アキュフェーズ、73万円のデジタル式チャンネル・デバイダ －音声と音量調節を分離伝送。「HS-Link」でSACD対応

8月下旬発売 標準価格：735,000円

　チャンネル・デバイダは、プリアンプから出力された音楽信号を任意の帯域に分割して、各帯域の増幅を担当するパワーアンプに受け渡すユニット。大型のスピーカーをマルチアンプ駆動する際や、帯域ごとに分離・設置したユニットで再生するマルチスピーカーシステムなどで利用する。

　同社は‘76年からアナログのチャンネル・デバイダを発売しているが、‘99年にフル・デジタル処理が行なえる「DF-35」を発売。「DF-45」はその後継機となっている。

　ADCを内蔵しており、アナログプリアンプと接続できる。また、同社のデジタル・プリアンプ「DC-330」、もしくはAVコントロールセンター「VX-700」とデジタル接続することで、デジタル音声信号とボリューム・データ(コントロール信号)を同時に伝送が可能。

　ボリューム・コントロール前の音楽信号を、レベルを絞ることなく入力でき、高精度な信号処理が行なえる。また、処理後にD/A変換する直前でコントロール信号を使ってレベルを絞るため、性能劣化の少ない音量調節を実現したという。さらに、独自のデジタル伝送インターフェイス「HS-Link」の入力も備えているため、同社の対応プレーヤーと接続し、SACD音声のデジタル伝送にも対応する。

　帯域の分割数は標準で8ch分(2chオーディオでは片方4ch分)に対応。4ウェイのステレオスピーカーまで対応できる。また、入力された信号を送り出すデジタル端子も備えているため、DF-45を複数台接続して5ウェイ以上に拡張することもできる。

　中核となるデジタル・フィルタには、40bit浮動小数点演算タイプのDSPを採用。ダイナミックレンジが格段に広がったという。また、フィルタの周波数ポイントは31.5Hz～22.4kHz間を1/6オクターブ間隔(ISO規格)で指定できるほか、10、20、290Hzも設けて、計59ポイントを用意。10/20Hzは超低域ノイズをカットするサブソニック・フィルタとしても利用できる。

　フィルタの減衰特製は6種類を内蔵。各帯域はデジタル方式のレベル・コントロールで調整できるほか、チャンネルごとに左右独立した位相設定も可能となっている。

　また、マルチスピーカー・システムの場合などのために、タイム・アライメント機能を搭載。1cm単位で各ユニットとリスナーの距離に合わせたディレイが設定できる。また、自動でディレイ補正を行なう「ディレイ・コンペンセーター」機能も利用可能。自動補正結果の距離表示を参考にして手動設定を行なうこともできる。

　各種設定は5種類まで保存でき、設定ごとの比較試聴も可能。さらに、電源を切断する直前の設定を保存するラスト・メモリー機能も利用できる。

背面

　DACには独自の「MDS++変換方式」を採用した24bit DACを採用。全高調波ひずみ率は0.001%。S/N比は同軸/光デジタル 114dB、HS-Link 116dB、アナログ入力 112dB。チャンネル・セパレーションは108dB。

　入力端子は同軸デジタル×1、光デジタル×1、HS-Link×1、アナログバランス×1、アナログアンバランス×1。出力は同軸デジタル×1、アナログバランス×4、アナログアンバランス×4。なおチャンネルAにはサブ・ウーファ用出力に切り替えるスイッチを備えている。外形寸法は465×395.8×150.6mm(幅×奥行き×高さ)。重量は14.1kg。

□アキュフェーズのホームページ
(8月11日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.accuphase.co.jp/
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(2005年8月11日)

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