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富士通テン、運転/助手席で違う映像を表示するAVナビ
-走行中もナビ操作可能。地デジチューナも12月発売


「AVN7905HD」。左から見るとDVDビデオ、鏡に映った右側からの視点ではナビ画面が見える
11月1日より順次発売

標準価格:「AVN7905HD」315,000円
       「DTV105」126,000円


 富士通テン株式会社は、カーAVナビゲーションシステム「ECLIPSE(イクリプス)」シリーズの秋モデルとして、世界初の、1画面で運転席と助手席側で異なる映像を表示できる「デュアルディスプレイシステム」を採用した「AVN7905HD」を11月1日に発売する。価格は315,000円。

 また、ECLIPSEのAVNシリーズに接続できる地上デジタルテレビチューナユニット「DTV105」も12月1日に発売する。価格は126,000円。


■ AVN7905HD

 30GBのHDDを内蔵し、DVDビデオの再生に対応するほか、アナログTVチューナ、MDデッキ、メモリースティックスロットも備えた2DINサイズのナビゲーションシステム。最大の特徴は、運転席と助手席の見る角度により、異なる映像を同時に表示できる「デュアルディスプレイ機能」を搭載したこと。

運転席側から見るとナビ画面が見える 中央から見るとナビとDVDビデオが重なったような表示に 助手席側から見るとDVDビデオの画面が見える

 シャープが7月に発表した「デュアルビュー液晶」を利用したもので、シャープの協力を得て、2社でカーオーディオ用ディスプレイとして開発したという。一般的なTFT液晶ディスプレイ上に、光の透過を制御する「視差バリア」(細かい穴の開いたフィルムのようなもの)を設け、バックライトからの光を左右に分離。液晶のドット単位で右用、左用の映像を表示することで、2方向への表示を可能としている。

 そのため、装備している7型液晶ディスプレイの解像度は800×480ドットだが、デュアルディスプレイ機能をONにすると、画素数は半分の400×480ドットの2画面となる。また、解像度の不足や遮光部によって欠落した表示を補うための専用ASICを開発。隣り合った画素の信号レベルの相関により、最適な画素を生成し、画質の向上を図っている。

バリア方式の採用により、左右で異なる映像表示を実現した 独自のASICで画質の低下を防いだ 輝度や、デュアルディスプレイが機能する視野角などは、様々な車種で検討し、最適なものに設定したという

 運転席側と助手席側で見える映像が異なるため、運転席側はナビ画面を表示し、助手席側はDVDビデオを表示するといった使い方が可能。また、通常、ナビ機能は走行中操作できないが、助手席側のみナビ画面を表示する専用モードに切り替えることで、走行中でも助手席に座った人がナビ操作を行なえる。

 なお、その際は事故防止の観点から、運転席側は青一色の画面になり、何も表示されない。タッチパネル画面を使った操作が、運転手が行なっているものか、助手席の人間が行なっているものか判断できないためで、青一色の画面を運転席側からタッチしても認識はされる。

 なお、左右別々に表示できるソースは、ナビや音楽再生画面などのシステム系と、テレビやDVDビデオなどの映像系の組み合わせで、例えばナビ画面を運転席側、音楽再生画面を助手席側に同時表示することはできない。デュアルディスプレイ機能のON/OFFや助手席ナビ画面モードの切り替えは同一のボタンで手軽に行なえる。

通常のデュアルディスプレイ関係図 走行中の関係図 バリアによって輝度が低下するため、従来のL字蛍光管を、縦コの字蛍光管の2段積みに変更。従来モデルと同等の輝度を確保したという

 そのほかの主な機能は、夏モデルとして7月に発売された「AVN7705HD」と同じ。ただし、地図データは最新のものに更新されている。

 2DINサイズに大型の液晶を搭載するために、操作ボタンを液晶下部に独立・装着した「アクティブ・ウイング」機構を採用。操作パネルは通常、畳まれているが、電源を投入すると電動で自動的に開き、操作が可能になる。パネルの開閉角度は90~150度間で調節できる。

