|
株式会社オン・デマンド・ティービーは2日、同社のVODサービスにおいて、H.264形式のハイビジョン映像と5.1ch音声でのVOD配信を6月下旬より開始すると発表した。新サービス利用には、新モデルのSTBが必要となり、価格は31,500円。
新サービスでは、H.264形式での1080iのハイビジョン映像(8Mbps)とAACの5.1ch音声でコンテンツを配信。対象は従来サービスと同様に、NTT東西のファイバーサービス「フレッツ」ユーザーで、受信にはハイビジョン対応の新しいSTBを使用する。 正式サービスは6月下旬だが、既存のユーザーを対象に4月15日より「ハイビジョン先取りキャンペーン」を開始し、3月10日より受付を始める。なお、先行サービスでは映像はハイビジョンとなるが、音声の5.1ch対応は正式サービス時を予定している。
視聴料金は維持する方針で、約3,500本のコンテンツが見放題で定額の「みほうだいプラン」(月額2,100円)でハイビジョン番組も視聴可能。 そのほか、スカイパーフェクTV! で放送中の専門チャンネルの「多ちゃんねるプラン」(同2,100円)、みほうだいプランと多ちゃんねるプランをセットにした「よくばりプラン」(同3,150円)、毎月2本までVODコンテンツが視聴できる「おてがるプラン」(同577円)なども引き続き利用可能となる予定。ただし、ハイビジョン番組の専門チャンネルについては「準備中」としている。 さらに、ユーザーからの要望も多かったという無線LANにも対応。IEEE 802.11a方式で、バッファローの無線LANを簡単に設定するシステム「AOSS」にも対応。同社製のUSB接続型無線LANアダプタ「WLI-U2-KAMG54」(5,355円)などの対応製品や、無線LANルータなどの製品と接続して視聴が可能となる。
ハイビジョン対応の新STBは従来モデルと同様にバッファローが開発。買取(31,500円)のみで、開始当初はレンタルを行なわない予定となっている。GUIは従来モデルと同様にスクウェア・エニックスが担当している。映像出力はD4、コンポジットが各1系統、音声は光デジタル音声とアナログ音声が各1系統。Ethernetに加え、2ポートのUSBコネクタも装備する。外形寸法は315×270×50mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2.1kg。
エラー補正については、SDコンテンツのサービスで採用されていた、パケットロスによる画像の劣化を低減するという「FEC」(フォワードエラーコレクション)のハイビジョンコンテンツでの運用を検討中。コンテンツの著作権保護用技術として、CGMS-Aとマクロビジョンに対応する。
■ ハイビジョンコンテンツは来年度で500本
ハイビジョンのコンテンツ数は6月の正式サービス時には国内外の映画を中心に約200本、2006年度中に約500本まで拡大する予定。コンテンツ総数は2006年度中で5,000本を目標としており、コンテンツの拡充に伴い検索機能も強化するという。 また、地上/BSデジタル放送の再送信については、「放送局の動向による」としており、今後要請を行なう予定。なお、SD画質のコンテンツも並行して拡充される。 4月の先行サービス時に視聴可能となる主なハイビジョンコンテンツは下の通り。
【映画】 【NHK番組】 ■ 現状は「PCでは無料、テレビでは有料」の方向
新サービス導入については「HD対応テレビ、光ファイバーの普及が大きく伸びたことが背景。ユーザーからも光ファイバーの高速性を活かしたコンテンツの要望が高かった」としており、高効率で圧縮可能なH.264の採用により、Bフレッツサービス上でも安定して配信できるという。 梶原浩社長は「ハイビジョンと5.1chのVODを全国規模で同時展開するのは世界初」と宣言。会員数は現在取次ぎベースで4万件、実質は約1万件で、毎月約1万人のペースで増えているが、梶原社長は「2006年度中には10万件、そのうち1万件がハイビジョンサービス加入を目指す」とした。 新サービスに伴い販路も拡大。従来はNTTや家電量販店のフレッツ加入コーナーなどだったが、「大型テレビなどAV製品のコーナーにも設置してもらう方向」とするほか、ISP経由での販売も強化するという。4月15日より行なわれる既存ユーザー向けの「ハイビジョン先取りキャンペーン」では、抽選で100名に新STBのプレゼントも実施。応募は3月10日より同社サイトにて受け付ける。
GyaOなどPC系の配信サービスとの差異化については、「PCは無料コンテンツの視聴に便利だが、テレビはリッチコンテンツの有料サービスに適した方向に進むのではないかと思う」とし、「ただしSTBのみに固執するのではなく、PCディスプレイでの高画質化が進むのであればそちらで再生する方向も考えられる」と述べた。
また、4th Mediaなど他サービスとの競合については、「まだ市場拡大の途中であり、今は足の引っ張り合いをする時期ではない。将来、市場が拡大すれば現在のISPのようにいくつものサービスが並存する可能性はある」とした。 STBを提供するバッファローの斉木邦明社長は、新製品について「これほどの機能を備えたSTBは世界初だと自信を持って言える」と断言。「2011年のアナログ放送停波に向け、このビジネスの伸びには期待しており、今後もハードの使いやすさを進化させていきたい」とコメントした。
□オンデマンドTVのホームページ
(2006年3月2日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|