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IFAでは例年、年末商戦に向けてディスプレイやプロジェクタが多数発表される。各ブースでも「HD」をキーワードにディスプレイ製品を積極的に展開している。 ■ ビクター、110型D-ILAリアプロを出展
ビクターはリアプロジェクションとしては世界最大となる110型リアプロディスプレイを出展している。 画面サイズは対角で2,794mm、横2,435mm、縦1,370mmという超大型のディスプレイ。解像度は1,920×1,080ドット。110型ながら、D-ILAデバイスや光学系は、同社のリアプロジェクションテレビシリーズ「ビックスクリーン EXE」とほぼ同じで、ランプも量産製品と同等のものを利用している。そのためシステム全体の消費電力も230W程度に抑えられており、特殊な電源工事などが必要なく設置できる超大型ディスプレイとしてアピールしている。 技術的には、既存のリアプロのノウハウをそのまま生かせるため、早期の製品化も可能という。課題となるのは、現在このサイズのリアプロ用スクリーンが存在しないこと。今回は凸版印刷と共同で開発したスクリーンを利用している。 同社では、「IFA 2006に初めて展示したところ、非常に好評で、特にインフォメーションディスプレイとしての活用が期待される」という。「今すぐに2台注文したい」という来場者もおり、早期の製品化を目指したいとしている。
■ Samsung、LEDを光源に利用した40/46型液晶テレビ
Samsungは、LEDバックライトを光源に利用した40/46型液晶テレビを発表した。1,366×768ドットパネルを採用した40型「LE40M91」と、1,920×1,080ドットのフルHDパネルを採用した40型「E40F7」、46型「LE46F7」をラインナップする。 LEDの採用によりLE40M91では、色域を従来比で約146%に拡大。コントラスト比は10,000:1を実現した。フルHDモデルは色域を従来比127%に向上し、コントラストは6,000:1。いずれも同社独自の100Hx駆動と黒挿入技術により残像を低減。CCFLからLEDに変えることで環境負荷の低減も見込まれるという。 また、同社ではLEDを利用したDLPリアプロテレビも発表しており、LED光源の製品化に向けて、積極的な取り組みを見せている。 ■ SEDも注目を集める 東芝のブースでは、招待客のみ限定ながら、SEDを公開している。デモの基本的な内容は2005年のCEATECと同じで36型/WXGAのSEDを専用コンテンツを用いて鑑賞するというもの。しかし、欧州ではほとんど出展を行なっていないSEDのデモとあり、参加者の注目度は非常に高い。
なお、SEDの立ち上げについては、2007年の7月に平塚事業所でパイロットラインを稼動、2008年中に姫路工場で量産開始を行なうことが発表されているが、「平塚の2007年7月稼働がこれ以上遅れることはない」とのこと。 本格量産は2008年からで、2007年後半に55型のフルHDでスタートすることが決定しているが、現在は「(55型より)上のサイズを狙うのか、下を狙うのかを含めて意見を聞いている」とのこと。ディーラーなどのほか、HD DVDの立ち上げにあわせて多くのスタジオ関係者なども招待しており、意見を取り入れながらSEDの製品化に役立てていきたいという。 ■ その他
シャープは、亀山第二工場の立ち上げにあわせて日本と欧州で同日に新AQUOSを発表。欧州市場への注力を伺わせる。また、同社ブースでは、フルHDモデルを「NOTHING IS LOST」というキーワードで、アピールしている。 Samsungが102型プラズマテレビなどや、日立が42型、60型のフルHD PDPなどを参考展示している。また、三菱電機はLEDを光源に使ったモバイルプロジェクタ「PK10」を出展している。
□IFA 2006ベルリンショーのホームページ(英文) ( 2006年9月3日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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