からテレビ東京系で放送が開始される「エレメンタル ジェレイド」を紹介。新作トレーラーの上映に加え、グッズの配布なども行なっている。また、ヒロイン「レン」の等身大フィギュアも展示。4月2日からの一般公開日には、登場キャラクターのコスチュームを着たコンパニオンも登場するという。 なお、同作品のDVD化はまだ決定していないが、放送を記念した先行DVDが、2月25日に発売(GNBA-1110/1,995円)されている。 また、同様に4月7日からBS-iにて放送される「これが私のご主人様」の展示も行なわれている。こちらも「緊急特報」と名付けたDVDが3月25日に発売(GNBA-1089/1,995円)されている。ほかにも、BS-iにて今夏放送予定の「苺ましまろ」。こちらの作品も放送開始前に、先行DVDを発売する予定があるという。
フジテレビのブースでは、従来の「子供かアニメファンしか見ないテレビアニメ像」を覆そうという試みが展開中。「ノイタミナ」という名のプロジェクトで、「連続テレビドラマのようなアニメを目指す」作品群になるという。 第1弾として4月14日から放送されるのは「ハチミツとクローバー」。オープニングテーマをYUKI、エンディングをスネオヘアー、挿入曲をスピッツ、スガ シカオが手掛けるという音楽的にも豪華な作品。原作は同名の少女コミック。狭いアパートで共同生活を送る若者達の日々を描いたヒューマンドラマ。
新感覚のアニメとして、幅広い層の視聴者に受け入れられるか、楽しみなタイトルだ。なお、第2弾の「PARADISE KISS」は10月から放送予定。こちらもお洒落な作品になりそうだ。
■ そのほか
プロダクションI.Gのブースでは、「STAND ALONE COMPLEX」と「S.A.C. 2nd GIG」のDVD・ビデオ累計出荷数100万枚/本を突破した「攻殻機動隊」をアピール。スカイパーフェクTV! での放送は終了したがその人気は健在で、特に海外から来場した関係者やディーラーが多く集まっていた。
ブースでは草薙素子の等身大フィギュアや、複製原画、既発売の商品ラインナップなどを見ることができる。また、映画「イノセンス」の展示コーナーも設けられ、今年中に発売されるという1/1スケールのガイノイドフィギュアが展示されている。受注生産となっており、価格は未定。 また、劇場とDVDでそのクオリティの高さを見せ付けた「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のテレビアニメシリーズの告知ポスターも貼られている。公式サイトによれば、詳しい情報は4月10日以降に公開されるようだ。
さらに、東映アニメとアニプレックス、カートゥーン ネットワークが共同で開発するアニメ「出ましたっ! パワパフガールズZ (仮)」も発表・展示されている。これは米国で人気の「パワーパフ ガールズ」を日本版として、日本人スタッフがリメイクしたもの。 プロデューサーには「おジャ魔女どれみ」などを手掛ける東映アニメの関弘美氏、「鋼の錬金術師」などを担当しているアニプレックスの勝股英夫氏らが参加。日本国内向けのテレビアニメシリーズとしてスタートし、世界市場を視野に入れた展開を予定しているという。
□東京国際アニメフェアのホームページ
(2005年4月1日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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