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ソニーは31日、薄型テレビやプロジェクタ製品などで採用されている独自の映像信号処理技術「DRC」の最新バージョンDRC-MF v2.5を発表した。 BRAVIA Xシリーズなどで採用されている高画質化技術で、最新のDRC-MF v2.5では、BRAVIAシリーズの新機種に順次搭載される予定。DRCは、SD映像からHD解像度の映像を作り出す技術として‘97年に開発されたが、2004年発表のv2以降は、HDソースの高画質化処理に注力している。 最新のv2.5では地上/BSデジタル放送の高画質化や映像ソースにあわせた処理の最適化などが追加された。DRC-MF v2.5の新機能は以下の3点となる。
発表会では、ソニー コーポレートエグゼクティブ SVP A-cubed研究所所長の近藤哲二郎氏がDRC-MF v2.5の開発背景や特徴について説明した。 DRCは'97年の製品化以来、SDソースをHD化することに注力。単なるスケーリング処理だけでなく、デジタルマッピング処理を取り入れ、質感や解像感を表現する信号を演算処理で作り出してきた。しかし、BS/地上デジタル放送の普及により、HDソースが増えてきたことから、2004年発表のv2では、独自のマッピング処理を導入し、HDの高画質化処理を強化。「HDでもリアリティの向上を図った」という。 さらに、最新バージョンのDRC-MF v2.5では、マッピング処理の改善などでHD品質の向上を図ったほか、1080p信号の生成に対応。より高精細かつ、臨場感ある映像表現を可能とした。
また、地上/BSデジタル放送の信号から、元ソースの情報を検出して、最適な“リアリティ創造”処理を行なう機能を新搭載した。例えば、地上デジタル放送の1080i信号の中から、SD収録の番組や、SD/HDを編集時に混在させた番組など、ソースの情報を映像信号から検出。最適な処理を行なうことで、画質向上を図るという。 会場では、従来バージョンのDRC-MF v2内蔵の46型液晶テレビ「KDL-46X1000」と、DRC-MF v2.5搭載モデルとの比較デモも行なわれた。 デモ映像では、人物の髪の毛や肌の細かい表現や、和紙のテクスチャなどの描写に大きな差が見られた。また、奥行き感や、フォーカス感も改善しているが、単にシャープネスを上げた時のような不自然な輪郭のノイズなどは全く感じられなかった。 SD収録映像をアップコンバートして放送した番組の比較デモも行なわれたが、同様に立体感や細部の描写の向上化などが確認できた。
将来的には次世代HDMIなどで導入予定の各色10~16bit信号などにへの対応も検討していく。同様に1080p以上の4K(4,000×2,000ドット)などのより高解像度な映像データへの対応についても、研究を進めているという。 □ソニーのホームページ ( 2006年6月1日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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