 30GB HDDの中から、AV用に約10GB程度の容量が利用可能。音楽CDからHDDに楽曲をリッピングする「Music Juke」機能を備え、ATRAC3フォーマットで4倍速録音が可能。約2,300曲が収録できる。

 光学ドライブでは、DVDビデオに加え、音楽CD、CD-R/RWに記録したMP3/WMAファイルの再生に対応。漢字を含む日本語のタグ表示もサポートする。また、ドルビーデジタル5.1chとDTSのデコーダ、ドルビープロロジックIIも内蔵。音響面ではCD音源をデジタルのままDSPに入力する「ダイレクトインDSP」や、7バンドのパラメトリックイコライザ、タイムアライメント機能なども搭載する。

 最大出力50W×4chのMOS-FETアンプを内蔵。AM/FMチューナも備え、アナログテレビチューナも内蔵。ナビ機能には「アルティマ・エンジン」を採用しており、ナビやAV機能が高速に動作。時間や曜日を含めた渋滞データや、自車の走行履歴をもとに、最適なルートを検索する「渋滞考慮検索機能」を搭載。抜け道探索・表示機能、高速道路模式図案内なども備えている。


■ DTV105

 地上デジタルテレビ放送の受信に対応したチューナユニット。家庭用テレビ向けの12セグメント地上デジタル放送に対応しているが、2006年4月1日より開始される移動体向けの1セグメント放送「ワンセグ」には対応していない。

 同社のAVNシリーズと接続が可能で、接続信号にはアナログRGBを利用。AVN本体でのタッチパネル操作にも対応している。また、映像だけでなくデータ放送の受信もサポートする。

 フロント用のフィルムアンテナと、リア用ポールアンテナ、接続用ケーブルを同梱。アンテナはフロントとリアを組み合わせた4chダイバーシティーアンテナとなっており、高速走行時や、送信タワーを背にして走行する時、放送局に向かって走行する時などでも安定した受信が行なえるという。ユニットの外形寸法は210×179×50mm(幅×奥行き×高さ)。重量は1.7kg。

DTV105 アナログテレビチューナとも受信品質の比較デモも行なわれた。右がアナログ、左が地上デジタルテレビを受信している 携帯電話のようなアンテナ表示で受信感度を示している


■ 2つの世界初で他社との差別化を

 勝丸桂二郎社長は新モデルについて、「デュアルディスプレイシステムは市販業界では世界初のもので、AVNのエンターテイメント性と利便性をこれまで以上に高めることができた」と説明。さらに、同システムがトヨタの乗用車「アルファード」の特別仕様車に純正品として採用されたことを明らかにした。

 また、「もう1つの世界初」として、1.8インチHDDを採用し、ハイダウェイ/ナビユニットを必要とせず、1DINサイズの筐体にAVN機能を集約した「AVN 075HD」を紹介。「輸入車を中心に、1DINのスペースしか無かったユーザーにもAVNの機能や嬉しさを提供できるモデル。国内で新たな市場を開拓するほか、北米、欧州、中国など、世界販売も順次予定している」という。

 ほかにも、「市場浸透を早める必要がある」として、CMなどのイメージキャラクターとして山田優さんを起用することを明らかにした。

勝丸桂二郎社長 夏モデルを加えたラインナップ一覧

□富士通テンのホームページ
http://www.fujitsu-ten.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.fujitsu-ten.co.jp/release/2005/09/20050928_01.html
□関連記事
【7月14日】シャープ、視野角制御で左右別画像を表示するデュアルビュー液晶
-覗き込みを防ぐ「ベールビュー液晶」も
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050714/sharp.htm
【5月17日】富士通テン、ウィング操作パネル採用のHDDナビ3種
-2DINに4枚チェンジャ機能を内蔵。DVDナビ3モデルも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050517/ften1.htm

(2005年9月28日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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