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コナミ株式会社のオリジナル・テレビアニメーションとして、7月1日からテレビ東京系6局ほかで放送が予定されている「おとぎ銃士 赤ずきん」。 もともとは、2005年に開催されたガレージキットの総合イベント「ワンダーフェスティバル2005 冬」で、フィギュアと約30分のOVAを収録したDVDをセットにした「フィギュアニメ」として誕生した作品。イベント来場者の10人に1人にあたる3,000人以上が購入した話題商品となり、同梱していたOVAも高い評価を得て、2006年7月から3クール(39話)のテレビアニメとして新展開することになった。
なお、既報の通り、同社は「東京国際アニメフェア 2006」においてアニメビジネスへの本格参入を発表。「ときめきメモリアル」や「セイントオクトーバー」、「スカイガールズ」などの映像作品を発表している。「赤ずきん」は、それらのトップバッターとして放送されるというわけだ。
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■ 幅広い世代が楽しめる作品に
主人公は14歳の平凡な少年・鈴風草太。彼は幼い頃から草花を少しだけ元気にできる、不思議な力を持っていた。そんな草太の日課は物語を空想すること。しかし、いつも夢に出てくるのは同じ世界の景色だった。 そんなある日、空想なのではと思えるような出来事が起こる。狼のような化け物が出現し、突然草太に襲いかかって来たのだ。彼の命を救ったのは赤ずきんと名乗る女の子と、言葉を話す銀色の狼ヴァル。彼女達は王様の命により、草太を守ために、異世界“ファンダヴェーレ”から草太の暮らす世界にやって来たというのだ。 かくして、自らの中に眠る「封印の力」により、2つの世界を巡る壮大な運命に翻弄されることになった草太。さらに、赤ずきん盟友で三銃士である「白雪姫」、「いばら姫」も登場し、草太に想いを寄せる幼なじみの木ノ下りんごは戦々恐々。恋に冒険にと、盛りだくさんなストーリーとなっている。 登場人物の名前からもわかるように、グリム童話がモチーフになっている本作。テーマは「想像力という無限の可能性の重要さ」だという。OVA版はどちらかというと大人のアニメ/フィギュアファンがターゲットになっていたが、テレビ版は子供から大人まで、幅広い層が楽しめる作品になるという。
放送開始まで約2週間。テレビアニメ版「赤ずきん」がどのような作品に仕上がっているのか、第2話のアフレコが行なわれた都内のスタジオに突入した。
■ OVA版よりも対象年齢層を広く テレビ版の監督を努めるのは石山タカ明氏。「テレビ版の製作が決まり、赤ずきんの世界をより多くの人に観てもらえるのは非常に嬉しいこと。30分のOVAと39話のシリーズでは、描ける内容量がまったく違う。OVA版の時から存在していた、壮大な赤ずきんの物語をテレビ版で丁寧に、そして厚みのあるストーリーで作り上げていきたい」と抱負を語る。 また、対象年齢層を広くしたことについては「アクションシーンや戦闘シーンもあるのですが、目指しているのは笑顔で観てもらえるアニメ。今の時代だからこそ、あえて美しくて、可愛らしくて、気持ちが豊かになるような作品を目指したい。簡単に言うと、“世界平和のために作っているアニメ”ですね」と笑う。 2話までの収録でも、OVA版との違いは明確だったようだ。赤ずきん役の田村ゆかりさんは「OVA版の赤ずきんは、年齢のわりにしっかりしていた。けれど、テレビ版の彼女は良い意味で子供っぽいところが魅力。無邪気に演じたいです」と語る。 そんな赤ずきんとは異なり、恋やお洒落に積極的なのが、白雪姫。演じる立野香菜子さんは「これまで女の子の役が少なかったので、少し苦労しています」 とのこと。しかし、「洋服を買うのが好きなところとか、私自身と白雪姫が重なるポイントも多いので、地でいこうと思っています」とニッコリ。
「OVA版の時に、この作品がテレビシリーズになったらいいなぁと話していた。それが実現したので夢のようです」と語るのは鈴風草太役のくまいもとこさん。「草太は、草花に話かけるような優しい男の子。元気な赤ずきんと比べると、草太がヒロインで、赤ずきんがヒーローという感じ。逆転現象です」と笑う。さらに「世界平和という話がありましたが、個人的には女の人が強い方が、世界は平和になるんじゃないかと思っています」と深い一言も。監督や取材陣も含め、「確かにそうかも」と頷いてしまった。 数少ない男キャラとして活躍するのが、赤ずきんのパートナーである銀狼ヴァル。演じる檜山修之さんは「女性キャラの多い作品なので、男としての格好良さを表現したい。また、コミカルなシーンも用意されているので、格好良さとの、良い意味でギャップのある演技をしていきたい」と語る。 釘宮理恵さん演じる木ノ下りんごは、草太の幼なじみという設定。「三銃士はみんな可愛いので、りんごは草太を取られちゃうんじゃないかと心配しています。今日のアフレコでも怒っていましたが、これからずっと怒っているキャラになるのではと、ちょっと心配です」とのこと。しかし、「美しく、可愛いアニメという話があったので、プンプンと、可愛く怒っていきたいです」と抱負を語ってくれた。
悪役として登場するのは、ご存じヘンゼルとグレーテル。ヘンゼルは冷徹な美少年キャラだ。「アニメで悪役は初挑戦なのでワクワクしています。主人公達がしっかり世界平和を実現できるように、しっかり悪役を演じたい」と抱負を語るのは平川大輔さん。 グレーテル役の矢作紗友里さんは「彼女はとにかくお兄ちゃんが大好きで、お兄ちゃんのために戦う女の子です。兄の前で見せる可愛い面と、主人公達と戦う時のグレーテル、メリハリのある演技をしていきたい」という。
3クールという長めの作品だが、テーマはその規模に負けない「世界平和」という大きなもの。壮大な物語の中で、草太や赤ずきんなど、可愛いキャラクター達がどんな答えを見せてくれるのか、7月の放送開始まで期待して待つことにしよう。
□コナミのホームページ
(2006年6月15日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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