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So-net、Edyで決済可能なVODシステムを公開
-手のひらサイズのSTBでH.264。40GB HDD搭載


4月25日公開


 ソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(So-net)は25日、家電製品として初めて電子マネーの「Edy」で決済ができるVODシステムを公開した。コンテンツホルダや機器メーカー、回線事業者向けの実証実験を既に開始しており、6月末まで実施する予定。具体的なサービスの概要や開始時期は未定となっている。

 同社が24日に発表したVODシステムを、25日開催の業績説明会の中でデモンストレーションしたもの。具体的なサービス開始予定は決まっていないが、プロバイダのネットワーク内だけで提供するVODサービスではなく、インターネット経由で配信を行なうオープンなサービスとして事業化を検討。専用の小型STBをネットワークとテレビに接続するだけでHD/SD解像度の各種コンテンツが楽しめるという。

 最大の特徴は FeliCa対応リーダ/ライターを小型STBに接続し、EdyカードやEdy対応のおサイフケータイをかざすことで有料コンテンツの決済が可能なこと。Edyのシリアルナンバーに対して課金/有料コンテンツの視聴許可を与えるため、他の場所にあるSTBにかざしても、そのカード/ケータイで決済したコンテンツをどこでも視聴できる。

動作中は下部が青く光る EdyでVODコンテンツの決済が行なえる デモではBRAVIAの「KDL-40X1000」が使用された

 また、Edyを利用することで複雑な会員登録作業が不要になるのも特徴。「基本的に人に貸さないEdyカードや携帯電話を利用することで、コンテンツホルダからも理解を得ている」という。

起動画面 ソニー製品でお馴染みのクロスメディアバーをGUIに採用 購入したいコンテンツを選ぶと、Edyカードをかざすよう画面に支持が表示される

カードのシリアルナンバーで登録するため、名前や住所などの入力が不要。数秒で会員登録が完了する。また、一度登録すれば次回からの利用で登録作業は不要 コンテンツの支払い確認画面。デモでは暫定的に1コンテンツ30円となっている HDコンテンツは6~8Mbpsの720pでデモが行なわれた。コーデックはH.264

 STBは100×100×50mm(幅×奥行き×高さ)/約300gと小型/軽量。1.8インチの東芝製40GB HDDを内蔵しており、ストリーミング再生だけでなく、コンテンツの蓄積も可能。ストリーミング受信時に早送りや巻戻し、一時停止などが行なえるトリックプレイにも対応。レスポンスは1秒以内を目指しており「開発段階だが、かなり近いところまで実現している」(テレビポータル事業部門ポータルサービスディビジョン 土屋博一マネージャー)という。

 OSはLinuxを採用。約10秒で起動する。メニューはソニー製品で採用されているクロスメディアバーを搭載。同社がテレビ向けに提供しているネットワークサービス「TV Home」や「オンラインゲーム」、「STB」などのアイコンも用意しているが、「とりあえずアイコンとして用意したもので、ブラウザ機能は実装しているが、それ以外の機能の追加については今後検討していく」という。

入会/退会手続きもメニューから行なえるほか、残高照会も可能 オンラインゲームなどのアイコンも用意

 出力端子として、専用ケーブルを介したD4とアナログ音声(RCA)を各1系統用意。Edyリーダ/ライターを接続するUSB端子と、Ethernet端子を備えたシンプルな構成となっている。

 映像フォーマットはH.264(MPEG-4/AVC)/MPEG-2/VC-1(WMV9)のデコードに対応。デモではHD/SD解像度のH.264動画を再生。配信帯域はHD映像の場合6~8Mbpsを想定しており、HD映像は720pでデモが行なわれた。「決定したわけではないが、720pで十分な画質が得られているため、正式サービスでもHD放送は720pをメインに考えていきたい」という。なお、H.264コーデックへの対応を中心に、キーコンポーネントはSentivisionが開発している。

天面は放熱を良くするためメッシュになっている 背面端子部。写真は2台を重ねたもの テレビ側。STBの専用ケーブルからD4/アナログ音声出力が分岐する


■ テレビへの内蔵も検討

吉田憲一郎社長

 業績説明会の中で吉田憲一郎社長は、今回のVODシステムについて「ビジネス化していくためには、2、3年の程度の時間が必要だと考えている」という。

 しかし「地上デジタルチューナが搭載されたテレビが増えることで、Ethernet端子を備えたテレビの数が増加している。STBという形だけでなく、ダイレクトインも考えていきたい」と語り、VOD機能を薄型テレビに内蔵する事も検討していることを明らかにした。

 なお、So-net会員向けには現在ゲオ・ビービーがVODサービスとして「GEOチャンネル」を提供しているが、同サービスとの関係や、GEOチャンネル用のSTBとして今回の小型STBを提供するかなどの詳細は未定だという。

 吉田社長は、「こうしたビジネスでは、いかにサービスを利用する環境を構築できるかが問題になる。しかし、リビングでテレビに何時間か接するユーザーは必ずいるので、そこにビジネスチャンスは確実にあると考えている」とし、新VODサービス実現へ意欲を見せた。

社名をソネットエンタテインメント株式会社に変更予定

 なお、ソニーコミュニケーションネットワークでは、25日に行なわれた取締役会にて、商号をソネットエンタテインメント株式会社に変更することを決定。6月に開催される株主総会で決議の後、10月1日から変更する予定だという。

 新社名について吉田社長は「かねてから“ソネット”というサービスブランドと社名を統合したいと考えていた」と説明。後半の“エンタテイメント”については「“この先楽しいほうがいい”をキーワードにしたCMを行なっているが、今後もネットワークを通じて楽しいものを届けたいという思いを込めた」と語った。

□So-netのホームページ
http://www.so-net.ne.jp/
□ニュースリリース
http://www.so-net.ne.jp/corporation/release/2006/pr060424.html
□関連記事
【4月24日】So-net、H.264対応でHDD内蔵STB使用の新VODサービス
-Edyで決済可能。HD番組をストリーミング再生
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060424/sonet.htm

(2006年4月25日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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