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株式会社ぷららネットワークスは14日、株式会社オンラインティーヴィと共同で展開しているNTTのBフレッツ回線を用いた多チャンネル映像配信及びVODサービス「4th MEDIA」の現状と、今後の事業方針に関する発表会を開催した。 4th MEDIAは、IPv6を利用したBフレッツユーザー向けの映像配信サービス。約60チャンネルの映像配信と約6,000本のオンデマンドビデオ販売、約10,000曲のカラオケなどの機能が利用可能。
4th MEDIAサービスの加入者数は現在3万人。このうち90%は新規ユーザーで、残り10%は他のケーブルテレビやCS放送などからの移行ユーザーとしている。 ユーザー数があまり伸びていない点については、2004年は技術面の向上、2005年はコンテンツの拡充の年であったとし、結果、この2年間は地盤固めの年になってしまい、営業活動をあまり行なえなかったという。 今年からは積極的な営業活動を実施、月に10,000ユーザーの獲得を目標としている。そのうち5,000人はぷららユーザーから、残り5,000人を他のプロバイダーのユーザーから獲得する見込み。 見込みの根拠としては、昨年の3月から4月にかけてテストマーケティング的に行なった電話によるセールス活動で、10%のユーザーが獲得できた実績を挙げている。 この実績を受けて、同社では今月から、ぷらら光ユーザーを対象に毎月5万人に対して電話によるセールス活動を開始しているなど、営業活動への注力を強めている点を強調した。 これらの新たな営業活動やサービス内容の充実などから今年度末の2007年3月には現在の5倍にもなる会員数15万人を目指す。
サービス内容については、他社サービスと比較して、多チャンネル放送とビデオオンデマンド配信を同時に行なっているサービスが4th MEDIA以外にはない点を挙げた。 コンテンツについても、多くのハリウッドメジャースタジオと契約して、映画コンテンツを増やしている点。スポーツでは国内サッカーのJリーグ全試合放送や、海外に進出した日本人選手の所属する海外リーグ11チーム中7チームの試合の独占配信を行なっている点。海外ドラマや時代劇、歴史ドキュメンタリなどのコンテンツを増加した点など、充実ぶりを説明。
また、先日発売した新世代STB「Picture Mate 300」に関しては、これまで要望の多かったレンタルサービスに対応した点や、送信中に損失した情報を受信側で補正する「パケットロス回復(FEC)」技術による画質向上、機器設置時の設定の容易さなどを特徴として紹介した。 ■ハイビジョン対応は未定。他の光事業者との提携予定は「一切なし」
ハイビジョン対応については、現在契約するコンテンツホルダーの多くがハイビジョン映像のコンテンツをあまり持っていないことを理由に、「計画はあるが、現時点での対応は未定」(中岡氏)とした。またその際には新たな機器を発売する予定という。 また他の光事業者との提携についても、当分の間、計画は一切ないと断言。「一企業として純粋に利益を追求していきたいというのはもちろんあるが、一方でNTT系列の子会社としての立場もある」(板東氏)とした。 ぷららネットワークスの板東浩二社長は「当社も設立から10年が経過した。この10年間ネットワークの飛躍的な進歩やITバブルの崩壊など色々なことがあった。そして3月末の時点でぷららの会員数は約214万人。そのうち23%の約50万人が光回線サービスを利用している」とぷららの現状について語った。 今後の展望としては「ネット接続だけのISPとしてだけでなく、映像を中心に様々なサービス提供を行なう『ブロードバンドサービスプロバイダー』として、生まれ変わっていきたい。そのためにまずは光回線ユーザーの比率をさらに高めていきたい。そしてもう1つは、今年で3年目の4th MEDIAサービスをビジネスとして確立するべく、勝負に出る」と意気込みを語った。 ■新たにレンタルサービスを開始。新型STBのメニュー操作は感度良好
発表会場では、新型STB「Picture Mate 300」の体験ブースも設けられた。4月3日より販売開始された、新型の4th Mediaサービス向けSTBで、販売価格は本体のみで24,150円、専用の無線LANアダプタは7,140円。 また、NTT東日本では「要望が多かった」というレンタルサービスも開始。レンタル価格は月額525円で、無線LANセットは月額840円。新たにスタートした4th Mediaメタサービスに対応したことで、画面の表示速度を高速化したほか、パケットロス回復技術を採用し、映像受信品質の安定化を図っている。
体験ブースで実際に操作したところ、改善されたというメニュー操作のレスポンスは、オンラインで接続されているにも関わらず、メタデータの効果か、メニュー間の移動については1秒前後の待ち時間で、かなり快適に各コンテンツの一覧が表示できた。ただしVODメニューの中で件数が多い項目を選択した場合には10秒近く待たされる場合もあった。 また、VODとテレビのいずれでも一覧表示時に、各番組の購入状況がアイコン表示され、非常にわかりやすい。ただしテレビに関しては現時点では番組表の機能が利用できず、アイコン選択でしか番組が視聴できないのは残念。番組表の表示機能については7月頃にファームウェアのアップデートで対応するという。
□ぷららネットワークスのホームページ ( 2006年4月14日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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