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株式会社矢野経済研究所は29日、テレビ視聴と広告に関するインターネット調査「2005 視聴スタイル動向調査-HDDレコーダーがテレビ視聴と広告をこう変える-」の結果を発表した。HDDレコーダの利用者は、ビデオデッキを使用していた頃と比べて週当たりの録画時間が76.3%、再生時間が71.0%増加したという結果になった。 回答をもとにした同社の推計では、週当たりで録画は3時間7分増、再生は2時間29分増、リアルタイム視聴は20分減となったため、テレビとの接触時間は週当たり2時間9分増加したとしている。 また、CMのスキップや早送りを「ほぼ毎回利用する」という回答が45.5%、「頻繁にする」が23.6%となり、CMの約7割がスキップされていると同社は推計している。 ただし、テレビ広告の有力出稿主6社に行なった面談調査によると、「リアルタイム視聴が微減であれば、テレビCM優位の方針に変更はない」という意見がほとんどで、CMスキップを大きく問題視する広告主はいなかったという。 HDDレコーダの所有により起きたライフスタイルの変化については、「家族で同じ番組を視聴する機会が増えた」(40台男性)、「一人の時に放映している映画を録画しておいて、休日に夫婦で見るようになった」(20台女性)など、肯定的な意見が回答者412名の中から95件寄せられた。 視聴内容については、「これまで、時間帯の都合で見ないでいた番組を見るようになった」という回答が48.0%で、「特に変化はない」の38.5%を上回った。また、65.4%のユーザーが、「見るか見ないかわからないが、とりあえず録画する頻度が上がった」と回答している。 そのほか、「リアルタイムで視聴できる時でも、CMスキップや早見再生などを利用して効率的に視聴するために、あえて録画する」行為について、45.6%のユーザーは「頻度が上がった」という。 テレビCMについては、ドラマの1シーンなどでスポンサー広告を行なう「プロダクト・プレースメント」の手法に対して、「番組の内容が損なわれるのでやめて欲しい」という回答が25.4%、「今までのCMが良い」が13.6%と、否定的な意見が39.0%を占めたが、再生視聴時間が大幅に増加しているため、同社は「プロダクト・プレースメントは重要性を増す。新たな広告機会の創出が今後の鍵になるだろう」と予想している。 調査は、3月24日~4月5日の期間、同社サイトの登録モニター5,554名の回答をまとめたもの。全体調査で所有状況などを確認した後、所有者708名に限定した調査も行なわれた。
□矢野経済研究所のホームページ (2005年6月29日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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