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松下、プラズマ第4工場着工状況を公開
-本格稼働で、全体では年間1,000万台生産に


5月30日発表


 松下電器産業株式会社は30日、尼崎のプラズマパネル工場の様子を報道関係者に公開した。

 同社では、2005年12月2日にも同工場を報道関係者に公開したが、その後、第3工場の第2期生産体制が、7月から稼働すること、また、今年1月に発表した第4工場の着工が4月から始まったことなどを受けて、改めて内部を公開した。

第4工場の着工は4月から始まった。後ろに見える阪神高速道路の高さが約30メートル。第4工場は、この2倍の高さになる予定
 尼崎の第4工場は、第3工場の北側隣接地に建設しており、現在、基礎工事が急ピッチで進んでいる。6月からは鉄骨を組み上げる作業が開始される予定で、来年2月には建物が完成。その後、製造機器を搬入して、来年7月には生産を開始する予定となっている。

 完成した建物は、東西が270m、南北が116m、高さ60mに達する予定。すでに稼働している第3工場が東西290m、南北116m、高さ30mであることに比べると、東西の幅はやや短いが、高さが約2倍となっている。

 「京都駅ビルの高さが約60mと言われており、これとほぼ同じ高さ。マンションに換算すると20階建て相当になる」という。

 20万m2の敷地面積となり、甲子園球場の約5倍、東京ドームの約4.5倍の大きさだという。一方、第3工場の第2期工事は、7月にも稼働する予定で、すでに生産設備が設置済み。現在、試験稼働を行なっている段階にある。


■ 次期生産拠点は国内を視野に

PDP販売台数の推移
 パナソニックAVCネットワークス社・森田研上席副社長は、「第3工場の第2期が稼働すると、この工場だけで月産28万5,000台となり、第4工場の本格稼働で、松下電器全体の生産規模は年間1,000万台となる。今の状況から見て、2008年度までは確実に、この生産体制でいける。だが、薄型テレビの需要は、業界の予測を上回る形で増えており、この4工場だけで済むとは思っていない。次の建物を考えるときが出てくるだろう」と述べた。

 また、「プラズマパネルは技術革新が早く、技術者のいる茨木に近い場所であること、電気などのエネルギー供給の環境が整ったところであることが条件になる。海外は人件費に関してメリットがあるといわれるが、プラズマパネルの工場内にはセット工程ほど人が必要ないため、人件費のプラスメリットはほとんどない」として、次期生産拠点の検討に関しては、国内が優先となる可能性が現段階では高いことを示した。

森田研上席副社長
 さらに森田氏は、ブラジルで薄型テレビの組立を行なうことを明らかにした。これまでのブラウン管テレビの生産拠点を利用するもので、月1万台から生産を行なう。

 そのほか、「パネルに関しては日本で集中生産を行なうが、セットは消費地生産によって市場に直結させる」としており、すでに米国、チェコ、シンガポール、中国、台湾で薄型テレビの組立を行なうことを明らかにしている。


□松下電器産業のホームページ
http://panasonic.co.jp/
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( 2006年5月30日 )

[Reported by 大河原克行]


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