|
■ シャープ シャープのブースで一番注目を集めていたのは、同社が早稲田大学と共同研究している「高臨場空間」を再現するためのシステム。液晶テレビ「AQUOS」シリーズの65V型フルHD液晶テレビ「LC-65GE1」(168万円)を部屋の360度に計6枚設置した豪華なシステムで、1ビット録音した8chサラウンドと共にHD映像を表示。映像と音に包み込まれ、その場にいるかのような臨場感を体験することができる。 映像はHDD搭載のブルーレイディスクレコーダ「BD-HD100」(オープン)に保存。1ビットのオーディオデータはHDDレコーダに保存し、BD-HD100を制御しているコントローラと同期をとる。音声は1ビットDACを通して変換した後、サンプリング周波数11.2MHzの1ビットデジタルアンプ「SM-SX10」(252,000円)に入力し、スピーカーをドライブしている。
参考展示では、1ビットアンプで駆動する高効率コンデンサースピーカーが紹介されている。電力損失を最小化したという設計を採用。全再生周波数帯域でピストン振動を実現しており、エッジレス構造。薄膜振動体をエステルウールで支えている。製品化時期などは未定だが、液晶テレビなどの薄型テレビ用の内蔵スピーカーとしての利用を想定しているという。
■ ソニーのピュアオーディオ
ソニーは大ホールに設置したブース以外に、中2階に試聴室を設けており、ピュアオーディオ関連製品のデモを行なっている。
デモに使われているのはピュアオーディオ用デジタルプリメインアンプの最上位モデル「TA-DR1a」(11月21日発売/126万円)と、SACD/CDトランスポート「SCD-DR1」(126万円)。スピーカーはG.T.Soundのユニットで構成されてる。
■ ヘッドフォンの新モデルも ゼネラル通商のブースでは、SENNHEISERのヘッドフォン新モデル4機種が参考展示されていた。ラインナップは、カラフルなハウジング部のカラーリングが特徴の軽量オープンエアタイプの「HD435」と、ハウジング部をふくめて上方へ跳ね上げることができ、DJの片耳リスニングに対応した「HD205」。 さらに、PX200/100のネックバンド(バックアーム)タイプとしてPMX200、PMX100をラインナップする。価格は、HD435/205が1万円から1万2,000円程度。PMX200は8,000円~9,000円、PMX100は7,000円~8,000円程度になる見込み。
また、オーディオテクニカのブースでは、未発表のヘッドフォン「ATH-ES7」を参考出品されている。新開発の42mm径ユニットと、グラスファイバーを配合した剛性の高いバッフルを一体化させることで、クリアな中高音を実現したという。ホワイトとブラックの2色を用意し、ミラー処理されたハウジング部が特徴的。特にホワイトモデルはiPodと合わせて使うとマッチしそうだ。10月末の発売を予定しており、価格は15,000円~18,000円程度になる見込み。
■ 富士通テン 10月20日に発売する、タイムドメイン(時間領域)理論を採用したスピーカーシステム「ECLIPSE TDシリーズ」の新モデル「TD510」(92,400円)と「TD508II」(44,100円)を中心にデモを行なっている。 再生音がグレードアップしたほか、天吊りや角度調整に対応し、設置性が向上したのが特徴。実際に天吊りしたデモ機を用意するほか、それぞれのモデルの専用スタンドも展示している。専用スタンドはスピーカーからの振動をスタンド(に続く床)に伝えないため、片側のネジでしかスピーカーと設置していないという独特の構造を採用している。
■ フォステクス フォステクスのブースでは「GMMアクティブスピーカー」という独特の形状を採用したスピーカーが参考展示されている。「超磁歪素子スピーカー」と呼ばれるもので、「磁性素材が外部からの磁界の影響でわずかに弾性変化する物理現象」を利用し、振動を発生させるとう。 もともと超音波ソナーや、超音波洗浄器などに用いられてきた素子であり、スピーカーとして利用できるよう磁気を加えた時の変化量を100倍以上大きくした新たな素子を開発。アッパーヨーク/ボトムヨーク/振動ロッドにより磁気的な閉回路を構成し、コイルに電流を流すことで超磁歪素子を高速で伸縮させ、その動きを中央の振動ロッドを通してテーブルなどに伝わらせ、音を出すという。 設置下部の板を振動板としているため、設置する場所によって音の違いが楽しめるほか、省スペース性を実現したという。具体的な製品化時期や価格は決定していないが「イベント期間中に来場者の反応を見ながら、ポータブルオーディオ機器用のスピーカーなどに仕上げていきたい」という。
■ セミナーも充実 セミナー・イベントエリアでは著名人を招いてのトークショーや、専門雑誌との連動イベントなどを実施している。セミナーには、9月21日に作曲家の冨田勲氏、22日に作曲家で録音プロデューサーのオノ セイゲン氏、23日にAVマニアとして知られる漫画家のモンキー・パンチ氏、24日にはこちらもAVマニアとして名高いタレントの小倉智昭氏が登場する予定。詳しい時間などのスケジュールは、公式サイトに掲載されている。
■ そのほか 地上デジタルラジオのブースでは、ピクセラが新たな受信端末の試作機を展示している。ポータブルオーディオプレーヤーをイメージしたという端末で、これまでの各種イベントで展示された専用端末やPDA型端末と比べると、半分程度の大きさにまで小型化されているのが特徴。残念ながらオーディオプレーヤー機能は実装されていないが、デジタルラジオの受信機能はデータ放送や静止画の受信などにも対応しているレベルで、本放送開始に向けて着実に開発が進んでいることを伺わせる。 ほかにも、会場には個性的なピュアオーディオ関連の新モデルや、参考展示モデルなどが多数展示されており、試聴することもできる。
小型のデジタルアンプで知られるフライングモールでは、10月1日発売のデジタルプリメイン「CA-S3」を展示。定格出力は20W×2ch(8Ω)。S/N比は98dB。最大外形寸法は130×182×54mm(幅×奥行き×高さ)と小型で、重量は1.4kg。価格は7万円。独自のBi-Phase PWMアンプを採用している。
□A&Vフェスタのホームページ
(2005年9月21日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|