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総務省と社団法人地上デジタル放送推進協会(D-PA)は30日、2011年7月に地上アナログ放送が停波することに関連して、停波の事実と時期の周知を図るため、アナログチューナ搭載テレビなどに「2011年放送終了」シールを貼り付ける告知活動を10月22日より開始すると発表した。
これは、6月14日に総務省が発表した地上デジタル放送に関する浸透度調査の結果、アナログ放送の終了時期の認知度が1割未満だったことを受けて実施されるもの。 この調査では地上デジタル放送一般の認知は、「知っている」が78.4%、「知らない」が21.2%で、7割以上がデジタル放送を認知していた。しかし、停波については、66.4%が認知しているものの、時期について73.9%が「わからない」と回答し、正答率は9.2%と低かった。 総務省ではこうした現状を踏まえ、アナログチューナのみを搭載したテレビなどの新規購入に際して注意喚起を行なうため、販売店やメーカーと連携して「2011年7月24日以降この製品が単独では使用できなくなる」旨が記載されたシールを貼ることになった。 まず、第1段階として15×70mm(縦×横)の黄色い告知シールを作成。業界団体や家電販売店の売上げ上位20社などを中心に、店頭展示されたアナログテレビに対する貼り付けを要請し、協力が得られた店舗において10月22日より順次貼り付けを開始する。
また、要望に応じて詳しい説明が書かれたポスターも配布。消費者へアピールすると同時に、2011年以降も使い続けるためにはデジタルチューナが必要になることなどを、販売員からも説明するよう要望する。
第2段階として、店頭での告知と併せて、協力を得られたメーカーで、アナログチューナ内蔵製品の出荷時からシールを貼り付けてもらう。また、取扱説明書、カタログ、梱包箱などにも表記を依頼。さらに、対象機器もDVDレコーダやチューナ搭載PC、車載機器などに拡大する方向で検討しているという。なお、第2段階は2006年6月頃からの開始を予定している。
■ 「地上デジタルチューナ搭載」シールも作成
D-PAの和崎信哉専務理事は今回の計画について「多くの店舗や団体から理解が得られ、協力してもらえることになっている」と説明した。しかし、“アナログ放送終了”というネガティブなイメージのシールのみを貼ることに対して販売店から「アナログテレビ放送終了というシールを作るなら、地上デジタルチューナを搭載していることを示すシールが必要」という意見があったという。
そこで、D-PAが従来の地上デジタルマークをベースにした「地上デジタルチューナ搭載」シールを作成。同じく10月22日より、要望のあった店舗を中心に配布するという。なお、シールの製作費はD-PAが負担し、現時点で約20万部のシールを用意しているという。また、アナログ放送終了シールに関しては総務省が負担する。費用は「1枚数円のコストで数百万枚なので、数百万円単位になるだろう」(総務省 情報通信政策局地上放送課 磯寿生課長補佐)。
なお、PCなどを含め、アナログ放送終了シールを貼ることで消費者の“買い控え”が起こるのではないかという懸念に対しては「消費者保護という観点から、事実としてアナログ放送が終了する時期は伝えなくてはならない。万が一“買い控え”ということもあるかもしれないが、総務省としてそれは周知活動とは切り離して議論するべきだと考えている」(磯課長補佐)とした。
また、今後のアナログ放送対応機器の生産にて行政が関与する可能性については「2011年になってもアナログテレビが無駄になるわけではない。デジタルチューナを追加したり、CATVなどに加入すれば引き続きテレビは利用できる。そのため、例えばアナログテレビの製造を中止しなさいと行政側から関与することはない」(磯寿生課長補佐)という。
今後の予定について総務省情報通信政策局地上放送課の安藤英作課長は「店舗やメーカーだけでなく、放送事業者にも告知に協力してもらいたいと考えている」とし、NHKと民放に告知放送を要請することを計画しているという。
また、認知度の数値的な目標に関しては「何年までに何%という目標は設定していないが、100%を目指して2011年まで継続していく。こうした周知活動は2003年から実施できたのではないか? という疑問もあるかもしれないが、最初の2年間はデジタル放送そのものの認知度向上と魅力を伝え、メーカーと消費者が円滑にデジタル放送に移行するための環境作りに重点を置いていた。10月22日からは、アナログ停波の告知へと、重点を移す」とした。
□総務省のホームページ
(2005年9月30日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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