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株式会社日立製作所は、8GB HDDのマイクロドライブとDVDドライブの両方を搭載したハイブリッドビデオカメラ「Wooo DZ-HS303」を8月30日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は13万円前後。シャンパンシルバーとディープブルー(限定生産)の2色を用意する。
最大の特徴は8cm DVD-R/RW、DVD-RAM、DVD+RW対応の日立製記録型DVDドライブに加え、日立グローバルストレージテクノロジーズ製の8GB HDD(マイクロドライブ)も内蔵すること。HDDには、ファイン画質モードで約3時間、標準モードで約6時間の録画が可能。 ただし、ハイビジョン撮影には対応しておらず、SD録画のみとなる。DVDメディアにもこれまでのDVDカムと同様に直接録画もできる。なお、マイクロドライブのユーザーによる交換には対応していない。
HDDに撮影した動画をHDD上で編集し、パソコンを使わずに、本体内で8cm DVDメディアにダビングが可能。本体に備えたダビングボタンを押すだけで手軽にダビングモードへ移行できる。HDD内の全映像をまとめてDVDにダビングする「まるごとダビング」と、必要なものだけをダビングする「えらんでダビング」の2種類が選択可能。ダビング後はHDD内のコンテンツを削除するかどうかも選べる。
また、HDDやDVD-RAM、DVD-RW(VRモード時)に録画したコンテンツは、不要シーンの削除やシーンの並び替え、シーンの最初と最後に効果をつけるフェード設定機能などの編集作業も可能。ライティングしたメディアには自動的にサムネイル付きのメニュー画面も付与される。ただし、メニューにユーザーが文字を入力するなどのカスタマイズは行なえない。
16:9のワイド動画撮影が可能。画質設定はVBR対応のXTRAモード(約9.8Mbps)と、FINE(約6Mbps)、STDモード(約3Mbps)の3種類を用意。8GB HDDへの録画可能時間はXTRAで約110分、FINEで約180分、STDで約360分。ビットレートはDVDとHDDに違いはなく、DVD(片面)の場合はXTRAで約36分、FINEで約60分、STDで約120分。音声はドルビーデジタル。 SDカードスロットも備え、最大2,016×1,512ドットの撮影が可能。動画撮影時に静止画撮影を行なうことはできないが、ビデオ映像の中から静止画を切り出すキャプチャ機能は備えている。 USB 2.0ハイスピードモードに対応し、マスストレージクラスもサポート。HDDやSDカード内の動画や静止画ファイルをパソコンに高速取り込み可能。編集からオーサリングも行なえるWindows用ソフト「ImageMixer 3」や、Mac用の「PixeVRF Browser EX」、「ImageMixer VCD/DVD2」もバンドルしている。 カメラ部の仕様は、1/3型総画素数約331万画素のCCDを搭載。有効画素数は動画撮影時で約218万画素、静止画で約305万画素。レンズの画角は35mm換算で動画時約52.7~527mm、静止画で約44.6~446mmの光学10倍ズーム。F値は1.8~3.0。電子式の手ブレ補正機能も備えている。 高画質化回路として「ピクチャーマスター for DVDカム」を搭載。画像処理LSIとMPEG-2 LSIで構成され、画像処理LSIは12bit画像処理や輝度信号の広帯域化を行なうCCMフィルタなどを装備。MPEG-2 LSIには3次元のイズリダクション機能も備えている。
ほかにも、約1秒で撮影可能になる「秒撮モード」など、これまでのDVDカムシリーズで採用された技術を踏襲。内蔵HDDを保護するために、落下を検出してHDDヘッドを退避させる「三次元落下センサー」や「耐衝撃ダンパー」、非動作時にヘッドを退避させる「ヘッドロード・アンロード」も備えている。
8ピンの特殊コネクタを介してS映像、コンポジット、アナログ音声入出力を各1系統装備。バッテリパックを含む外形寸法と重量は約66×143×92mm(幅×奥行き×高さ)/560g。付属のバッテリ「DZ-BP14S」を使用した際の連続使用可能時間は約125分。
■ 予約購入で5,000円キャッシュバック
製品を予約購入したユーザー全員に5,000円をキャッシュバックするキャンペーンも実施する。8月2日から8月29日までの期間中に予約申込書を送付するか、Webサイトで予約。購入後に製品に同梱されるキャンペーンシール付きユーザー登録葉書を郵送すると、郵便為替で5,000円がキャッシュバックされる。同社によれば「ビデオカメラのキャッシュバックキャンペーンは世界初」だという。
■ 「カメラ革命」の第1弾。「AVCHDは検討している」
ユビキタスプラットフォームグループ製品開発事業部の荻本教夫副事業部長は、ビデオカメラ市場について「ユーザーニーズの多様化が顕在化してきた。日立はDVDビデオカメラを投入。テープからディスクというメディアの変化をもたらし、新たな市場を牽引してきたと自負している」とこれまでの歩みを振り返る。 そして、HDDとDVDのハイブリッドカムを開発した理由については「1月に行なった発表会で、“DVDカムとしての完成形”という言葉を使った。完成後の新しいカメラの第1弾を考えるにあたり、ユーザーが本当に使いやすいもの、喜んでもらえるものは何かと考え、撮影、編集、再生の利便性向上を命題とした。HDDに録画してDVDに書き出すという新モデルはそれができる製品だと考えている」と語り、ハイブリッドカムが「カメラ革命を起こす第1弾モデル」と表現した。
なお、8GBというHDD容量の少なさを指摘する質問には、荻本氏は「リサーチの結果、多くの人が十分だと感じる2時間の撮影可能時間クリアしており、FINEモードでは3時間録画できる。容量に問題はないと考えている」と回答した。 また、HD撮影可能なモデルの予定については「同じWoooブランドでも薄型テレビなどをリリースしており、市場のHD対応の広がりも感じている。その中でビデオカメラのハイビジョン化は一番大切な付加価値だと考え、HDカムを一生懸命開発している。だが、やはり撮影、編集、再生というソリューション全てでHD化して初めてユーザーメリットがある。1つの断面だけを切ってHDにランクアップしてもトータルとして難しいのではないかと考えている。日立としては全ての項目で満足できるHDカムを提供したい」と説明。具体的なリリース時期については名言を避けた。
さらに、ソニーや松下電器が推進しているAVCHD規格については「非常に魅力的な規格だと素直に感じている」と評価。「現時点では是でも、否でもないが、ユーザーにとって意味のある規格になるかどうかを見ながら検討させていただいている」と語った。
□日立製作所のホームページ
(2006年8月2日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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