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株式会社ジュピターテレコム(J:COM)は6日、番組供給会社とのマーケティング情報交換会を開催。同社のコンテンツ強化策などを明らかにした。 同社の森泉知行 代表取締役社長兼CEOは、通信事業者が中心となった「放送と通信の融合」とJ:COMの展開するCATV事業の違いについて解説。地域密着したCATVの特色を生かした展開を図ることをアピールした。 森泉社長は、1日に総務省が開催した「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」に出席し、「世の中で放送と通信の融合と言われているが、通信事業者とのユーザーへのアプローチの違いを確認した」という。
「ソフトバンクの孫さんや、KDDIなどがNTTを攻撃していたが、いずれもインフラを大きく広く拡大し、低価格化することを重視している。我々のアプローチは顧客に近い位置からよりよいサービスを届けること。アプローチが大きく異なっている」とし、2006年度にはHDコンテンツの充実やVOD、DVRサービスなどで差別化を図っていく方針を示した。 番組のHD化については、出席したパートナー各社に協力を要請。昨年伝送ネットワークを衛星から光ネットワークに切替え、低コストでHD映像の伝送が可能となったため、J:COMの特徴として2006年に積極的に推進する方針だ。「いきなり24時間全てHDというのは極めて難しい。少しずつ始めて頂いて、ハイビジョンの強化を進めて欲しい。そうした事業者さんには、料金の面でも報いたい」と、積極的なHDコンテンツの提供を呼びかけた。 また、多チャンネル有料放送の市場が伸び悩んでいることから、「コンテンツの一層の充実を図りたい。デジタル化により、視聴率調査の仕組みも作り、プログラム別の視聴率も作れるようになった。各チャンネルの編成に立ち入って、意見を申し上げて、より支持を得るように持って行きたい。協力してWin-Winの関係を作りあげ、多チャンネルマーケットが持続的に成長できるようにしていきたい」と、各チャンネルの番組編成にも踏み込んだコンテンツ強化を図る方針を示した。
加藤徹 事業開発部長は、同社の2006年度戦略を説明。各FTTH事業者がトリプルプレー展開(テレビ/ネット/電話)を加速しているほか、ケイオプティコムやKDDI/東京電力、オプティキャスト、GyaoなどのPC向けのオンデマンド配信など、さまざまな事業者と競合が発生している、という状況を確認しながらも、「不毛な価格競争には陥らず、各商品の差別化により魅力を訴えていく」とした。 特にテレビを重視しており、VODとHD、DVRの3つをキーワードに視聴体験の向上を目指す。番組供給者にはHDやVOD向けのコンテンツの提供を呼びかけるとともに、VODのプロモーションにも力を入れるという。 また、デジタル化により、精度の高い視聴率調査が可能になったため、「各チャンネルの広告収入の拡大も目指して欲しい」とした。4月よりパートナー向けにトライアルを実施し、導入を進めていく。
さらに加入者向けのSNS「@myページ」や、実証実験中のポータルサービス「インタラクTV」などにより、地域コミュニティ向けサービスも強化。地域密着のCATVならではの魅力を訴求していく。 J:COM PHONEについては、VoIP化を推進するほか、3月よりモバイル電話サービス「J:COM MOBILE」をスタート。PHS端末によるDVRの操作や外出先からのEPG予約なども検討し、「グランドスラム」サービスとしてのJ:COMを訴求していくという。
□J:COMのホームページ (2006年2月6日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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