◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ヤマハ、「デジタル・サウンド・プロジェクター」新モデル
-自動音場補正やシネマDSP搭載。32型テレビ用も


「YSP-1000」(上)、「YSP-800」(下)

9月中旬より順次発売

標準価格:オープンプライス


 ヤマハ株式会社は、薄型テレビにフィットするコンパクトな一体型筐体で5.1chサラウンドを実現するというサラウンドシステム「デジタル・サウンド・プロジェクター」の2モデルを9月中旬より順次発売する。

 店頭予想価格と発売時期は、42型のテレビにマッチするサイズの「YSP-1000」が137,000円前後の見込みで10月中旬発売。32型用の「YSP-800」が95,000円前後の見込みで9月中旬発売。既にYSP-800は販売店に出荷を開始している。カラーリングはYSP-1000がブラック(B)とシルバー(S)、YSP-800はシルバー(S)のみ。

 薄型/横長の筐体に小型のフルレンジユニットとウーファ、デジタルアンプを搭載する5.1chサラウンドシステム。指向性の高い音をビーム状に放出し、部屋の壁や天井などに反射させ、5.1chサラウンドを実現する。

 センターチャンネルの音は真っ直ぐ正面に放出、左右のフロントチャンネルは本体と視聴者の間にある左右の壁に反射、リアの左右チャンネルは視聴者の真横あたりの壁に一旦反射させ、その音をさらに視聴者後ろの壁で反射、背後から音が聴こえるようにする。

サラウンドのイメージ図 内部ユニットが見えるようにネットを一部切り取ったもの

 新たに自動音場補正システム「インテリビーム」を搭載し、付属マイクを利用して約3分で自動調整が可能となった。インテリビームは同社のAVアンプに搭載されている音場補正機能「YPAO」と同様の機能だが、不要となったスピーカー結線確認などを省き、代わりに音声ビームを放出する角度を調整する項目などが追加されており、リモコンのボタンで設定可能。

 また、部屋の大きさや形などを選択する「手動設定」や、各チャンネルの緻密なビーム設定などが可能な「詳細設定」も利用できる。サラウンドデコーダはドルビーデジタル/DTS/AAC/ドルビープロロジック II/DTS Neo:6に対応する。

 2004年12月発売の前モデル「YSP-1」と同様に、再生モードとして、5ビームモード(5.1モード)以外に、ステレオ+3ビーム、3ビーム、ステレオが選択可能。新たに「ターゲットモード」も搭載し、特定の視聴者以外には聴こえにくくしたり、高齢者に向けて大きく聴こえるようにすることも可能になった。

 また、YSP-1のOSDは英語表記だったが、多くのユーザーからの要望を反映し、日本語表記に変更された。さらに、テレビ視聴時に、CMなどで急に大音量になることを防ぐ「TV音量一定モード」も追加。深夜の小音量再生時でも音のニュアンスが崩れ難いという「ナイトリスニングモード」も備えている。

 オプションとして、両モデルに壁掛け用金具を用意。YSP-1000用の「SPM-K1」が5,250円で発売中、YSP-800用の「SPM-K8」が5,250円で9月下旬に発売される。さらに15,750円で設置や調整を行なうサービスを直販サイト「Yダイレクト」で受け付けている。


■ YSP-1000

YSP-1000

 外形寸法1,030×118×194mm(幅×奥行き×高さ)で、42型の薄型テレビとの組み合わせを想定したモデル。4cm径のフルレンジユニットを40基近接配置し、指向性の高いビーム音波を放射する。音波を放出する角度は各ユニットのディレイ制御により実現している。ウーファとして11cm径コーン型ウーファを2基搭載。

 独自のサラウンドモード「シネマDSP」を搭載し、音楽/映画/スポーツのモードを搭載。音楽の中でもミュージックビデオ/コンサートホール/ジャズクラブなどが選択可能で、トータルで7つのモードが利用できる。低音の増強にSRS TruBassを搭載し、MID/DEEPのモードが選択できる。

 デジタルアンプの出力は、2W×40ch、20W×2ch。エンクロージャは密閉・防磁型。音声入力は、アナログ、光デジタルを各2系統、同軸デジタルを1系統用意。新たに映像入力も搭載され、コンポーネント2系統、コンポジット3系統を備える。

 出力はサブウーファプリアウトと、コンポーネント/コンポジットの映像出力が各1系統。重量は13kg。テレビやDVDプレーヤーも操作できるリモコンや、音場設定用のマイクなどが付属する。

ブラックモデル 付属のリモコン



■ YSP-800

YSP-800

 外形寸法は800×115×153(幅×奥行き×高さ)で、32型の薄型テレビとの組み合わせを想定。YSP-1000と同様にフルレンジユニットとウーファユニットにより構成されるが、フルレンジユニット数は4cm径×21基で、ウーファユニットは10cm径×2基となる。

 シネマDSPを搭載するが、利用できるのは音楽/映画/スポーツの3モードのみ。SRS TruBassも採用するが、レベル調整は行なえない。

 デジタルアンプの出力は2W×21ch、20W×2ch。入力端子はアナログ、光デジタルが2系統、同軸デジタルが1系統で、映像入力は非搭載。出力はサブウーファに加え、OSD用の映像出力を備える。重量は9kg。リモコンや、音場設定用のマイクなどが付属する。



■ 2007年8月までに100億円規模へ

 同社執行役員 AV・IT事業本部長の関口博氏は、「薄型テレビとデジタル放送によりホームシアターシステムの市場全体は拡大したが、既存システムの伸長は鈍化し、代わりに多様化が進んだ」とマーケットの変化を説明。「2004年のYSP-1で大きな反響を受け、多くの賞も獲得した。高音質をそのままに、設置性を向上させ、ユーザーからの声も反映させたのがYSP-1000/800」とした。

執行役員 AV・IT事業本部長の関口博氏

 実際に、ブラックカラーの追加や、32型対応モデルの採用、設置サービスの実施などはユーザーからの意見を反映したもの。

 また、デジタル・サウンド・プロジェクター事業の中期目標については、2007年8月に100億円とし、「成長する薄型テレビ市場に対応した事業として確立したい」と述べた。

□ヤマハのホームページ
http://www.yamaha.co.jp/
□Yダイレクトのホームページ
http://ydirect.yamaha-elm.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.yamaha.co.jp/news/2005/05091401.html
□関連記事
【9月5日】IFA 2005レポート【ヤマハ/パイオニア/オンキヨー編】
サウンド・プロジェクターの新モデル登場
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050905/ifa07.htm
【2004年11月16日】ヤマハ、壁や天井に音を反射させる5.1chシステム
-音波のビームを放出し、1筐体で5.1chを実現
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041116/yamaha.htm

(2005年9月14日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.